2024年7月16日(火) 10:11~10:25
於:党本部平河クラブ会見場

茂木 敏充幹事長(写真中央),田所 嘉德副幹事長(写真右),田中 英之副幹事長(写真左)
【冒頭発言】
本日の役員会・役員連絡会の概要を報告いたします。
冒頭、鹿児島県の塩田康一知事より、先週行われた知事選の御礼挨拶がありました。
岸田総裁からは、先週は、ワシントンにおけるNATO75周年首脳会合に出席した。欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分であり、ウクライナ支援の強化とともに、最近の露朝軍事協力やデュアルユース品輸出によるロシア継戦能力の増強などへの懸念を共有した。
また、NATOと日韓豪ニュージーランド(IP4)の間でも、四つの旗艦事業について合意し、日NATO間も含め偽情報対策など持続的な協力を進めていくこととした。
その後、訪独し、ショルツ首相と、日独間の安保・防衛協力の更なる深化に向けて「2+2」を早期に開催することを確認した。また、ともに中国を最大の貿易相手国とし、産業構造や技術力において共通点を持つ両国が、中国の経済的威圧、過剰生産問題を含めた経済安全保障について協議する枠組みを新たに創設することとした。
本日から、東京で第10回太平洋・島サミット、PALM10を開催する。海洋、気候変動、防災を始めとする、共通の課題や、協力等について、幅広く議論を行う。我が国と太平洋島しょ国・地域との間のきずなに加えて、協力関係を一層強化する機会としたい。
17日に、旧優生保護法の国家賠償請求訴訟原告団の方々とお会いし、つらいご経験や思いを直接にお伺いさせていただき、私から、反省とお詫びの言葉を直接お伝えしたい。
トランプ前大統領の暗殺未遂事件は、民主主義に対する暴力の挑戦であり決して許されない。トランプ前大統領へのお見舞いとともにこうしたメッセージを事件後、速やかに発信した。
梅雨前線の影響で局所的な大雨や土砂災害による被害も発生している。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、全ての被災された方々にお見舞い申し上げる。引き続き、国内の状況も緊張感を持って注視していきたい。
私(茂木幹事長) からは、先週、米国でトランプ前大統領が銃撃される事件が発生した。秋の大統領選の最激戦州、ペンシルベニア州での集会の最中、演説中に行われた今回の暴力行為は、民主主義に対する挑戦であり、強く非難する。また、トランプ前大統領の一日も早い全快をお祈り申し上げる。
今週は、同じく最激戦州のウィスコンシン州で、共和党の大統領候補を決める党大会が開催されている。大会初日には、大統領候補にトランプ前大統領、副大統領候補にJ・D・バンス上院議員が指名された。大統領選では、候補者の間で活発な論戦が展開されることを期待したい。
先週、日経平均は4万2000円台と史上最高値を更新し、東証プライムの時価総額は初めて1000兆円を突破した。この景気回復の流れを、継続的な賃上げや投資の拡大につなげ、日本経済の再生を進めていきたいと思う。
先週、岸田総理が米国とドイツを歴訪された。米国では、NATO首脳会合に出席し、本年、設立75年を迎えたNATOとの協力関係を確認するとともに、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け、NATO加盟国や同志国との連携を強化する重要な機会になったと思う。
また、本日から「太平洋島サミット」が東京で開催される。世界が分断と対立を深め、また一部の国が権限拡大などを志向する中、太平洋島しょ国との関係をさらに深化させることで、わが国として国際社会における「法の支配」を推進し、地域の安定と繁栄に貢献していくことを期待している。
質疑応答
- NHKです。役員会での幹事長の発言にもございましたけれども、今朝の共和党大会でトランプ氏が大統領候補に正式に指名され、トランプ氏は副大統領候補にバンス氏を選びました。バンス氏は、「アメリカ第一主義」を強く支持する議員としても知られていまして、トランプ氏が次期政権でも「アメリカ第一主義」を前面に掲げていく意思の表れだという見方も出ていますが、この一連の人事について幹事長はどのように捉えていらっしゃいますか。
- 共和党の副大統領候補といいますか、トランプ前大統領のランニングメイトが誰になるか注目されていたのですが、39歳のバンス上院議員の選出を発表して、党大会において正式に指名されたところであります。
