安全保障

防衛力の抜本的な強化

  • 現行の安全保障三文書策定以降明らかとなった「新しい戦い方」への対応、継戦能力確保、わが国の太平洋側での活動への対応の重要性などを踏まえ、本年中に国家安全保障戦略を含む「三文書」を改訂し、新たな時代に対応した防衛体制を構築します。
  • 防衛省・自衛隊の組織、増大する任務を踏まえ、防衛大臣の危機管理にかかる負担を軽減し各種事態への対処に万全を期すため、副大臣2名体制とします。予算規模についても、安全保障環境が加速度的に厳しさを増していることを考慮し、わが国の独立と平和を守り抜く上で必要な予算水準を確保します。

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統合作戦司令部のもとでの指揮統制機能の強化

  • 2025年3月に新設された統合作戦司令部を中核とする新たな統合運用体制の中で、運用面のみならず運用を支えるあらゆる分野において従来の陸海空の縦割りから脱却することが不可欠です。この認識のもと、方面総監部・地方総監部・航空方面隊の担任区域の統合や機能の大胆な見直しを通じて、中間司令部の数を減らし、統合作戦司令部の一元的な指揮のもとで、少ない結節により陸海空自衛隊が有機的に行動できるような、真に効率的・効果的な組織構造を実現するとともに、このような取組み等により第一線で活動する要員を確保します。

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弾道ミサイル攻撃を含むわが国への武力攻撃に対応するための反撃能力等の強化や不測事態に対処し得る体制の整備

  • 極超音速滑空兵器、変則軌道弾道ミサイル、無人機・スウォームといった多様化・深刻化する経空脅威からの防衛に万全を期すため、領域横断的な統合防空ミサイル防衛能力を強化するとともに、イージス・システム搭載艦の整備を着実に進めます。また、度重なる北朝鮮によるミサイル発射など、わが国周辺のミサイル能力の増強に対し、ミサイル防衛網の質・量を強化するとともに、相手の攻撃を抑止する反撃能力にも活用可能なスタンド・オフ防衛能力を向上します。反撃能力の対象範囲は、相手国のミサイル基地に限定されるものではなく、相手国の指揮統制機能等も含むものとします。
  • わが国の島嶼部に対する攻撃への対応に万全を期し、常時警戒監視体制を強化するために、新型護衛艦(FFM)・哨戒艦やF35戦闘機等の整備を引き続き進めます。加えて、12式地対艦誘導弾能力向上型や島嶼防衛用高速滑空弾等の着実な取得等を通じ、相手方の脅威圏の外から対処可能なスタンド・オフ・ミサイルの整備を進めます。

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“戦い方”の変化に応じた能力強化と態勢構築

  • AI、無人機、量子技術等の先端技術、軍事や非軍事の境界を曖昧にするハイブリッド戦、偽情報の見破りや戦略的な情報発信が肝となる情報戦への対応として、宇宙関連技術やドローン、AI、量子技術などの先端民生技術の専門機関と防衛省・自衛隊の連携を深め、急速な技術革新による“戦い方”の変化に応じた能力強化と態勢構築を進めます。また、情報収集・分析能力を高め、危機を未然に防ぎ、国益を守るため、国家インテリジェンス機能を抜本的に強化します。さらに、情報収集や防衛交流の第一線である防衛駐在官の拡充、情報発信能力の強化を進めます。

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宇宙・サイバー・電磁波領域における体制強化の加速

  • 宇宙・サイバー・電磁波領域における体制強化に向けた取組みを加速化します。宇宙分野においては、「宇宙基本計画」に基づき、衛星コンステレーションの構築を進めること、射場の新設・整備を含む自立性・即応性・機動性を確保した宇宙輸送システムを構築することなど、宇宙の安全保障に関する総合的な取組みを強化するとともに、自衛隊の宇宙作戦能力をさらに強化し、航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」とします。
  • サイバー分野については、「国家安全保障戦略」を踏まえ、能動的サイバー防御を導入するなど、欧米主要国と同等以上にサイバー安全保障分野での対応能力を向上させます。「自衛隊サイバー防衛隊」の体制強化、陸自システム通信・サイバー学校をはじめとする部内教育の拡充、高度な知見を有する部外の人材の登用や教育・研究基盤の拡充・強化等を進めます。
  • 電磁波分野については、「電子作戦隊」の拡充やゲーム・チェンジャーとなり得る将来の技術の研究等により、電磁波領域における能力を強化します。

