
昨年末に高市政権の下で初めて取りまとめられた令和8年度与党税制改正大綱では、物価高を乗り越える「強い経済」を実現するため、基礎控除等の見直しをはじめ、物価高への対応といった重要な課題に、税制面からしっかりと取り組む内容となりました。わが党は、令和8年度予算と税制関連法案の早期成立に向けて、通常国会に臨みます。特に注目が集まった「年収の壁」の見直しについて詳しく紹介します。

一定額の所得が得られると所得税の支払いが発生する「年収の壁」。長引くデフレで所得税の課税最低限は令和6年度まで103万円となっていましたが、わが党は物価が上昇する局面を迎えて、「働き控え」の解消と「手取り」の増加の観点から、基礎控除と給与所得控除を見直す議論を続けてきました。
令和7年度税制改正により、令和7年の年末調整から、1人当たり2~4万円の所得税減税を実施しました。
さらに令和8年度税制改正では、基礎控除を今後も、物価に連動させて定期的に引き上げていきます。
令和8・9年分の基礎控除・給与所得控除の最低保障 額は、直近2年分の物価上昇率を反映して、それぞれ4万円、計8万円引き上げることに加えて、令和6年末に自民・公明・国民民主の3党幹事長間で結んだ合意を踏まえて、基礎控除・給与所得控除をそれぞれ5万円引き上げ、今回の見直しで最大18万円引き上げられます。
今回の見直しでは、物価高に苦しむ中間層に配慮し、給与所得の全納税者の約8割をカバーする年収655万円まで特例の上乗せ額を拡充します。この結果、全ての納税者にとって、所得税の負担が生じ始める年収水準は少なくとも178万円以上となります。
令和7年度税制改正では低所得者(年収200万円以下)の基礎控除・給与所得控除を160万円まで引き上げ、「働き控え」の解消は一定程度進められましたが、今回の見直しは物価高に苦しむ中間層の負担軽減を重視しました。基礎控除の特例区分を4区分から2区分に簡素化。新たな見直しによって規模にばらつきはありますが、令和7年度改正と合わせて1人当たり約3~6万円の所得税減税を実現。全ての納税者に減税の恩恵が及ぶ仕組みとなっています。
国民民主党は当初、基礎控除を178万円まで引き上げることを主張していましたが、これでは高所得者ほど減税額が大きくなり、多額の財源(国で3兆円弱、地方で4兆円弱)を要します。将来世代に責任を持つ観点から財源問題も無視できません。令和8年度改正では、減税額が一定程度平準化される仕組みを保ちつつ、全ての納税者の「手取り」が増える仕組みを実現しました。
