憲法施行から78年 全国紙社説の論調を比較 改憲の是非ではなく「どう改正すべきか」論じよ
憲法記念日の5月3日、今年も全国紙は社説を掲げて憲法の在り方を論じた。少し旧聞に属する話となってしまったが、戦後80年の節目の年でもあり、各紙が憲法についてどう論じたか、改めて押さえておきたい。
注目すべき点は国際情勢の激化を背景に、「護憲」の立場の朝日新聞と毎日新聞の論調に変化の兆しが見られたことだ。
憲法の前文は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と平和を保持しようと決意した」と記す。しかし、憲法が前提としている国際社会と、現実は大きくかけ離れている。こうした状況の中で「護憲」を主張してきたのが両紙だった。近年一層厳しさを増してきたわが国の安全保障環境から目をそらすことはできなくなったのではないか。
朝日新聞は現在の国際社会を「むき出しの権力が猛威を振るう世界」と表現した。しかし「日本はこの先どんな国であろうとするのか...