月刊誌「りぶる」 9月号より
新型コロナウイルス感染症の影響により、国際線の多くが減便・欠航を余儀なくされる中、ANA(全日本空輸)は保有する総2階建てのエアバスA380型機(以下、A380型機)を活用した「ANA FLYING HONU チャーターフライト」を運航しています。
感染症対策を徹底して開催されるイベントの魅力を紹介します。
※取材は、感染症対策を十分に実施した上で行っています
※人物(高橋 潤さん、木島美幸さん)を除く写真は、全てANA提供。イメージです
※掲載の内容は、令和3(2021)年8月2日現在のものです
ANAが東京(成田)⇔ホノルル(ハワイ)線(以下、ホノルル線)で運航しているA380型機。その機体にはハワイで神聖な生き物として愛されているウミガメがデザインされ、通称「FLYING HONU(空飛ぶウミガメ)」と呼ばれています。
昨年8月、この飛行機を活用して、日本の上空を遊覧飛行する「ANA FLYING HONU チャーターフライト」が初就航。企画したANA Xの高橋潤さんは「きっかけは、お客さまの声でした。新型コロナウイルス感染症の影響で国際線は多くが欠航している状況ですが、たくさんの飛行機が駐機していることを報道で知ったお客さまから『ぜひ乗りたい』というご要望があり、この企画が動き出しました」と話します。
企画のコンセプトは、ずばり“ハワイ”。「ホノルル線専用機だからこそできること、チャーター便にしかできない企画やサービスで、ハワイをより身近に感じていただけるよう努めました」。
海外へ旅行するのが難しい状況の中、「空飛ぶウミガメに乗るチャンス」「遊覧飛行をお手頃価格で楽しめる」などと大きな反響を呼び、初回のフライトは抽選倍率が約150倍に達したシートもありました。「夏休みに、どこにも遊びに行けなかったというご家族が本当に喜んでくださって…。参加された皆さまが満面の笑みを浮かべて、それぞれに遊覧飛行を楽しまれていました。その姿を見て、企画した私たちも感動しましたし、目の前でお客さまと接することができたのが何よりもうれしかったです」。
飛行機に乗り、ハワイに行った気分を味わえると人気の「ANA FLYING HONU チャーターフライト」。
ファーストクラス席のCAとして搭乗した木島美幸さんに伺いました。
―CAを目指したきっかけを教えてください。
木島 父が飛行機好きで、幼い頃から家の至る所に飛行機の模型やポスターがありました。そういう環境の中で育ったので、近所に空港はありませんでしたが飛行機は身近な存在でした。自然と私も大好きになって、ぼんやりと「飛行機に関わる仕事がしたいな」と思っていました。
長年の念願がかない、平成19(2007)年にANAへ入社。父も喜んでくれました。毎月平均80時間ほど飛行機に乗務し、昨年には通算1万時間を突破。しかし、今は新型コロナウイルス感染症の影響で乗務する機会があまりなく、寂しい限りです。
―最近は乗務しましたか。
木島 今年4月に2回「ANA FLYING HONU チャーターフライト」を担当しました。私はA380型機でのフライトが丸1年ぶりだったので少し緊張していました。
その一方、搭乗前からワクワクしていて、SNSで「チャーターフライト」と検索すると、たくさんのお客さまが期待に胸をふくらませていることを知り、その期待に応えることができるよう、私も気持ちを高めてフライトに臨みました。実際に200人を超えるお客さまが参加され、久しぶりにたくさんの方と接することができて、本当に楽しかったです。
―乗務の担当は、どのように決まりますか。
木島 チャーターフライトで使われる「FLYING HONU」は、A380型機という飛行機です。この機種の訓練を受けて乗務資格を取得している、限られたCAの中から担当が任命されます。
どの飛行機でも、その機種ごとの乗務資格を持ったCAが搭乗しますが、A380型機の機種資格は全てのCAが持っているわけではありません。さらにファーストクラスを担当するには、そのための資格も必要です。私が入社した時、先輩に「資格を取得するのに10年かかるわよ」と言われ、本当に10年かかりました。
―A380型機の特有な部分などはありますか。
木島 客室が2階建てです。搭乗するCAが通常の倍くらいいるので、スムーズな意思疎通を図るため、また安全のためにも細かいルールがたくさん決められています。
機体にウミガメが描かれた「FLYING HONU」は通常、東京(成田)とホノルル(ハワイ)間を運航する飛行機です。チャーターフライトは国内の遊覧飛行ですが、お客さまにハワイを旅するような気分を味わっていただけるよう、演出に工夫をしています。
インタビューの続きはりぶる本誌でご覧ください
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