日本遺産 歴史を紡ぐ 福島県郡山市・猪苗代町
未来を拓いた「一本の水路」大久保利通"最期の夢"と開拓者の軌跡
平成28年度日本遺産認定

堤長14メートル、堤高8メートル、水路延長23メートルの人工の滝「安積疏水麓山の飛瀑」。安積疏水の開さく事業を後世に伝える石造構造物
時は明治維新。維新の三傑の一人である大久保利通は、困窮した武士の救済と産業改革を進める事業を、安積(あさか)原野で実現しようと決意しました。しかし開始目前の明治11年、大久保は暗殺されてしまいます。夢半ばで倒れた彼の思いは、郡山の人々の悲願だった「安積開拓・安積疏水開さく事業」で実現しました。猪苗代湖より奥羽(おうう)山脈を突き抜ける「一本の水路」安積疏水が導いた食文化と産業は、開拓者たちの挑戦の歴史と共に、今もなお郡山の地に受け継がれています。