
JAXA宇宙飛行士の大西卓哉氏(中央左)と記念撮影する深澤陽一党文部科学部会長や会議の出席議員ら
党文部科学部会(部会長・深澤陽一衆院議員)は11月14日、会議を開き、国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在ミッションを終えて帰還した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士・大西卓哉氏から報告を受け、議論しました。
大西氏は今年3月から8月までの約146日間にわたりISSに滞在。ISSへの滞在は自身2度目で、後半の約3カ月間は日本人3人目となるISSの船長を務めました。
滞在中、大西氏は日本実験棟「きぼう」で、宇宙空間の特性を生かしたタンパク質細胞の研究や材料実験等を行いました。
微小重力環境では、タンパク質が安定して成長し品質の良い結晶が生成されます。大西氏は、宇宙空間でできた結晶を解析することで「将来の創薬につながる」といった意義を示しました。
また同氏は今後の国際的な宇宙探査の方向性として、地球に近い低軌道での商業活動や、米航空宇宙局(NASA)を中心に将来の火星探査を見据えた月面着陸を目指していることを紹介。宇宙飛行士が乗り込んで生活しながら月等の天体表面を探査することができる「有人与圧ローバー」をわが国が開発・提供すること等を挙げ、わが国が培ってきた知見や技術を通じて国際社会に貢献していく必要性を示しました。
大西氏の帰還に先立つ8月2日には、同氏の任務を引き継ぐ油井亀美也氏がISSに到着。史上4回目となる複数日本人の宇宙同時滞在が実現しました。
同会議は引き続き、わが国の科学技術政策の振興に向け、宇宙開発への取り組みをさらに後押ししていくことを確認しました。