月刊誌「りぶる」特集 6月号より
党治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会は、昨年12月に「『闇バイト』対策の強化を求める緊急提言」を、今年3月には「組織的な詐欺から国民の財産を守るための対策に関する緊急提言」を取りまとめ、いずれも石破茂総理へ申し入れました。高市早苗会長に緊急提言の概要や、被害に遭わないために一人一人にできることなどを伺いました。
取材日:令和7(2025)年4月16日
―「闇バイト」とはどのようなものですか。
高市早苗党治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会長(以下、敬称略)犯罪です。決してアルバイトや正当な労働ではありません。多くの人にとって身近なSNS※1やインターネットの掲示板には、仕事の内容等を明らかにしないで「簡単に高収入が得られます」「即日即金」などと甘い言葉で誘ってくる求人が紛れ込んでいます。いわゆる「闇バイト」は、犯罪の実行役を募集するものです。
※1:ソーシャルネットワーキングサービス
―「闇バイト」に応募するとどうなりますか。
高市強盗や詐欺といった犯罪に加担することになります。被害者の財産を奪うだけでなく、場合によっては傷つけたり、死に至らしめたりすることもあります。被害者と、その家族の人生を大きく狂わせるとともに、自らの家族にも多大な迷惑をかけることになるので、絶対に応募してはいけません。
「闇バイト」が恐ろしいのは、一度応募すると抜け出せなくなること。身分証等のコピーをとられ、家族や恋人の情報を聞かれることもあります。抜け出そうとすると「家族や恋人に危害を加える」などと脅されて犯罪を強制され、自分自身の力では引き返すことができなくなります。
―「闇バイト」問題に関する提言を取りまとめた経緯を教えてください。
高市昨年11月15日に党政務調査会の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会(以下、調査会)」の会長に就任しました。
当時は首都圏を中心に、「闇バイト」による強盗事件が相次いで発生。10月には横浜市の住宅に押し入った実行役が、住人の男性に暴行を加えて死亡させる大変痛ましい事件も起きていました。多くの国民の皆さまが「闇バイト」問題に不安を感じており、私は「かけがえのない命を何としても守る」決意をしました。
この対策は、警察庁をはじめ、総務省や厚生労働省等の関係省庁をまたぎます。また、「闇バイト」を利用した手口は、指示役と被害者が直接会わない「顔の見えない犯罪」であり、時には首謀者等が国外から指示を出していることもあります。
こうした〝新しい犯罪〟に関係省庁が連携して対応していくには、何よりも政治の力が重要です。自民党がリーダーシップを発揮して対策を緊急に打ち出す必要があると考えました。
11月21日に開催した調査会の初会合を皮切りに、関係省庁からヒアリング等を行うなど議論を重ねました。
―議論を進める上で重視したことは何ですか。
高市現行法の範囲ですぐに対応できることに焦点を絞ったことです。
そして、12月5日に「『闇バイト』対策の強化に関する緊急提言」を取りまとめました。その後、党政調審議会の了承を得て、12月11日に石破茂総理に申し入れを行い、「闇バイト」対策を強化するよう要望しました
―議論を始めてから3週間もかからずに総理に申し入れをしましたね。
高市はい。党内手続きも含め、異例のスピードでした。
事件が毎日のように起きていて、われわれが議論をしている最中にも誰かが被害に遭うかもしれません。「法律を変えずにできることが絶対にあるから、一刻も早く政府に伝えたい」。その一心でした。
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