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サイバー安全保障やサイバーセキュリティの体制強化等

  • 日本国内のあらゆるパソコンやスマホ、サーバー等は、13秒に1回攻撃を受けていると言われており、サイバー空間を安全かつ安定して利用できる環境、特に国や重要インフラ等の安全等を確保する必要があります。このため、第217回通常国会で新たに制定した「サイバー対処能力強化法」等を今後順次施行し、高度なサイバー攻撃からわが国のインフラ機能を保護するとともに、重大なサイバー攻撃に対して未然防止や被害拡大防止ができるよう、政府の体制を強化します。この際、政府が通信情報を分析するに当たっては、通信の秘密の制限が最小限となるよう、広く国民や関係者の理解を得つつ進めます。
  • 併せて、機能強化が図られたサイバーセキュリティ戦略本部のもと、新たな司令塔となる国家サイバー統括室を中心に、政府機関・重要インフラ等の対策の引き上げや、官民双方向の情報共有等により、高まる脅威に迅速に対応します。その上で、昨年末に策定された新たなサイバーセキュリティ戦略に基づき、「深刻化するサイバー脅威に対する防御・抑止」「幅広い主体による社会全体のサイバーセキュリティ及びレジリエンスの向上」「サイバーセキュリティ人材・技術のエコシステム形成」等の施策を推進し、世界最高水準の強靱さを持つ国家を目指します。

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弾薬・維持整備のための費用確保、優れた装備品の数量確保、後方分野の能力強化

  • 事態発生から終結までわが国を守り抜くために必要かつ十分な量の弾薬の整備や装備品の維持整備に係る費用を確保し、特に、自衛隊の弾薬・燃料等については、より柔軟な保管・輸送を行うことができるよう、各種規制について関係省庁間で十分な調整を進めます。また、急激に拡大する周辺国との戦力格差を一刻も早く埋めるため、領域横断作戦を通じてわが国を守り抜くために必要な、優れた正面装備品(艦艇、航空機等)の数量を確保します。加えて、輸送力や衛生機能を含む後方分野における能力の抜本的強化や、事態の兆候を迅速に察知し、有効に対処するための情報機能の強化、自衛隊施設の強靱化に取り組みます。
  • 近年増加が著しい災害対処や感染症対応など、国民を守るための活動に自衛隊が十分な態勢で臨めるよう、万全を期します。

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防衛生産・技術基盤

  • 防衛生産・技術基盤はわが国の「防衛力そのもの」であり、その担い手たる防衛産業が適正な利益を継続的に確保することは必要不可欠です。防衛生産基盤強化法等により、国内の防衛生産・技術基盤に対して重点的に投資及び支援を行うとともに、スタートアップ企業をはじめとした新規参入を促進し、優れた民生先端技術を取り込んでいきます。また、人手不足への対応を含む、装備品等のサプライチェーン上のリスクに適切に対応するため、製造工程の高度化・効率化の取組みを一層推進するとともに、強靱なサプライチェーンを構築します。加えて、サイバーセキュリティ対策を含む産業保全の抜本的強化を進めます。
  • 世界的な防衛需要の高まりを踏まえ、各国との防衛産業協力及び防衛装備移転を含む防衛装備・技術協力に積極的に取り組みます。防衛装備移転円滑化基金については、移転に関する企業(現地企業を含む。)の活動や移転に伴い必要となる設備投資等への支援を検討します。また、グローバル戦闘航空プログラム政府間機関を通じ、次期戦闘機の共同開発を推進します。
  • 今後、同盟国・同志国との装備品の共通化や弾薬を含む規格の共通化により、相互提供を行うことを視野に入れつつ、官民が防衛事業の市場拡大と国際競争力の強化に取り組む環境を整えることで、防衛産業において生産性の向上とイノベーションの創出を実現します。また、企業単独による資金力と自主開発・人材確保には限界があるため、防衛産業に係る国営工廠及び国有施設民間操業(GOCO:Government Owned,Contractor Operated)に関する施策の推進、官民ジョイントベンチャーの活用、国による企業への出資等、前例に囚われない新たな取組みを追求します。これらの取組みを中長期的かつ戦略的に進めていくための戦略の策定と必要な体制を構築することで、防衛産業を抜本的に強化し、日本経済の成長に寄与してまいります。

