
今年もできる限り現場に足を運ぶという熱意を語った小林鷹之政務調査会長
令和7年10月21日、高市早苗政権が発足しました。高市政権は「責任ある積極財政」や「強い経済」といった経済政策を打ち出し、党内でも議論が具体化しています。機関紙『自由民主』新年号では、小林鷹之政務調査会長に高市政権の経済政策や地方の活性化等について聞きました。
強い経済で国民の不安を希望に
――高市政権は「責任ある積極財政」「強い経済」を掲げています。
小林鷹之政務調査会長 責任ある積極財政とは経済あっての財政という考え方に基づき、国が戦略的に投資をすることで強い経済を作り、結果として税収増をもたらし、財政と社会保障の持続性をしっかりと担保していく。これが責任ある積極財政だと考えています。とにかく強い経済を作ること、これこそが国民の不安を希望へ変える事ができると思います。複数年度の視点を持つことで、投資額を超える税収が見込まれるような戦略的な財政出動も必要です。成長投資で政府債務残高の対国内総生産(GDP)比を安定的に引き下げていくことで、市場の信認も獲得することが重要だと考えます。
――補正予算では危機管理投資、成長投資の部分が多くあります。こうした投資を国が率先するとは、どういう考えに基づいているのでしょうか?
小林 民間企業が自発的に創意工夫をして、一定のリスクを取りながら投資をすることで事業の拡大や収益の増大を図り、一企業だけでなく国全体の経済を引っ張っていくのが在るべき姿で、そこは今も変わりありません。
しかし、民間投資が進まない理由は2つあると考えます。1つは長らくデフレ経済が続いた中で企業がリスクを取ってでも投資をするという意識がまだまだ弱いということ。2つ目は半導体をはじめ戦略産業分野では、世界各国が官民一体となって投資し産業の育成に取り組む中で、わが国は過度に民間企業任せにしてしまったことだと思います。国際競争に勝ち抜くためには、今後日本も国が相応にリスクを取って、投資をしていくことが必要不可欠です。
また私は国家運営上、2つの視点が必要だと考えます。1つは自律性を高めていくこと。どんな状況でも他国の動向に左右されない国にすることです。もう1つは優位性、不可欠性。「この分野は日本がいなければ世界が成り立たない」という日本の強みを戦略的に拡大していくことです。その際に重要なのは、国民の皆さんからいただいた血税を使って投資するので、少なくとも10年先のあるべき産業のビジョンを産官学で共有した上で当然民間にも将来を見据えた投資をしてもらうということです。