お知らせ「自由民主」先出し科学技術成長戦略経済安全保障

もう一度、"世界のてっぺん"へ
経済安保の要として造船力の再興を

かつて世界の海に浮かぶ船の半数はわが国で造られていました。その座を明け渡してから約30年。高市政権は戦略17分野の1つに造船を据え、政府与党では造船力を経済安全保障の要としても位置付けています。もう一度"世界のてっぺん"を目指し造船大国・日本の再興が動き出しています。

世界シェア5割から一転

造船業を取り巻く世界の情勢(モス型とメンブレン型の隻数の推移)

わが国の造船業は1956年に欧州を抜き、世界シェア1位となりました。以降1990年代初頭まで約5割という高い建造量シェアを維持し、わが国経済をけん引してきました。液化天然ガス(LNG)運搬船でも、球形タンクを積んだ「モス型」で強みを発揮してきました。
造船所は資機材の9割超を国内から調達し、多数の舶用メーカーや協力事業者と「海事クラスター」を形成。地域の雇用を生み、経済を回す造船は、産業の裾野そのものです。
しかし1990年代に韓国、2000年代に中国が台頭します。世界的な供給過剰が続く中で、わが国の建造量は2019年の1600万総トンから、2024年には900万総トンに減少する等、低迷しています。いまではわが国船主の造船需要を下回り、海外の造船所に頼らざるを得ない状況です。一方、中国は世界の7割超を受注し、市場支配力を高めています。
LNG運搬船では、世界の潮流はモス型から、船体の形に沿ってタンクを収める「メンブレン型」に移行。韓国の造船所が建造の大宗を占めるようになりました。足元では中国も実績を伸ばしており、いずれ韓国を凌ぐとの見方もあります。モス型を主力としてきたわが国では、LNG船の建造実績が2019年を最後に途絶えています。

令和17年に建造量倍増へ

官民投資ロードマップの概要(造船分野)

四面を海に囲まれたわが国はエネルギーや食料等の物資を海上輸送による貿易に依存しています。船舶の安定供給の確保は国民生活と経済活動に欠かせません。建造量の減少が続けば、国内のサプライチェーンが維持できなくなり、その影響は甚大です。他国に依存することなく、わが国としてLNG運搬船の建造技術を保持することは、自律性の確保という経済安全保障の観点からも重要です。
こうした中、政府は昨年12月、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資である「船舶の部品」の対象に、新たに「船体」を追加しました。舶用エンジンやプロペラ等に続き船体が加わったことで、造船所が建造能力を拡大するための設備そのものが、同法に基づく支援対象となりました。財政面では「造船業再生基金」を造成。事業者が作成する「供給確保計画」を国が認定し、省力化・自動化設備の整備やドックの拡張、クレーンの導入といった大規模投資を支援します。
また高市政権は戦略17分野の1つに造船を位置付け、7月に決定した日本成長戦略の官民投資ロードマップで、令和17年に建造量を倍増させる目標を掲げました。支援の対象として「次世代船舶」「船舶修繕」「LNG運搬船」を示しました。
次世代船舶では令和16年度までに官民合わせて1兆円を投資します。次世代船舶は中長期的に海上輸送量の増加に伴って建造需要が拡大する見通しで、中でも温室効果ガスを排出しないゼロエミッション船等の需要が増大しています。従来の船とは設計も工法も異なることから、わが国は造船市場の勢力図を塗り替える「ゲームチェンジの機会」と捉え、アンモニア燃料船をはじめとするゼロエミッション船等の次世代船舶の建造技術で世界を主導。その技術をてこに令和17年にわが国が1800万総トン(令和6年比倍増、市場規模約5兆円)を建造することを目指します。

党海運・造船対策特別委員会と経済安全保障推進本部の合同会議

わが党では海運・造船対策特別委員会(委員長・阿達雅志参院議員)や経済安全保障推進本部(本部長・大野敬太郎衆院議員)を中心に、政府の取り組みを後押ししています。政府がロードマップを決定するのに先立って開かれた合同会議では「今ならまだ間に合う」との考えの下、国家としての意思と官民の連携を示す認識を共有。船舶の建造にとどまらず修繕体制の強化にも早期に対処する必要性を指摘する意見もありました。
LNG運搬船については「安定供給のためにも国内でしっかり建造できる体制づくりが不可欠」と強調し、設備投資支援にとどまらず、中国や韓国といった競合国との差を埋める大胆な支援策を検討していく考えを示しました。

金子大臣「日本の船は日本で造る」
国交省が供給確保計画初認定

造船業再生基金を活用した初めての案件の認定について記者会見する金子恭之国土交通大臣

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