
「政治も料理も段取りが大事です」とにこやかに語る鈴木俊一幹事長
令和7年10月に発足した高市早苗総理の下での自民・日本維新の会による連立政権は高い支持を国民から得ています。国民からの期待に応える令和8年とするべく、党運営の要となる鈴木俊一幹事長は「党内融和」と「丁寧な合意形成」の重要性を、機関紙『自由民主』新年号に掲載するインタビューで力説しました。鈴木幹事長に令和8年の自民党の行方を聞きました。
定数削減は前に進めるべき課題
――高市政権は高支持率でスタートしました。
鈴木俊一幹事長 「産みの苦しみ」はあったと思います。日本維新の会との連立に枠組みが変わり、衆院では辛うじて過半数を得てスタートした高市政権ですが、国民の高い支持を得ることができて、補正予算も成立し、順調に滑り出しました。極めて高い支持率で発足した小泉純一郎政権と高市政権とは共通点があると思います。どちらの政権も社会全体に閉塞感がある中で発足し、「新しい政治が始まるのではないか」「新しい政策が打ち出されるのではないか」という期待感がありました。小泉総理は「自民党は変わった。改革政党になった」というキャッチコピーでしたが、高市総理も「責任ある積極財政」や外交・安全保障への姿勢が評価されているのだと思います。
―わが党は維新との連立政権となりました。新しい連立政権の下での党運営の考え方は。
鈴木 党内を見れば昨年(令和7年)の総裁選挙は決選投票の国会議員票は4票差で、勝敗を決したのは党員投票の結果でした。真っ二つの状況になったわけですから、まずは党内が一致団結しなければなりません。幹事長として党内の融和を作り上げていくことが大事です。
連立を組んで辛うじて衆院では無所属議員の協力も得て過半数を得ましたが、参院では過半数に6議席足りません。連立を組む維新との関係は大切にしなければなりません。12項目の連立合意を誠実に実行に移すことで、信頼関係が高まっていくと思います。まずは維新との信頼関係をしっかりと心掛けて、令和8年もやっていかなければなりません。また、補正予算のように、国民民主党、公明党をはじめとする他の政党の主張にも真摯に向き合って、より多くの党・会派の協力を得られるような努力を続けていきます。昨年末は国民民主党といわゆる「年収の壁」を178万円まで引き上げることで合意しましたが、こうした合意形成を丁寧に進めていくことが重要です。
――衆院定数削減の法案も令和8年に結論を得るべく議論が進みます。
鈴木 定数削減については世論調査を見ると「やるべきだ」という声が多いです。同時にかつての民主党時代の野田佳彦代表が45議席削減すべきだという提案もあります。これは前に進めるべき課題です。臨時国会の法案は継続審議となりましたが、衆院議長の下での選挙制度協議会で各党が協議します。そこでの議論をわが党としても維新と一緒にリードしていきます。いずれにしても国民の支持が高いテーマについて各党との協議の中で、良い答えを見つけていきたいと思います。
――話は変わりますが、幹事長は料理が得意と伺いました。政治と共通する部分は。
鈴木 結局、自分が美味しいものを食べたいだけなんですが(笑)、料理は下準備が大事なんですね。火をつけてから食材や調味料を準備していては、火が通り過ぎてしまいます。段取りが大事ですので、これは政治にも共通するのかもしれません。連立政権で高市総理の政策が前に進むように、しっかりとした「段取り」が整うように私自身心掛けていきたいと思います。