2026年8月5日(水)
於:党本部平河クラブ会見場

会見を行う小林政調会長
【冒頭発言】
今日もご参集ありがとうございます。
まず熊本地震ですが、発災から本日で1週間が経過いたしました。
改めて、お亡くなりになられた38名の方々に深く哀悼の誠を捧げますとともに、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。
また過酷な現場で昼夜を問わず、救援そして救護、復旧活動に当たっている自衛隊、警察、消防、自治体職員の皆様、また医療従事者の皆様、インフラ事業者の皆様の活動に深く感謝を申し上げます。
ただでさえ酷暑の中での被災であって、まだインフラが復旧していない中での余震などへの不安も想像に余りある状況であると受け止めております。
支援という観点からも、救出活動やプッシュ型の物資支援といった初期対応のフェーズから、災害関連死の防止や避難所における衛生・熱中症対策、きめ細やかな物資支援といったフェーズへ移ってきていると認識をしております。
党としても今朝8時30分から2回目となる幹事長をヘッドとする対策本部を開催いたしまして、オンラインで熊本県の木村知事と自民党熊本県連から話を伺いまして、現地の被害状況や必要な支援などの要望を聞き取りました。
今もなお、昨日の午後の時点で申し上げると、断水が4万4000世帯というふうに伺っております。
今日は知事や県連のお話、あるいは県選出の自民党国会議員の話を伺っている中で様々な課題をいただきましたが、特に水。飲料水もそうです。トイレ、そして農業用水、様々な課題をいただきました。
また軒先避難という形で避難されている方もいらっしゃるということで、そこへの対応。また10年前の熊本地震との関係、コロナとの関係もありまして、二重債務の課題についても問題提起されましたので、しっかりとその要望を受け止めて、政府と緊密に連携をしながら、「やれることはすべてやりきる」という想いで対応していきたいと考えています。
いずれにしても被災された方々の生活、なりわいの再建支援に全力で取り組んでまいります。
それとともに、台風13号の今後の行方についても気にしております。進路はなかなか予測できないところもございますが、熊本はじめ被災地への影響というものをしっかりと念頭に入れながら、政権与党として万全の対応を期していきたいと考えています。
次に政審の報告でございますが、本日2件であります。
* 「給付付き税額控除」の制度導入の基本方針(案)
* わが国の「情報防衛力」の強化に向けて(案)― 開かれた社会を、隠れた工作から守る ―
いずれも了承となりました。
「給付付き税額控除」の制度導入の基本方針につきましては、本日の総務会、与責にも諮られまして了承という形になりました。
インテリジェンス戦略本部の提言につきましては、7月31日の国家情報局の発足を受け、今後更にわが国の「情報防衛力」を機能強化していくという方針のもとで、「抑止」、「収集」、「監督」、この3つを一体となって強化していく。そうした点が網羅される内容となっております。
政府側と提言の実現に向けて汗をかいていきたいと考えています。
そして今申し上げた「給付付き税額控除」の基本方針(案)とも関連しますが、先週から今週にかけまして、「つなぎ」である消費減税の部分を含めて、党内の意見集約を行ってきました。
最終的には一昨日、月曜日に行われました税制調査会と社会保障制度調査会の合同会議で小野寺五典税調会長へ一任となりました。
非常に活発な意見交換、議論がなされたと伺っております。
その後、冒頭申し上げた通り、本日の政審、総務会、与責を経まして、与党として基本方針を了承いたしました。
この方針を踏まえて、今後は制度設計を更に進めて、9月に税制改正大綱を取りまとめた後に、秋に想定される臨時国会へ向けて法案整備に取り組んでいくこととなります。
小野寺税調会長、田村社会保障制度調査会長をはじめ、取りまとめにご尽力いただきました関係議員の皆様に深く感謝を申し上げます。
最後になりますが、先般一度中止となりました太平洋島嶼国への出張について、お盆明け8月16日から21日の日程で改めて訪問することを調整しております。
訪問先は変わらず、パプアニューギニア、ソロモン諸島、フィジーの3カ国でございます。
自由で開かれたインド太平洋、このビジョンを更に強化していくという視点から、重要な国々だと位置付けております。
