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月刊誌「りぶる」 7月号より

熱中症は予防が大事!
“3密”を避けて十分な対応を

特集1
熱中症は予防が大事!
“3密”を避けて十分な対応を

堀内詔子 環境副大臣
堀内詔子 環境副大臣

急に暑くなる7月は例年、熱中症による救急搬送者や死亡者が急増します。
堀内詔子環境副大臣に、近年の熱中症の特徴や、その対策、新型コロナウイルス感染症と熱中症の対策を両立させるポイントなどについて伺いました。

取材日:令和3(2021)年4月27日
※感染症対策を十分に実施した上でインタビューを行っています。マスクは撮影時のみ外しています。

誰でも発症する恐れのある熱中症
暑くなる前から、早めの対策を

―熱中症について教えてください。

堀内暑い環境のもとで体温の調節がうまくできなくなる状態のことを熱中症といいます。その症状は、めまい、吐き気、頭痛、体が熱くなる、意識を失うなどさまざまで、最悪の場合は死亡することもあります。
 実は私自身も、学生時代に発症したことがあります。テニスの試合に出ていて、突然パタリと倒れたのです。そのまま病院に運ばれ、熱中症だと診断されました。倒れる直前まで「自分は全くの健康体」だと思っていました。しかし、ある限度を超えると倒れてしまうのです。
 熱中症は、誰でも発症する可能性があります。気温が高い日の屋外で発生すると思われがちですが、風通しの悪い屋内でも起こります。自分の健康を過信せず、早めに予防対策を講じて、夏を〝安心安全〟にお過ごしいただければと思います。

―近年の熱中症の発症状況は、いかがですか。

堀内資料1のグラフをご覧ください。熱中症で救急搬送された人の数は、直近の3年で非常に多くなっています。それと同時に死亡者数も3年連続で1000人を超えています。

資料1 熱中症による緊急搬送人員と死亡者数

資料1 熱中症による緊急搬送人員と死亡者数
出典:「熱中症対策行動計画」をもとに作成

 また、昨年夏の東京都23区における熱中症死亡者をみると、〝約9割〟が65歳以上の高齢者で、発生場所は〝約9割〟が屋内でした。さらに、屋内で亡くなった人のうち〝約9割〟が、部屋にエアコンがなかった、もしくはあっても使用していなかったことが明らかになりました(資料2参照)。

資料2 令和2年夏の東京都23区における屋内熱中症死亡者のエアコン使用状況

資料2 令和2年夏の東京都23区における屋内熱中症死亡者のエアコン使用状況
出典:「熱中症対策行動計画」をもとに作成

 これらの〝9割問題〟に対応するとともに、一人でも多くの命を守るために政府は、環境省をはじめとする関係省庁が一体となって熱中症対策を推進する方針を固めました。
 その取り組みの一つとしてスタートしたのが「熱中症予防強化キャンペーン」(資料3参照)です。これまで毎年7月に「熱中症予防強化月間」を実施してきましたが、本年度は期間を4月から9月に広げて取り組んでいます。今年は特に、地方自治体にも働き掛け、各地域で熱中症予防を呼び掛ける体制を強化しています。

資料3 熱中症予防強化キャンペーン

資料3 熱中症予防強化キャンペーン

―熱中症対策は、何から始めればよいですか。

堀内まずは、早めにエアコンの試運転を実施しましょう。暑くなってから「さあ~、エアコンを使おう」と思って電源を入れても、故障しているケースは意外と多いのです。夏本番になると、エアコンの設置工事などの申し込みが業者に集中し、修理を依頼しても時間がかかることがあります。その間、エアコンなしで過ごすのは、非常に危険です。なるべく早く試運転をして、故障していないかを確認してください。
 それから、暑さに備えた体力づくりもポイントです。熱中症は、梅雨の晴れ間に突然気温が上がった日や、梅雨明け後の蒸し暑い日に多く発症します。その要因の一つは、体がまだ暑さに慣れていないからです。暑くなり始めの時期から無理のない範囲で適度に運動して、しっかりと汗をかきましょう。発汗により熱を体の外に逃がす準備ができていると、夏の暑さにも順応しやすくなり、熱中症にかかりにくくなります。また、汗をかくためには、そのもととなる体の水分量を維持することがとても重要です。暑い日は、知らず知らずに汗をかいているので、喉が渇いていなくても、こまめに水分を取りましょう。目安は、1日1.2リットル。たくさん汗をかいた時は、塩分補給も忘れずに。体調が悪い時はとにかく無理をせず、自宅で休養してください。

インタビューの続きはりぶる本誌でご覧ください

りぶる7月号

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