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小林政務調査会長 記者会見

2025年12月25日(木)
於:党本部平河クラブ会見場

会見を行う小林鷹之政務調査会長

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【冒頭発言】

本日、報告案件としては2件ございます。まず、本日3時から開催された政調審議会におきまして、令和8年度予算案を了承いたしました。この後、午後4時からの総務会を経て、明日の閣議決定を政府にて予定していると承っております。令和7年度補正予算での対応に続きまして、切れ目なく政策を実行し、強い経済を実現していくための予算であります。総額122.3兆円規模で取りまとめました。予算全体にメリハリが利いた予算であるというふうに受け止めております。一方で、財政の規律にも十分配慮したものとなっていると感じておりまして、これは先ほどの政府与党政策懇談会でも総理から言及がありましたけれども、新規国債の発行額につきましては、17年ぶりに30兆円を下回った令和7年度当初予算に続きまして、2年連続で30兆円を下回るものとなっております。
そして、いわゆる公債依存度につきましても、平成10年当初以来、27年ぶりに公債依存度30%を下回りました令和7年度当初予算よりもさらに公債依存度は低下をしているということで、財政の規律をしっかりと配慮した高市政権らしい、メリハリの利いた予算なのではないかと受け止めております。
そして、2点目の報告事項でございますが、新年、年明けに海外出張を行う予定でございます。1月6日から9日にかけまして、フィリピンそして韓国を訪問する予定であります。この目的意識としましては、わが国を取り巻く、あるいはアジアにおける安全保障環境、あるいは経済安全保障環境が厳しさを増す中で、フィリピン、韓国といった同志国としっかりと意思の疎通を図りながら、いわゆるFOIP、自由で開かれたインド太平洋の構想をしっかりと実現、FOIPの強化に向けて、しっかりと人脈構築を含めて動いていくというものであります。現地での会談相手については現在調整中でございますが、政務調査会からは、高木 啓 外交部会長、本田 太郎 国防部会長、そして、鈴木 英敬 会長特別補佐、そして私の4名を予定しております。
最後になりますけれども、本年も記者の皆様には大変お世話になりました。心から感謝を申し上げます。記者の皆さんも非常にお忙しい毎日を送っておられると思いますので、この年末年始、英気を養っていただいて、来年1月6日が党本部の仕事始めとなりますので、引き続きどうぞよろしくお願いをいたします。以上でございます。

