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月刊誌「りぶる」特集 3月号より

社会経済構造の
新たな局面に対応する
質の高い教育の実現に向けて

自由民主党 教育立国調査会
柴山昌彦 会長

自由民主党 教育立国調査会は、昨年11月に「教育立国調査会 緊急提言~文系中心の構造の大転換~」を取りまとめ、政府に申し入れました。柴山昌彦会長に、教育立国調査会の活動、教育改革の意義、提言の概要やポイントなどについて伺いました。

取材日:令和8(2026)年1月5日

人材強化は国家100年の大計の要
教育に関する重要課題を中長期的な視点で議論

―党教育立国調査会について教えてください。

柴山昌彦党教育立国調査会長(以下、敬称略)自民党政務調査会の下に設置されている調査会の一つで、教育に関する重要課題を中長期的な視点で議論し、政策を立案しています。
 もともと、わが党には安倍晋三元総裁の下に「教育再生実行本部」という総裁直属の機関がありました。人材強化は国家100年の大計の要であることから非常に重要な機関として位置付けられていました。その後、高市早苗政務調査会長(当時)の時に総裁直属機関から調査会に移管され、高市政調会長自らがネーミングして「教育・人材力強化調査会」になりました。
 この教育・人材力強化調査会は昨年、小林鷹之政調会長の下で「教育立国調査会」に改称され、新たにスタートしました。
 私はこれまでに教育再生実行本部長、教育・人材力強化調査会長を歴任してきており、教育立国調査会でも引き続き会長を務めています。

―中長期的な教育の課題について、お考えを聞かせてください。

柴山私が総務副大臣を拝命した平成24(2012)年ごろに強く感じたのは、日本はまだまだSNSやICT(情報通信技術)を活用した取り組みが遅れていること。そして、“正解か、不正解か”を問う教育が主流で、大学入試も1点刻みで合否を判定するマークシート方式に重きが置かれていました。
 もちろん正しい答えを得ることを、否定するわけではありません。しかし、他の国は、正解のない問題に時間をかけて試行錯誤したり、論理的な思考を鍛えたりしながら、多角的な視点や考える力などを身に付けています。そして、いろいろな知識を持った人たちとチームをつくって、正解の先にある議論を交わしています。
 日本もこうした鍛錬が必要だと考え、私は総務副大臣の時にICTを活用して、子供たちが主体的に学び、協働しながら未来を生き抜く力を育むための先進的な教育モデルとして“フューチャースクール構想”を打ち出しました。ただ当時は、まだSNSやICTの重要性が認識されておらず、実証研究が行われた後は、取り組みが思うように進展しませんでした。
 この経験を踏まえ、私が文部科学大臣を拝命した平成30(2018)年に“柴山・学びの革新プラン(以下、柴山プラン)”を提唱しました。
 柴山プランは、(1)遠隔教育の推進による先進的な教育の実現(2)先端技術の導入による教師の授業支援(3)先端技術の活用のための環境整備―の三つを柱に、全ての児童生徒に対して質の高い教育を実現しようとしたものです。この取り組みは、後任の萩生田光一文部科学大臣の下で“GIGAスクール構想”※1へと発展。その後、新型コロナウイルス感染症の発生によって対面授業が困難な状況に陥り、教育のICT化が全国で急速に進みました。
 この教育のICT化は、これまで調査会が中長期的に議論してきた教育改革の柱の一つです。

柴山昌彦 会長

―教育改革では、どのようなテーマを議論してきましたか。

柴山大きなテーマとしてまず挙げられるのは、教育に係る負担軽減についてです。負担を軽減するための枠組みや方向性などについて、侃々諤々の議論をしてきました。
 例えば、奨学金は経済的理由で進学を諦めようとしている学生にとって大きな助けとなります。しかし貸与型は、返済義務があるため、将来の返済を不安に感じる人は少なくありませんでした。
 私は文部科学大臣時代に、高等教育機関における教育・研究改革の一体的推進(柴山イニシアティブ)に力を入れ、「大学等における修学の支援に関する法律」を成立させました。

 現在、真に支援が必要な低所得者世帯の学生に対して、返還不要の給付型奨学金や、授業料・入学金の減免が行われています。
 また、中間所得層への支援拡大とともに、調査会で議論しているのがオーストラリアやイギリスで導入されている出世払い型貸与奨学金(日本版HECS)です。大学在学中は授業料の支払いを免除し、卒業後に所得に応じて授業料を徴収する仕組みです。
 国は令和6(2024)年度から、国内の大学院修士課程(博士前期課程を含む)と専門職学位課程の在学者を対象に「授業料後払い制度」を導入。今後、学部生にまで広げていく予定で、調査会では具体的な制度設計に向けた検討を行っています。
 さらに調査会では、これまでに高等教育に関して「提言~質の高い教育へのアクセス確保に向けた“人への投資”の拡充~」や「大学再編・地域アクセス確保に関する提言」を取りまとめてきました。さらに、高校教育改革については昨年6月に「緊急提言~未来を見据えた『高校教育改革2040』〜」を取りまとめ、産業界のニーズも踏まえながら、高校から大学・大学院等まで一気通貫した人材育成システム改革を進めていく必要性を主張してきました。
 調査会内にはPT(プロジェクトチーム)を設置し、社会情勢に応じた重要課題やテーマについて議論し、提言等を取りまとめてきました。

※1:1人1台端末や高速大容量の通信ネットワーク等の学校ICT環境を整備・活用することによって、教育の質を向上させ、全ての子供たちの可能性を引き出す「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現しようとする構想

社会情勢に応じた重要課題やテーマについて議論するPT

柴山昌彦 会長

―主なPTの活動について教えてください。

柴山一つ目は、大学国際化・留学促進PTです。
 先ほど述べましたICTの利活用とともに、オックスフォード大学やマサチューセッツ工科大学といった海外の質の高い教育機関との人材交流を推進することが、ひいては日本の大学や教育の質を高めることにつながると考えます。日本から海外に留学する若者を増やすため、語学教育の充実や海外留学支援の強化などを盛り込んだ決議を令和6(2024)年8月に取りまとめました。

 二つ目は、大学再編・地域アクセス確保PTです。
 少子化が急速に進み、特に地方では定員割れの大学が急増。中には経営難に陥る大学法人もあり、統合を検討している大学等は少なくありません。このまま何も対策を講じなければ、教育や介護・看護、そして理工系等の専門人材が地方で枯渇し、若者の都市部への流出がさらに加速することが懸念されています。
 PTでは人口減少社会における大学の再編や、地方における教育機会(アクセス)の確保について提言を取りまとめ、それが文部科学省中央教育審議会による答申の基礎となりました。
 三つ目は、不登校対策PTです。
 深刻化する不登校問題を解決し、全ての子供に学びと安心を提供できる体制づくりが求められています。PTでは、不登校の子供に対するICTを活用した学習支援、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーのような専門職の必要性などを含めた提言を取りまとめました。
 これらの提言等において共通して訴えてきたのは、質の高い教育です。それを実現するため、直近の調査会は文系大国日本についての議論を積み重ね、昨年11月21日に首相官邸で木原稔内閣官房長官に「教育立国調査会 緊急提言~文系中心の構造の大転換~(以下、緊急提言)」を手交。木原官房長官を通じて、高市総理にもしっかりとお伝えいただきました。

インタビューの続きはりぶる本誌でご覧ください

りぶる3月号

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