バンス上院議員はオハイオ州選出でありまして、ベンチャーキャピタリストから政治家に転身した経歴の持ち主でありまして、回顧録であります「ヒルビリー・エナジー」はベストセラーになって、映画化もされています。確かにバンス氏については「アメリカ第一主義」と、こういう主張をされていると、承知しておりますけれど、バンス上院議員を副大統領に指名した理由については、トランプ前大統領から改めて説明があると思っています。
- 朝日新聞です。関連して、アメリカでの大統領選の最中にトランプ前大統領が銃撃を受けました。日本もそうなのですけれども、民主主義が暴力の脅威にさらされているという状況が世界各地で起きています。現下の民主主義が置かれている状況について、幹事長はどのようにお考えでしょうか。
- アメリカにおいては、格差の拡大、さらには中間層が減退している、こういったことが言われております。もう一点、ソーシャル・メディアが日本以上に発達しておりまして、人々が一方的な情報にアクセスする、そしてその影響を受けると、こういったことから社会的な分断、二極化が進んでいると指摘されているところでありまして、そうした中で起きた今回の事件でありますが、民主主義の根幹であります選挙集会の最中、演説中に行われた今回の卑劣な暴力行為、これは民主主義に対する挑戦であり、改めて強く非難したいと思っております。
一日も早いトランプ前大統領の全快をお祈りしているところでありますが、私はかつて、日米貿易交渉のときに、トランプ大統領から「茂木はタフだ」と言われたこともありますが、今回の銃撃で、トランプ前大統領は耳を負傷しても、こぶしを振り上げると、こういう様子を見まして、トランプ前大統領こそタフだなと、こんなふうに感じましたが、いずれにしても、もう共和党の大会にも出席をしているということで、一日も早く全快して欲しいと、こんなふうに考えております。
- 読売新聞です。秋に行われる自民党総裁選についてお伺いします。9月下旬には国連総会も控えていますが、いつごろの実施が望ましいと幹事長はお考えでしょうか。
- いつが望ましいというか、総裁選の国会議員投票は、「総裁公選規程」において、総裁の任期満了前の「10日以内」に行うと定められているところでありまして、このため、岸田総裁の任期満了に伴います総裁選の投票日、これは9月20日から29日までのいずれかに設定されることになるわけであります。具体的な日程については、今後、総裁選挙管理委員会が、総務会の議決を経て決定することになりますけれど、必ずしも、これまでの総裁選を見ても、国連総会の日程、これと被ることもありますので、国連総会がいついつだから総裁選がいつであるということではないのではないかなと思っております。
- 朝日新聞です。先日、インターネットの番組で総裁の任期について3年以内がちょうどいいと述べられました。一方、岸田総理は9月に総裁任期3年を迎えて、今度の9月の総裁選への出馬意欲を持っているわけですけれども、今回のこの発言は首相を念頭におかれたものなのか真意についてお伺いします。
- ネット番組をよくご覧いただきますと、歴代の総裁の話をさせていただいて、中曽根総理、小泉総理、さらには安倍総理、こういうどちらかというと比較的長期政権であった総理の話をさせていただいたところでありますけれど、例えば安倍総理を見ても、7年8か月と、最も長期政権でありましたけれども、その間にアベノミクス、これを具体化するという仕事をし、その後に今度は全世代型社会保障、この改革に取り組む、また平和安全法制、この成立も行なったところでありますけれど、私が申し上げたのは総裁の任期というのは3年ということで決まっているわけです。ただ、再選を妨げられるわけではなくて、だから3期9年までという規定にはなっているところでありますけれども、一つの仕事というか、目標というか、それを具体化する達成するということを考えると、時代の流れというのは早くなっているので、これはやっぱり3年ぐらいで一つの仕事をやり遂げると、こういう時代になっているのではないかなというお話をさせていただきました。もちろん、岸田さん云々ということよりも、誰がなるにしても一つの仕事をやるとしたら3年、そして更にまた次の課題に立ち向かうとしたら次の任期になるのではないかなと思っておりまして、一人の総裁が3年以上やってはいけないという話は全くしていないと思います。