
1月31日の衆院予算委員会で答弁する江藤拓農林水産大臣
コメの市場価格がかつてない高値となっていることを受け、政府は2月14日に政府備蓄米を合計21万トン放出することを決定し、公表しました。
コメの価格は市場が決めることが大原則で、一定程度コメの価格が上昇することは、生産資材や肥料高騰が影響する生産者の所得が増えることにもつながりますが、想定を超える高値に江藤拓農林水産大臣は1月31日の衆院予算委員会で「長年農政に関わってきた人間からすると、全く理解できない状況」と述べました。
政府備蓄米の放出は従来、大幅な不作といった緊急事態に限られていましたが、政府ではコメ価格の異常を受けて前例にとらわれず放出できる方策を検討。流通の改善を目的にした場合、事後に市場から買い戻すことを条件に放出できるよう運用ルールを見直しました。米価高騰はコメ需要の低迷をもたらすことにつながり、生産者にとっても悪影響があります。「高過ぎる」現状を改善するため、江藤大臣は18日の記者会見で「政府備蓄米を少しでも早く消費者の手元にお届けできるように、手続きの迅速化を図りたい」と述べました。