
若井 敦子 新聞出版局次長
晴れてよし、曇りてもよし
ミラノ・コルティナ冬季五輪が閉幕。選手たちの勇敢な全力プレーは、多くの人に感動と勇気を与えた。その姿を見ながら、結果の裏にある果てしない鍛錬と葛藤の日々を思い、自身の過去と重ね合わせた▼勝利を目指す道は、理想と現実のはざまでもがく戦いである。厳しい稽古は容赦なく限界を突きつけ、苦しさと不安が常に付きまとう▼だからこそ私は、この言葉を胸に刻んできた。
晴れてよし
曇りてもよし
富士の山
もとの姿は変わらざりけり
▼望まずして味わう挫折は、人の痛みに向き合う視座を与える。その経験を省みたとき、他者を思いやる心が育まれ「礼節」が生まれる。「礼節なくして、秩序保てず。秩序なくして、国立たず。」▼空手道日本代表として勝利のみを追い求めた私が学んだのは、「いかに勝つか」ではなく「いかに生きるか」だった。スポーツの根本にあるものは、ひとづくり▼有限と知りつつ無限を夢見る挑戦が、新たな歴史を刻む。9月から愛知県で始まるアジア大会・アジアパラ大会でも選手の挑戦を、熱く見守りたい。