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防衛分野の研究開発

  • わが国の技術力を結集し、将来の戦い方を実現する研究開発へと変革するため、防衛省の研究開発費を増額するとともに、研究開発に要する期間を大幅に短縮する新しい手法を研究開発プロセスに取り込み、将来の戦いにおいて実効的に対処する能力を早期に実現します。その上で、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の議員に防衛大臣を正式に追加するなど、関係省庁の取組みと連携し、産業界とアカデミアの力を大胆に活用して民生先端技術を防衛分野に取り込むとともに、成果を社会に還元する安全保障分野における産学官の研究開発エコシステムを構築します。防衛装備庁防衛イノベーション科学技術研究所の活動拡大や防衛科学技術委員会における議論などを通じて、未知の技術領域に対して果敢に挑戦することにより、将来の新しい戦い方を創出する防衛イノベーションを実現する機能の抜本的強化や、研究職技官をはじめとする増員など人的リソースの拡充も含め、防衛装備庁を中心として、防衛省の必要な体制を強化します。さらに、顕著な貢献のあった防衛産業、研究機関やその関係者に対する表彰等を積極的に検討します。

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処遇改善、募集施策強化、女性活躍の推進等、人的基盤の強化

  • 「自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する基本方針」に基づき、給与面を含む処遇改善、生活・勤務環境の改善、再就職支援の拡充等による新たな生涯設計の確立、女性活躍などを強力に推進します。また、募集施策の強化を図るとともに、予備自衛官等の充足率を向上させるための制度の見直しや予備自衛官等が活躍できる環境づくりを進めます。さらに、事務官・技官等の自衛隊員についても、必要な人材確保のため、処遇改善や魅力ある勤務環境づくりに取り組みます。
  • 有事において、危険を顧みずに任務を遂行する隊員の身体・生命を救うため、自衛隊衛生の総力を結集して戦傷医療対処能力の抜本的な向上を推進します。

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国民保護の一層の強化

  • 原子力発電所をはじめとする重要インフラの抗たん性を強化します。特に、グレーゾーンの事態に備え、警察機関と自衛隊がシームレスに対応できるよう、より実践的な共同訓練の実施等を通じ、平素からの連携体制を一層強化します。とりわけ原子力発電所においては、自衛隊による対処が可能となるよう、警護出動を含め法的な検討を行います。
  • 国民の生命・身体・財産を守るため、武力攻撃災害を含む各種災害を念頭に、国民保護の実効性ある体制整備を進めます。具体的には、シェルターをはじめとする各種避難施設や輸送手段の確保、空港・港湾などのインフラ整備と既存アセットの最大限の活用、図上訓練に加えた実動訓練の追求などを通じ、迅速な避難を可能とする体制を整えます。
  • まずは、全国に先駆けて先島諸島約12万人の避難受入れの基本形を早期に策定し、避難経路、避難先の多重化等、中長期的な課題にも取り組みます。
  • また、北朝鮮によるミサイル発射が頻発するなど、国民の生命・身体・財産に対する深刻な脅威が現実味を帯びる中、関係省庁と地方自治体との平素からの緊密な連携の確保や、実践的な訓練の実施、地方自治体の危機管理監等への退職自衛官の採用などを通じ、あらゆる事態を想定した国民保護の態勢を確立します。
  • 災害対策の司令塔として新設する防災庁のもと、災害派遣時の自衛隊と関係省庁との役割分担を明確化しつつ、相互の連携を一層強化します。
  • 在外邦人保護の観点から、在外公館の人員・機材を含む体制を強化するとともに、邦人等の保護・退避、避難民への支援に全力を尽くします。
  • 尖閣諸島周辺において事態がエスカレートすることも予想される中、わが国の正当性について国際社会に対する発信力を強化します。加えて、実践的なシナリオに基づく共同訓練等を通じ、自衛隊と警察・海上保安庁との連携を強化します。さらに、わが国の領域侵害に対して政府機関が十分に対処できるよう、法整備も含め、速やかに必要な措置を講じます。ハイブリッド戦や様々な複合事態に対しても、装備や法律上の権限などを十分に付与して、万全の体制を構築します。
  • また、自衛隊部隊の円滑かつ効果的な活動のため、南西地域の空港・港湾や通信等のインフラ整備を推進するとともに、有事における民間飛行場の航空管制機能維持、電波利用や周波数割り当て、防衛・風力発電調整法に基づく取組み等について、政府全体で緊密に調整を進めます。
  • さらに、衛星や海底ケーブルなど、国防上重要な施設等の防護を強化します。