同行者は鷲尾英一郎衆議院議員、簗和生衆議院議員を予定しております。
いずれの国でも首脳や外交安保の関係閣僚との面会を調整しております。
また同志国として現地に駐在しておられるオーストラリアの外交団との面会も予定しております。
高市政権の掲げる「進化したFOIP」の理念を着実に具現化していくために、党としても議員外交で側面支援をしていきたいと考えています。
私からは冒頭以上です。
質疑応答
- NHKです
消費税などについて2点お伺いできればと思います。今日、総務会、与責を含めて了承されましたが、党内ではまだ高市総理大臣の会見を踏まえた上でも、まだまだ財源が明確でないとの声が出ていますが、財源のあり方、予算編成のあり方自体も見直している段階だと思いますが、政調会長はどのようにお考えかお聞かせください。
あと、農業、漁業、また外食産業への支援策について、まだまだ具体的な策が出てきていないと指摘もありますが、具体策としてどのようなことをお考えかお聞かせください。
-
そうした意見が先般の会合でも出されたということは、党として当然しっかりと受け止めて、今後の制度設計に活かしていく必要があると考えています。
いずれにしても、まずは基本的なことは国民の皆様に更に理解を深めていただけるような形で、制度設計の具体化を図っていきたいと思っています。
財源につきましては、今後の税収動向などを見極めながら、歳出・歳入両面に渡ってしっかりと見直しを行っていくということ。
補助金、租特の見直し、また税外収入についても特会や基金などをゼロベースで見直していくということであります。
ちなみに令和8年度予算の外為特会や独法などからの納付金などが9.0兆円程度となっていることも踏まえて、しっかりと精査をしていきたいと思っています。
そして大切なことは、数年の国債の発行額というものをしっかりとコントロールしていくということ。
市場の信任を確保していくためにこの点は非常に重要だと思っていますので、必要な予算は計上していく必要があると思いますが、近年、物価高対策という名目で補正予算としてかなり大きな額を積み上げてきておりますので、こうした点についても今回のいわゆる「つなぎ」の消費減税の措置が物価高対策という意味も含んでいることを踏まえて、こうした補正予算のあり方についても歳出改革という形でしっかりと見ていく必要があると思っています。
年末に向けて財源のあり方を更に具体化していきたいと思っています。
2点目として、農業従事者や外食産業への影響ということもご質問がございました。
今回の消費減税をやるとした時に、その影響をしっかりと見極めながら、過去に様々な支援策を行っていますから、そうしたことをしっかりと踏まえながら、特に農業に関しましては現場の納得感というものが必要だと思いますので、そうした視点に立ってこれから引き続き丁寧に検討を進めていきたいと思っています。
今この場でこれをやるということはあえて申し上げませんが、既に自民党の農業政策に詳しい同僚議員とも色々とディスカッションさせていただいていますが、そうした議員を中心に農業団体あるいは現場の農家の方、あるいは政府、既に様々な議論が重ねられておりますので、できるだけ速やかに農業従事者の方々や外食産業の方々に対しまして、その想いに応えられるような政策というものを打ち出していきたいと考えています。
- TBSです
私も食料品の消費税減税について伺います。
臨時国会に法案を提出した後なのですが、参議院では少数与党の状況です。国民会議では野党の理解は得られなかったわけですが、どのように成立を目指すのか、野党とどのように調整を進めていくのかお願いします。
-
今回の法案、臨時国会に提出する予定の法案に限らず、参議院が与党で過半数を割っているというのは厳然たる事実でありまして、先般の特別国会におきましても、その環境の中で1つ1つ粘り強く法案を形にしてきた経緯がございます。
今回のいわゆる給付付き税額控除や、「つなぎ」の措置の法案につきましても、特段、プロセスとしては、アプローチとしては何か変えることではなくて、引き続き内容をしっかりと理解いただけるように、特に令和11年以降の中低所得者、特に現役世代の中低所得者への社会保険料や税の負担を軽減していくという、大きな本格的な措置についてはこれまでと違う画期的な措置ですが、そこについては既に幅広い合意が得られていると認識をしています。