質疑応答

Question
読売新聞です。
年明けのフィリピン・韓国出張について狙いを伺いたいと思います。特に韓国については、年明け1月中旬に日本で日韓首脳外交、首脳会談が予定されているかと思います。韓国では保守政権から左派政権に変わりまして、安定基調が続くかどうかというのが注目されているかと思いますけれども、左派系の政権ということで、自民党としてもパイプがあまりなかったものと思われますが、政調会長として、この首脳会談を前に自民党としてどんな関係構築を図る狙いがあるか教えてください。
Answer
はい、ありがとうございます。年明けの出張についてご質問をいただきました。まず、韓国とフィリピンの位置付けなのですけれども、同志国であるとともに、まず韓国については今年が国交正常化60年ということ、そしてフィリピンについては来年が国交正常化70年、そしてASEANの議長国にもなります。そうした様々な背景のもとで訪問してくる予定でございます。
そして、高市政権になってからも、日韓のシャトル外交ということで、これから恐らく首脳間の行き来、往来が頻繁になってくると思いますけれども、政府のチャネルだけではなくて、党の側、立法府のサイドでの結び付きというものもしっかりと強化をしていく必要があると考えています。
相手の政権がどうだからというよりも、やはり今のわが国の置かれている地政学的な状況を考えれば、日韓関係というものを更に戦略的に強化をしていく、高みに引き上げていくということは、与党の国会議員として汗をかくのは当然だと考えておりますので、私自身、自民党の党としての人脈、パイプをさらに広げていくという意味でも、政調会長としての責任を果たしていきたいと考えています。
Question
テレビ朝日です。
国の基金についてお伺いします。会計検査院の指摘で、国の基金残高が20兆円を超えるということが指摘されました。コロナ禍で膨れ上がって、コロナ禍前の8倍に上るとされています。基金は、複数年度にわたって手当てされ、政策効果の検証というのはなかなかし辛いというふうに言われていますけれども、チェックの必要性だとか、小林政調会長はどうお考えでしょうか。
Answer
ご指摘ありがとうございます。一部報道でございました、基金が積み上がっているという報道につきまして、その指摘は真摯に政権与党として受け止めるべきだというふうに考えております。
これは、会計検査院に指摘される、されないに関わらず、常に政権与党として、政府与党は基金を含めた財政のあり方について常に厳しく精査をしていく姿勢というものは堅持していかなければならないと考えています。
今、政府の方でも、片山財務大臣が、補助金また租税特別措置の適正化に関する担当も担われているというふうに認識しておりますけれども、それとあわせて、先日、私からも党の各部会長に対しまして、予算、また税制のあり方、こうしたものについて、来年の骨太の議論がスタートするまでに、予算を要求するだけではなくて、しっかりとこれまでつけた予算のあり方について、しっかりと検証もしていくという指示を出したところでございますので、厳しく丁寧に精査をしていきたいと考えています。
Question
NHKです。
安定的な皇位継承について2点お伺いします。先週の会見で、会長が立憲民主党に対して党としての考え方を示すよう希望をお伝えされたとお話があったと思います。今日の時点でコメントがあったのか、事実関係を伺いたいというのがまず1点です。
もう1点は、今後、議論を更に本格化していくかと思いますけれども、改めてこちらの議論、どういった問題意識を前提に、どういったスピード感で結論を得ていかれたいかという点、また、維新との連立合意書では、養子案を第1優先に皇室典範の改正を目指すとありますけれども、野党第1党の立憲民主党を含めて、どのように合意形成を図っていかれたいお考えか、併せてお答えいただきたいと思います。
Answer
立憲民主党との関係におきましては、今、足元で何か大きな変化があるというわけではございません。ただし、立憲民主党に限らず、他党に対しまして、本件についてはできるだけ速やかに結論を出していかなければならないと問題意識を持っていますので、引き続き働きかけていきたいと考えております。
問題意識としましては、やはり今、1つは皇族数の確保というものが喫緊の課題であると。皇族方も年々当然お年を召されていかれますので、そうしたところに対する手当て、これはできるだけ速やかにやっていく必要があるということと、安定的な皇位継承をしっかりと確保していく、その観点からも、旧11宮家に関する、養子を可能とする案につきましても、これは急ぐ必要があると考えています。事の性質上、できるだけ静謐な環境のもとで丁寧な議論を行っていきたいと自由民主党としては考えていると同時に、今申し上げた通り、これはいつまでも議論を先延ばしにできる問題ではないという、そういうある意味での切迫感というか、速やかに答えを出していかなければいけないという、そうした意識も持って、年が明けてからも各党・各会派、そして正副議長とともに、そこは答えを出していきたいと考えています。
Question
毎日新聞です。
給付付き税額控除の議論について伺います。自民、維新、立憲、公明の4党の実務者が昨日協議し、自民党からは政府が設置する会議体と国会の実務者協議の合同開催を呼びかける提案があり、各党に持ち帰られたとお伺いしています。協議後に出席者の一部からは国民民主党も次回以降の参加を呼びかけるとの話もありましたが、年明け以降、どのような枠組みで、どう各党協議を進めていくのか自民党としてのお考えをお聞かせください。
