次世代の社会や産業を根本から変革するとされる「量子技術」。この革新的な技術は、産業競争力の強化や社会課題の解決につながるとして世界中から注目を集め、新たな産業創出へ、わが党では科学技術・イノベーション戦略調査会の量子産業創出プロジェクトチーム(PT、座長・木原誠二衆院議員)が実用化に向けた議論を主導しています。

わが国の量子政策を主導する党量子産業創出PT
圧倒的な計算能力誇る

3月に量子計算クラウドサービスが開始された新型量子コンピュータ「叡-Ⅱ(エイツー)」(提供:理化学研究所)
量子技術は微小なエネルギーや物質の単位である原子や電子等、極めて小さな世界における特殊な性質を利用した技術です。主に「計算」「通信」「計測」の3分野に応用されます。計算分野で最も注目を集めるのが「量子コンピュータ」です。従来のコンピュータが情報の最小単位である「0か1」の「ビット」で計算するのに対し、量子コンピュータは「0であり1でもある」という重なり合った特殊な状態の「量子ビット」を計算の基本単位として用いています。あらゆる組み合わせを同時計算でき、スーパーコンピュータで1万年かかる問題を200秒で解く等、圧倒的な計算能力を誇ります。
実用化されれば、新薬開発の飛躍的な加速や最適物流ルートの瞬時割り出し、気象予測の精度向上による迅速な防災対策等、国民生活を劇的に変えると期待されています。
通信分野の「量子暗号通信」は理論上絶対に解読されない通信技術で、将来的にサイバー攻撃から機微な情報を守る切り札となります。計測分野の「量子センシング」は従来の限界を超える超高精度の計測を可能にします。日本で発明された100億年で1秒もずれない「光格子時計」はその代表例で、国際的な計量基準への採用が期待されるほか、GPS(衛星利用測位システム)に依存しない高精度な位置把握等に貢献します。
2030年 50兆円産業へ
政府は量子技術を人工知能(AI)と並ぶ重要基盤と位置付け、高市政権は「成長投資」「危機管理投資」の両輪に掲げています。主要国が熾烈な開発競争を繰り広げる中、わが国は世界最大級の256量子ビットのコンピュータを世界に先駆けて開発する等、基礎研究で世界トップレベルの蓄積を有しています。
党量子PTでは5月、わが国が令和12年に量子分野の生産額50兆円規模を実現するための提言を取りまとめました。同提言では令和12年までに官民で2兆円以上、2040年までに12兆円以上となる投資目標額を打ち出しました。日本発の技術で世界をけん引するよう、わが党は政府と一体で官民投資を加速していきます。