
根本 拓新聞出版局次長
「地域資源を最大化する」
突然眼前に広がる大空間「滝根御殿」には無数のつらら石が垂れ下がり、思わず息をのむ。福島県田村市にある日本有数の鍾乳洞「あぶくま洞」は、ここでしか味わえない魅力を持つ、人生で一度は訪れる価値のある場所だ▼ところが、来場者は大幅に減少している。原因の一つは、施設の古さやブランディング・PR不足だろう。入場料は大人1200円。これでは、魅力を磨き直す投資の原資を生み出せない。運営する田村市も課題を認識し、国の補助金を活かしたリニューアルを進めている▼だが本当に必要なのは、民間の知恵と資金、そして覚悟ではないか。「赤字は許されない」という緊張感のもとで民間に運営を委ね、投資を行い、「行政がリスクなく維持する施設」から、「民間がリスクを取って稼ぐ施設」へと変えていく必要がある▼地域活性化に必要なのは、「新たなハコモノ」ではない。「既存の資源の価値を認識し、最大化すること」だ。地域の皆さんとともに、地域が稼ぐための挑戦をし続けたい。