Answer
自由民主党としては、本日も実は他党の方々とどういう場を設けていくかということについては意見交換をさせていただいております。年が明けて、高市総理の方からも、できるだけ早いタイミングでいわゆる国民会議を設置して動かしていきたいという言及もございますので、自由民主党としては、政府・与野党がある意味一体となった1つの場でしっかりと給付付き税額控除を含めた税と社会保障の課題について、しっかりと協議をできるだけ早いタイミングで進めていきたいと考えています。
昨日の自民、維新、公明、立憲、この4党で昨日実務者で会議を持たせていただいたわけでございますけれども、その広がりにつきましては、この4党の皆様と話し合いをさせていただいているところですので、本日の時点で私の方から申し上げることは控えたいと思っておりますが、できるだけ論点が拡散することなく、1つのアウトプットを出していかなければいけないので、議論が収束していくような環境を整えられるようにしていきたいと考えています。
Question
朝日聞です。
連立政権の政策合意の進捗状況についての受け止めをお伺いしたいのですが、連立になってから約2カ月で今の進捗をどのように評価しているのかということと、来年、年明けの通常国会でやるべきこと、連立合意を進めていくこと、課題山積みだと思いますが、どのように進めていくとお考えか。副首都など、隔たりがあるのかなと見受けられる項目もあるのですが、まず現状の評価と、今後の展望をどのように考えているのかということを教えてください。
Answer
現状の評価としましては、私は着実に連立合意に書かれてある事項を実現に向けて進んでいるというふうに受け止めています。スピード感について、これは両党において、あるいは自民党の中でも様々な人によって感じ方は個人差があるでしょうけれども、少なくとも公党同士で約束したことについては着実に前に進んでいるというふうに認識しております。それはやはり日本維新の会の皆さんの真摯に自民党に向き合ってくださる姿勢について、まず政調会長として感謝を申し上げたいと思います。特にカウンターパートの斎藤 アレックス政調会長には感謝を申し上げたいと感じています。また、マスコミの皆さんはもう現場で感じられている通り、1つ1つそんなに答えを出すことが簡単な話ではありません。日本維新の会と自由民主党で、これまでの立ち上げの経緯等、あるいは議員の数も違います。そうした中で着実に結果を出しているということについては、自民党の同僚議員が各政策の前面、フロントで日本維新の会の皆さんと仮に隔たりが大きいとしても、そこは本当に粘り強く、真摯に自民党側も同僚が向き合ってくれた、その結果だというふうに受け止めておりますので、政務調査会長として、同僚議員、自民党の同僚議員に対しても心から感謝するところであります。
年が明けてから、まだ連立合意に書かれている事項、まだまだ課題があります。この場で1つ1つ挙げるときりがありませんけれども、例えばインテリジェンスの話についても、決して簡単な話ではありませんが、来年の通常国会で法案を提出し、成立させていく、そういう心構えでおりますので、年末年始も家族との時間も大切にしながらも、しっかりと来年に向けて頭を整理していきたいと思っています。
そして、あとは副首都の話、特出しとして言及されましたけれども、これについても皆さんご案内の通り、昨日協議会が行われました。だいぶ歩み寄れているところも着実に増えてきています。他方で、まだ自民、維新の間で隔たりのある論点もございます。この点については、恐らく年内に決着というのは難しいかもしれませんが、来年の通常国会に向けて、しっかりと合意形成を図っていかなければいけない。これは私の感覚ではあるのですけれども、仮に来年の通常国会で議員立法を統治機構について成立させていこうとすると、恐らく来月いっぱいには法案の骨子までは作成していないと恐らく時間的に間に合わない可能性があるので、そこはスピード感を持って、誠意を持って日本維新の会と向き合っていきたいと考えています。
Question
東京新聞です。
今の関連なのですけれども、副首都のところで維新の方は副首都を以前まとめた草案では特別区の設置を要件にしています。ここをなかなか折り合うのが難しいところであるかと思うのですけれども、特別区の設置を要件とすることについての現状での政調会長のお考えをお聞かせください。
Answer
まず、副首都の話については、連立の合意文書に書いてあることが全てだと考えています。今の時点で特別区のあり方について私から踏み込んだことを申し上げるのは控えたいと思いますけれども、ただ、今回、自由民主党としては、この副首都構想、統治機構改革は、自民党の政調のもとに会議体があって、そこで国家社会機能をできる限り適切に分散させていくことによって、例えば大規模な自然災害が起こったときにも、国家の機能がしっかりと持続可能になるような形で、そういうリスク分散の観点から議論を積み重ねてきた経緯があります。そうした観点からすると、何か特定の1つの都市に限っていくというよりも、できるだけ複数、そしてまた様々な地方が関心を持って、そして手を挙げていただけるような、そういう枠組みにしていく必要もあるのかなというふうに感じるところでございますので、こうした自民党の視点も、日本維新の会の皆さんとしっかりと共有させていただきながら、丁寧に議論を続けていきたいと考えています。