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月刊誌「りぶる」特集 4月号より

誰一人取り残されない、
人に優しいデジタル社会の実現へ

平井卓也 自由民主党デジタル社会推進本部長/自由民主党広報本部長
平井卓也
自由民主党デジタル社会推進本部長/
自由民主党広報本部長

初代デジタル大臣を務め、現在は党デジタル社会推進本部長の平井卓也衆議院議員に、デジタル化が必要な理由やデジタルが得意ではない人へのアドバイス、思い描くデジタル社会の未来像などをインタビュー。また、党広報本部長として、党の広報活動についても伺いました。

取材日:令和6(2024)年2月15日

デジタル庁の立ち上げに力を尽くし、初代大臣に
日本社会のデジタル化の現状とは

―デジタル庁の初代大臣を務められました。

平井卓也党デジタル社会推進本部長(以下、敬称略)令和2(2020)年、菅義偉内閣でデジタル改革担当大臣を拝命し、それから11カ月半後に発足したデジタル庁の担当大臣を務めました。
 デジタル庁ができる前から、党のIT戦略特命委員会やデジタル社会推進特別委員会などで長い時間をかけてじっくりと計画を練ってきましたので、菅内閣発足後のスタートダッシュに乗って一気に実行することができました。これほどの短期間で新しい庁をつくれたのは、既に基本的な考え方が整理されていたから。残った細かい制度設計なども、各府省等の多くの職員に協力いただきました。

―デジタル庁発足を振り返って、いかがですか。

平井非常にやりがいがあり、夢のある職務でした。しかし、新しい庁をゼロからつくっていくには、人材も物資も予算も足りず、立ち上げは大変でした。特に苦労したのは人の確保です。法律に基づいて立ち上げた庁でも、そこにきちんと人員を配置できるかは別問題。各府省等の協力を取り付けながら、民間からの登用も進めていきました。ミッション等が明確だったので多くの共感を得られ、短期間での実現につなげられたのだと思います。

―どのようなミッションですか。

平井デジタル庁の発足に当たり、われわれはミッション、ビジョン、バリューの三つの活動方針を定めました(資料1参照)。ミッションは「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を」実現すること。ビジョンは「優しいサービスのつくり手」、「大胆に革新していく行政」を目指す決意です。最後のバリューは「一人ひとりのために、常に目的を問い、あらゆる立場を超えて、成果への挑戦を続ける」ことです。
 この三つにのっとって組織の形をつくり、人を集めていきました。そして、この考え方は、現在も組織の中に生きています。

デジタル庁のミッション・ビジョン・バリュー

―日本社会のデジタル化の現状について教えてください。

平井日本はデジタル分野で世界に後れを取っています。その後れを一気に取り返すためにデジタル庁が発足したのですが、社会全体のデジタル化は期待したほど進んでいません。
 それを表しているのが、スイスのIMD(国際経営開発研究所)が毎年出している「世界デジタル競争力ランキング」です。2023年版で、日本は過去最低の32位まで下がりました。また、経済やインフラなど256指標による競争力総合順位で日本は、1989年から4年連続で1位でしたが、こちらも過去最低の35位に。一つの指標ではありますが、この30年で日本の相対的な競争力が落ちているのは明らかです。

―どんな原因が考えられますか。

平井一つは他の国がデジタル化によって競争力をつけていること。もう一つは、日本が長引くデフレ経済から脱却できていないことです。
 私が先日出張で訪れたトルコ共和国やアルバニア共和国は、日本よりも高い目標を持ってデジタル化に取り組んでいます。既存インフラが日本ほどきちんとできていなかったことから、生産性の高い、最先端のシステムの導入が進みました。トルコ共和国は、キャッシュレス決済や医療などのサービスがスマートフォンで完結するのが当たり前の社会になっています。
 デジタル化が、一つずつ手順を踏んで行われるのではなく、一気に飛び越えて進んだので「リープフロッグ(かえる跳び)」型発展と呼ばれています。この現象が今、アフリカやアジアなど、各地で起きているのです。

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