
被用者保険の適用拡大について関係団体からさまざまな意見が寄せられた合同会議
党社会保障制度調査会年金委員会・医療委員会合同会議は11月26日、被用者保険の適用拡大について関係15団体から意見を聴取しました。
被用者保険の適用拡大を巡っては、厚生労働省の社会保障審議会年金部会が方向性を示しており、意見聴取に先立って同省からその内容について説明がありました。
それによると、短時間労働者については、企業規模要件(従業員50人超)を撤廃し、労働時間要件(週所定労働時間20時間以上)と学生除外要件は現状を維持します。いわゆる「106万円の壁」と言われる賃金要件については引き続き検討することとしました。個人事業所は現行の17業種から全業種を適用対象としますが、5人未満の事業所は対象外としました。
これについて関係団体の代表者からは「働き方に中立的な制度の構築を進めていくべきだ」として、理解を示す意見がある一方、物価高が続く中で事業主の保険料負担が増えることから、「まずは経営体力の強化が優先だ。負担を賄うことが困難な状況にある事業主に強制適用することは賛成できない」「中小商店等の経営環境をはじめとする地域経済へのデメリットの大きさを考慮し、段階的に進める必要がある」等と丁寧な議論を求める声もありました。
また、適用拡大に当たっては、事業主の保険料負担以外にも保険料の徴取や給付等の事務処理も増えます。そのため、円滑に適用を進めるためには政府による十分な支援が必要との意見も出されました。