「つなぎ」の措置の消費減税のところにつきましては、まだ各党において意見の隔たりがあるということは認識をしておりますが、この点についても、各党で温度差あると思いますが、1つの党でも、あるいは1人の国会議員でも多くの国会議員がご賛同いただけるように、自民党としても誠意を尽くして説明をしていきたいと考えています。
- Reutersです
今日、日経新聞のオンライン版でベッセント財務長官のインタビュー記事がありまして、その中で、15年間のアベノミクスによる景気刺激でなくて、これからはタカイチノミクスの時代だ、と読み方によって財政金融出動緩和から路線転換を望んでいるようにも取れるご発言だったのですが、今日こういう決定の日に、政調会長としての受け止め、あとは周辺の方の受け止め、色々な意見があると思いますが、お願いします。
-
今のご質問で、読み方によっては、というようなご質問だったので、ベッセント財務長官の記事自体については承知をしておりますが、どういう全体的なコンテクストの中で長官がご発言されたかというのはよく分からないので、仮定のもとに発言するのは控えたいと思います。
ただ当然、金融政策についての日本銀行の自主性というのは尊重されるべきものであります。
それは日銀法の3条に書かれている話であります。
また日銀法の4条でも、その一環として日本銀行が政府と十分に意思疎通を図っていくということが規定されておりますので、日銀法の3条、4条の趣旨に則って適切に対応していくということに尽きると考えています。
その上で、どういう状況であったとしても、私たちは与党ですが、政府としてやはり気を付けるべきことは、どういう状況であったとしてもマーケット、市場の信任をしっかりと確保していくということだと思います。
そのために丁寧な市場との対話、コミュニケーションも当然必要になってくると考えますので、党からも政府に対してはその点を引き続き要請していきたいと考えております。
それと今回、ベッセント長官のどういう全体の発言だったか分かりませんが、わが国としてはマーケットとの丁寧な対話に加えまして、より本質的な課題というのは、わが国の国力、とりわけ大きなパーツを成す経済力をいかに強くしていくのか、これが本質的な課題だと私自身、受け止めています。
この点については、先般、成長17分野、このパッケージが示されたところでございますが、パッケージが示されたというのはあくまでスタート地点に立ったに過ぎないと。
今後それをどうやって実行に移していくのかというところは更に政治の側としても精査をしながらやっていく必要があると思っておりますので、高市政権のもとで更に日本の経済力を強くしていけるように党としても一緒に走っていきたいと考えています。
- 日経新聞です
まず消費税について伺います。
食料品の消費税を2年間実質ゼロとすることの目的と政策合理性について伺います。中低所得者の負担軽減、家計支援とするのであれば、高所得の人ほど恩恵が大きい消費税減税よりも、所得に応じた重点的な給付の方が効果が大きいと思います。一方、消費喚起や経済効果を謳うのであれば、食料品のみに絞らず一律に下げた方が望ましいとの指摘もあります。改めて食料品の消費税2年間実質ゼロの目的と政策としてなぜ合理的なのか教えてください。
また自民党の部会では、公約実現を重視する声が相次ぎました。高市首相も同様のことを述べられています。財源の確保や農業、外食産業への影響、また2年後に戻す際の経済的インパクトといった懸念は従前からある程度想定できたものですが、国民会議の中間とりまとめでも具体策は出ていません。スピードが大事としながらも、公約に掲げる際にはそのような懸念を考えていなかったということでしょうか。なぜいまだに具体策が出せていないのか教えてください。
2点目が、協調介入について伺います。
日米財務省は米国東部時間7月31日に円買い介入を実施しました。片山財務大臣は「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものである。今後さらなる協調介入を実施することも躊躇しない。」と説明しましたが、今回の協調介入に対する政調会長の評価を伺います。また米国側からは日本国債売りを起点とした世界的な金利上昇を懸念する声が出ていますが、こうした状況の中で今後日本政府はどのように財政政策、金融政策を進めていくべきとお考えでしょうか。マーケットに対して財政悪化の懸念を生じさせ得る消費税減税は今回の協調介入の動きと矛盾するものではないでしょうか。以上です。
