
臨時閣議に先立ち、皇室典範改正案を了承した臨時総務会
政府は6月30日の臨時閣議で、皇室典範等改正案を決定した。改正案は(1)女性皇族の婚姻後の身分保持(2)皇族の養子縁組―を可能とするのもの。安定的な皇位継承に向けた皇族数の確保は先送りできない喫緊の課題であり、政府与党一体で今国会での成立を目指す。
「立法府の総意」踏まえて策定
改正案は衆参が取りまとめた「立法府の総意」を踏まえたもの。わが党は6月29日の臨時総務会で了承した。
(1)について、女性皇族は「天皇および皇族以外の男子との婚姻によって皇族の身分を離れることがないものとする」と明記。経過措置として改正皇室典範施行時の女性皇族については「その意思により、皇族の身分を離れることができる」と付則に盛り込んだ。
なお、皇族の身分に関する事項は宮内庁が管理する「皇統譜」に登録されるが、天皇および皇族以外の男子と婚姻した女性皇族については住民基本台帳法を適用する。
(2)の対象は旧11宮家出身で配偶者と子がいない15歳以上の男系男子に限定。皇族となった養子本人とその子孫の皇族の地位は「実方(養子の実家)の系統による」とし、養子本人は皇位継承資格を持たないが、その子孫の男子は資格を持つ。
改正案には付則に検討条項が設けられ、「必要があると認められるときは、30年ごとに見直しが行われるものとする」と定めた。
麻生副総裁「今国会で成立を」
安定的な皇位継承に向けた皇族数の確保を巡っては、平成29年に成立した天皇の退位等に関する皇室典範特例法の付帯決議を受け、政府が同4年1月、衆参正副議長に検討結果を報告。国会も「立法府の総意」を取りまとめるべく、与野党の「全体会議」で慎重に検討を進めてきた。
わが党は「現在の皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」との方針の下、安定的な皇位継承の確保に関する懇談会(会長・麻生太郎副総裁)で議論を重ね、全体会議でわが党の見解を説明した。
麻生副総裁は6月26日、同懇談会と内閣第一部会(部会長・長谷川淳二衆院議員)の合同会議で「ようやくここまでたどり着いたというのが率直な思い。何としても今国会において皇室典範の改正を成し遂げたい」と語った。

今国会での改正に強い意欲を示す麻生太郎副総裁(中央・6月26日)
皇室典範改正を巡る議論の経緯
<平成29年6月>
天皇の退位等に関する皇室典範特例法が成立。付帯決議で安定的な皇位継承を確保する諸課題の検討を政府に要請
<令和4年1月>
政府が衆参正副議長に政府における検討結果を報告。付帯決議に基づき、衆参正副議長は各党・会派に見解の取りまとめを要請。党内に「皇室問題等についての懇談会」を設置
<令和5年11月>
皇室問題等についての懇談会を「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」(総裁直属機関)に改組
<令和6年4月>
わが党としての見解を示した「安定的な皇位継承のあり方に関する所見」を取りまとめ
<令和8年6月10日>
与野党の全体会議において「立法府の総意」を取りまとめ