お知らせ「自由民主」先出し経済賃上げ

自由民主1面コラム「幸響」
小森 卓郎 広報本部新聞出版局次長

小森 卓郎 広報本部新聞出版局次長

脱・「ワンダーランド」

令和6年、名目GDPが初めて600兆円を超えた。大台の突破は、500兆円を超えた平成4年から32年ぶり。それまでの大台突破はほぼ5年ごとであり、32年がいかに長いか実感する▼四半世紀の間、賃金と物価が上がらないサイクルに入り込み、金利もない世界にいた私たちは、アリスの「不思議の国」の住人のようだ。価格は上がらないという共同認識のもとで、瞳に映る像は奇妙に歪(ゆが)み、行動も特殊になった▼例えば、企業は本来、投資するために資金を調達する存在だが、投資を控え、借入れを減らし、賃金も社員教育の費用も上げなかった。生産性は上昇しない。家計や政府の行動も同類だった▼近年、ようやく「不思議の国」からの覚醒が始まった。30年ぶりの水準の賃上げが続き、企業投資も年間100兆円超え。株価も平成の最高値を上回り、金利も付くようになった▼持続的な賃上げのための価格転嫁、投資の誘発、成長企業の支援。これらの推進で日本を「不思議の国」から正常な世界に確実に戻し、次の大台への到達を目指す。

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