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同盟・友好国との協力強化

  • 日米同盟及び地域の安全保障を一層強化するために、わが国の防衛力を強化するとともに、サイバー・宇宙を含むあらゆる領域を横断する日米防衛協力を深化させます。また、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止の在り方を不断に検討するとともに、米国が提供する拡大抑止の信頼性を一層確保するため、政治のリーダーシップのもと、しっかり協議していきます。
  • 「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンを実現するため、日米同盟を基軸としつつ、豪州やインド、韓国、ASEAN・欧州諸国並びにNATO及びAUKUS等との連携、QUADでの協力等を通じ、人的交流や部隊間交流、共同訓練、防衛装備・技術協力を含む二国間・多国間の防衛協力・交流を推進するとともに地域の安全と安定を一層確保するための取組みを主導します。

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国際社会の平和と安定への貢献

  • アジアと欧州・中東を結ぶ海上交通の要衝であるソマリア沖・アデン湾での海賊対処行動や、中東地域の平和と安定及び日本関係船舶の安全確保のため、中東地域での情報収集活動を着実に実施します。また、シナイ半島における多国籍部隊・監視団(MFO)や国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)への司令部要員の派遣といった取組みを通じ、国際社会の平和と安定に一層積極的に貢献します。

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地域コミュニティーとの連携の推進

  • 自衛隊施設や在日米軍施設・区域が所在する地元の負担軽減を図るとともに、特定防衛施設周辺整備調整交付金の交付、防音工事や民生安定施設への助成など防衛施設と周辺地域との調和を図るための施策を推進します。また、地元調達にも十分な配慮を行います。
  • 在日米軍の施設・区域については、日米同盟の抑止力を維持しつつ、地元の負担軽減を図るため、日米で連携して、訓練移転を含め在日米軍再編に全力で取り組みます。特に、在日米軍専用施設・区域が集中する沖縄の負担軽減は重要な課題であり、在日米軍施設・区域の返還等を一層推進します。
  • また、普天間飛行場の危険性を一刻も早く除去するため、現行の日米合意に基づく名護市辺野古への移設を着実に進めるとともに、自治体への重点的な基地周辺対策を実施します。
  • 地域住民の方々の安全・安心の確保を最優先の課題として、米国政府と緊密に連携の上、在日米軍による事件・事故の防止を徹底し、日米地位協定のあるべき姿を目指します。

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わが国の安全保障に資する宇宙利用の促進

  • 各国の動向を注視しつつ、わが国の安全保障に資する宇宙利用の促進、研究開発等を推進します。
  • 具体的には、高分解能・高頻度の情報収集衛星や早期警戒衛星等、わが国の安全保障に資する研究開発を加速し、自衛隊をはじめ中央省庁・関係機関等が利用する通信、気象観測、偵察等、様々な用途の衛星システムの開発を推進します。
  • また、輸送系システム、射場の新設・整備を含む地上系システム、宇宙関連技術基盤の維持・強化等を図るため、デュアルユースの観点も踏まえた宇宙システムの開発を推進し、宇宙状況把握に係る国内の体制を整備するとともに、ミサイル防衛等のための衛星コンステレーションについて、米国との連携可能性も念頭に検討を行い、先行的な技術研究に着手します。
  • 情報収集衛星については、財源確保策の検討を進めつつ、10機体制が目指す情報収集能力の向上を早期に達成し、情報収集能力の強化を図ります。

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