-
ありがとうございます。いま2点伺いました。1点目についてですが、様々な物価が上昇基調にある中で、特に食料品の物価が上がってきている。そのことを踏まえれば、そこにターゲットを絞っていくということは、私は合理性があると考えています。
また、消費税全体で見た時に、額で言えば高所得者が優遇されるのではないかという指摘は当然ありますが、家計の支出の中でこうした食料品が占める割合などを考えていくと、この低中所得者層の方が負担感の軽減という意味では恩恵を受けるという考え方も十分に合理性を持つものだというふうに受け止めています。
給付も1つのアプローチとしては、私自身も考えたことはありますが、年末に支給することを決めた給付についても、自治体によっては、ようやく7月末ぐらいになって支給が開始されたということもありますので、今から給付ということで、直ぐに本当にできるのかという話。
そして公平性を期するほど、精緻な給付ができるのかというところも全て勘案すれば、今回の食料品にターゲットを絞った2年間の消費減税というのは、私は十分に合理性があると思っております。
仮にご理解いただけない国民の皆さんがいらっしゃるとすれば、国会審議の場を含めて、これから与党としても説明を尽くしていく。
謙虚に説明をしていく必要があると思っています。
あとは具体策を出せているのかいないのか、これは受け止め方が様々だと思います。
ただ、今回、わが党の小野寺社会保障国民会議座長を中心に国民会議を与野党の皆さんが20回以上に渡って開いたと。
今日、あるインタビューで小野寺さんご自身については、インフォーマルの回も含めて 100回近く会議をしてきたというふうに私認識しておりますが、その中で、そもそも消費減税のあり方、「つなぎ」の措置について様々なアプローチがある中で、最終的になかなかそこにまとまりきれなかったという事実と、その中で最大限実務者の皆さんは議論してくださったというふうに思っています。
また、ヒアリングも何もしなかったわけではなく、当然ヒアリングで様々な団体の皆さんから意見を聴取する中で課題も明確になってきたわけであります。
今、先ほど現時点で私の口から言えること言えないことがありますが、今、何もこれから検討するということではなく、既に中で当然検討を進めているところでございますので、然るべきタイミングで国民の皆さんにご理解いただけるよう進めていきたいと思っています。
日米の協調介入についてのご質問がありました。
私から申し上げられることは、基本的に為替を含めたマーケットというのは経済のファンダメンタルズを反映すべきもの、そのことに尽きると考えています。
今回の日米の協調介入の是非については、そういう視点に立って、様々な評価があると思いますが、私の口からこの点についての具体的な評価は控えておきたいと思います。
日本売りの話がありました。
マーケットというのは、その時々の情勢によって色々な動きがあります。
中長期的な視点を持って参加をしている人もいれば、短期の利ザヤでそれを抜こうとしている様々なプレイヤーがいる中で、そこは総合的に勘案すべきだと思います。
こうしたマーケットの対話をしっかりとしながらも、わが国として成すべきことは、今申し上げた市場との対話とともに、先ほど申し上げた、わが国の経済力を強化していくという本質的なアプローチをしっかりと着実に進めるということが、結果としてはマーケットに対してポジティブなメッセージを与えることになると思いますので、1つ1つの動きに一喜一憂するのではなくて、落ち着いて対応すべきものと考えています。
- 読売新聞です
これから夏から秋にかけて予定されている内閣改造と党役員人事について伺います。消費税減税を巡っては、党内で賛否が割れ、溝が生じる形となりましたが、小林政調会長として、今後どのような体制を敷くのが望ましいとお考えかお聞かせください。
-
党役員とか内閣改造に関わらず、自民党という政党は、侃々諤々議論をし、そして一度党として決定すれば、一致結束して対応していくというのが、自由民主党の本質的な良さであり、強みであるとも考えています。
なので、今回も様々な議論がございましたので、方向性はもう決まりましたから、そこに向かって、全員で、全国会議員が結束してやっていくということに尽きるかと思います。