2025年6月11日(水) 19:03~19:20
於:党本部平河クラブ会見場

記者会見を行う森山裕幹事長
【冒頭発言】
本日、野党から共同提出をされた法案について、我々の考え方を少し申し上げておきたいと思います。
ガソリンの暫定税率を7月1日からゼロにするという法案が提出をされたところでありますけれども、7月1日まで2週間あまりしかありませんし、あまりにも唐突な法案提出ではないかと思っております。各党の法案提出権を否定するつもりは全くありませんが、ガソリンの税率を変えるという事は十分な準備が行われて施行されるべきものだと思っております。そうでないと、買い控えとその反動で在庫切れなど、流通の現場が大きく混乱する恐れがあります。全国には、2万7000ヶ所のガソリンスタンドがありますので、ここに大変なご迷惑をかけることにもなります。
また、財源が失われることになります。恒久的に失われる話であり、変わりとなる恒久財源をどこに求めるかということは、国政にとっても地方自治体にとっても、大変気になるところであります。このうち地方財源も、どこに代替の恒久財源があるのかということにも、しっかり応えていかなければならないと思っています。流通への影響の面、財源確保の面でも、関係者、いわゆるガソリンスタンドや地方自治体、バス・トラック業界などへの影響の面でも、非常に対応の難しい法案であるというふうに考えております。
自民党としては、既に申し上げている通り、暫定税率の廃止については責任をもって対応したいというふうに考えており、そのことは既に明らかにしてきているところであります。
また、本日、維新さんと社会保障改革に一定の前進がありましたので、お互いに幹事長・政調会長・実務者のみなさんと一緒になって、一つの合意書を交わしてきたところでありますが、少し経過を申し上げますと、党首が集まって合意をいたしましたのは、2月25日でありました。
その時の合意は、教育無償化、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減、働き控えの解消、教育無償化の論点等について、党首を含めて合意が出来たところであります。
この時点では、ガソリンの暫定税率のことについては合意書の中には入っておりませんが、そのあと、維新さんの方から申し入れがあり、政調会長間で協議をして、暫定税率のことについても協議をすることになりました。それぞれ各党2名ずつ出ていただいて、ガソリン・軽油税の暫定税率廃止については、議論を重ねてきたところでありますが、ここで一定の結論が出されている問題であるというふうに理解をしております。
そのようにお互いに誠意をもって協議をしてきた内容について、突然、廃止法案が提出をされるということは、誠意を持って協議に臨んできた我が党としては、非常に残念なことでございます。
このような推移があったことをしっかりと考え、それを踏まえて、協議の扱いを相談して参りたいということを、私は本日申し上げましたけれども、党首討論においては、少し私の発言の趣旨と違うことが、維新の前原代表から発言があったところでありますが、そうではなかったということは、先ほどご本人に直接、私も説明を申し上げてきました。
あと2週間しか時間のないところで、本当にガソリンの暫定税率を廃止できるのかどうか。これは、冷静に考えなければなりませんし、そのことによって、どのような事態になっていくのかも、よく考えなければいけないと思っております。
特にガソリンにつきましては、先月22日から10円下げさせていただいて、ずいぶん安定をしてきた値段になっていると思います。このことも踏まえ、ただ我々は暫定税率を廃止することを約束しておりますので、年末の税調に向けて、しっかり議論をして、国民の皆さんとの約束を果たしたい。そう考えておりますので、今日そのことを皆さんに申し上げたく、記者会見をお願いした次第でございます。私からは以上でございます。
質疑応答
- NHKです。ガソリンの関係で伺います。ガソリンの暫定税率廃止法案について、例えば吊るしを下すのかどうかなど、どのように対応していくお考えでしょうか。もう1点、維新の会は、教育無償化と社会保障については自民党と協議を続ける一方で、ガソリンについては他の野党と連携している。こうした姿勢について、どのようにご覧になっていますか。
- 我々としては、ガソリンの暫定税率の廃止については、向こうからの申入れがあって協議を始めたということになります。先ほど申し上げた通り、党首会談での一項目ではありません。その後、政調会長同士で、このこともしっかりやろうということを、私どもから申し上げたのではなくて、維新の方から申し出があって、誠意を持って議論をしてきて、このことについて一定の結論が出ていると思います。
- NHKです。法案の扱いについては、どのようにお考えですか。
- 法案の扱いは、法案が出されれば国対を通じて手続きやいろんな議論があるのだと思います。このことは、私が関係することでもありませんので、国対間でしっかり議論していただければと思います。
- NHKです。もう一点、給付について伺いたいのですけれども、先ほどの党首討論の中で石破総理大臣は、政府としては給付について検討していないという発言をされました。与党としては、先日の二幹二国のブリーフであった通り、給付を実施するという考えに変わりがないのでしょうか。また先ほど一部報道で、金額について国民一律2万円、住民税非課税世帯に、もう2万円という報道がございましたが、その検討状況はいかがでしょうか。
- それは政調間で協議をしていくということに尽きると思いますし、金額をお互いにどれだけの金額にしようとか、共同の公約とするかどうかとか、結論が出ている話ではありません。今日、総理がご答弁になったように、政府で協議をしておられることはないと思います。
- 時事通信です。ガソリンの暫定税率についてお伺いします。これで与党と野党の立場が明確に分かれていますが、参院選の争点になると幹事長はお考えですか。
- 本当に2週間でできるかどうかということが大事なことですし、私はガソリンの暫定税率を2週間で廃止するということは、とてもできる話ではないように思います。
- 朝日新聞です。念のため確認ですが、先ほど党首討論の前原氏の発言として、「ガソリンの法案を7党で提出するならば社会保障の協議を見直す、と森山幹事長が述べた」と仰ったのですが、この社会保障の協議を見直すという発言はされていないのですか。
- 我々としては、今後の推移を注意深く見守り、それを踏まえて、協議の扱いを相談して参りたい。維新さんと今後の協議について相談をして参りたいと申し上げておりますので、社会保障のことを打ち切るとか何とか、そんなことを申し上げているわけではありません。それはそれで引き続き協議をしていくということは、基本的なことだと思います。
- 共同通信です。給付の関係で、党首討論の中で、国民の玉木代表が税収の上振れ分を国民に還元するような財政状況にはないかということを総理に問い、総理はそのような財政状況認識はしていませんというふうに答えたのですけれども、この点について幹事長はどのようにお考えでしょうか。
- それは総理が仰るとおり、国債の残高等を考えると、どこに視点を置いて考えるかですけれども、そういう状態にないということも一つの考え方だと思います。
- 日本テレビです。党首討論をお聞きになって、全体的なご所感として与野党の議論をどう受け止めたかお聞かせください。
- それは私がコメントすることは差し控えたいと思いますが、国民の皆さんが討論を聞いていただいて、ご判断をいただければよろしいと思います。