
国光 あやの 新聞出版局次長
原点の親友
平成9年、長崎大学医学部の入学式でYさんと出会った。スーツ姿の学生が並ぶ中、普段着で現れ、母のような包容力と自由な雰囲気。この人は面白いと直感し、よく行動を共にした▼失恋で寝込んだ際には焼き鳥と缶ビールで励ましてくれ、長期の病で苦しんだときも授業ノートを届けてくれた。彼女の支えがなければ留年していた▼知らない世界への興味から、アフリカのスラムから国内のへき地まで、国内外の医療支援に関わった。居酒屋や清掃等アルバイトも共に経験した。貧困、ひとり親、就職難等多様な人々の現実に触れ、「病だけでなく、社会を治したい」と政治を志す原点となった▼卒業アルバムに寄せてくれた一言が心に染みる。「いいことも悪いことも、あなたと共有した思い出は全て財産」。励ましも厳しい言葉も含め、これからも見守っていてほしい。