
議論のスタートに当たりあいさつする自見はなこ座長(右から3人目)
党外国人材等に関する特別委員会(委員長・山下貴司衆院議員)と在留外国人に係る医療ワーキンググループ(WG、座長・自見はなこ参院議員)の合同会議は4月22日、在留外国人の公的医療保険の適切な利用に向けた対応強化策について議論をスタートさせた。
在留外国人の公的医療保険の利用を巡っては、生活の拠点が日本にない親族が健康保険に加入したり、医療を目的とした来日にも関わらず在留目的を偽って国民健康保険(国保)に加入する等の問題が起こっている。
これを踏まえ同WGは平成30年、政府への提言を策定し、法改正等が行われたが(表)、「国保の未納が多いのはどうしてなのかという声をいただく」(自見座長)として、さらなる対応策を検討し、政府に申し入れる方針。
この日の会議では、在留外国人の保険料納付状況等について関係省庁から説明を受けた。
厚生労働省によると、国保の納付率はデータのある約150自治体の平均は63パーセントで、日本人を含めた全体平均の93パーセントよりも低い。同省は「リーフレットの作成等による制度の周知や滞納者への相談等の取り組みを強化したい」と説明した。
他方、国保滞納者の情報を自治体が出入国管理庁の出先機関に提供する制度があるが、全1719自治体のうち28自治体の参加にとどまっている。
参加自治体が少ないことについて同庁が「自治体の事務負担が大きい」と説明したのに対し、出席した議員からは事務負担を軽減する方策を早急に検討し、参加自治体を増やすべきとの意見が多く出た。
平成30年WG提言の主な内容
- ○ 健康保険の被扶養者や国民年金第3号被保険者の認定において、原則として国内居住要件を導入する
- ○ 在留資格の本来活動を行っていない可能性があると考えられる場合に市町村が入国管理局に通知する枠組みについて、通知対象を拡大する
- ○ 保険料を一定程度滞納した者からの在留期間更新許可申請等を不許可とする等の対策を講じる
- ○ 出産育児一時金の不正受給を防止するため、請求に必要な書類の統一化を図り、審査を厳格にする