沖縄の正装「かりゆし」を着用した9人の候補者が、
逢沢一郎総裁選挙管理委員長(中央左)とともに沖縄の発展に尽力すると誓った
立候補した9人は、9月17日、那覇市での所信発表演説会に臨みました。沖縄振興予算によって建設され令和3年にオープンした「那覇文化芸術劇場なはーと」に集まった1500人を超える出席者に対して、9人の候補者は、沖縄の正装である「かりゆし」を着用し、沖縄が抱える基地問題や外交・安全保障や沖縄の産業振興等、各候補者が力点をおいている項目に関して、自身が総理・総裁になった場合にはどのように進めていくのか訴えました。各候補の訴えを発言順に掲載します。
林芳正候補は急逝した松川正則前宜野湾市長が亡くなる前日に面会していたことを明かし、松川前市長の思いを引き継ぎ先般の同市の市長選で当選した佐喜真淳宜野湾市長と連携して基地問題に取り組んでいくことを表明しました。そして、農林水産業や沖縄科学技術大学院大学(OIST)等、沖縄には無限の可能性があり、それを伸ばしていきたいとしました。
小泉進次郎候補は、観光産業だけでなく、沖縄工業高等専門学校で航空機のメンテナンスに関する専門教育を行うことで、「航空機のメンテナンスを新たな沖縄の産業に育てていきたい」と訴えました。また、那覇空港に最終便で到着した際にタクシーを1時間以上待たなければならないことの解消策としてライドシェアの解禁を提案し、そのための規制改革を進めていきたいとしました。
上川陽子候補は、基地関係者による性犯罪について、自身が犯罪被害者対策を進めてきたことを踏まえ、「今後性犯罪を起こさせない」という厳しい姿勢で臨むことを強調。また、空港や港等の整備を進め、アジアに対するハブとしての役割強化を進めるとしました。
加藤勝信候補は全国でワーストの県民所得となっている沖縄県の経済について、国の予算に依存する割合が大きくなっていることから、「逆に国の沖縄県に対する予算を増やすことをばねにして沖縄の経済を拡大させていく」としました。そして、子供の出生率が全国平均よりも高い社会的に特別な事情を考慮し、国立のウェルビーイングセンターの設立を訴えました。
河野太郎候補は沖縄が置かれている安全保障環境に関し、実際に日本と米国で、沖縄や尖閣諸島をどのように守っていくのか、しっかりと説明したうえで安全保障の話をしていかねばならないとしました。また、「子供の出生率の問題はシングルマザーの問題につながっている」とし、シングルマザーを政府で雇用することを提案しました。
石破茂候補はこれまで多くのわが党の政治家が沖縄問題に取り組み、沖縄に負担をお願いしてきたと指摘しました。また、「主権国家として責任を果たしていく」とし、領空・領海侵犯に対しても適切に対処し、国民を守る政府、地方を守る自民党にしていくと訴えました。
茂木敏充候補は沖縄政策に関し、経済政策と外交の観点から訴えました。経済政策では、外為特会の活用や経済成長により、増税なく防衛予算やこども関連政策を実行できると訴えました。外交では、次期米国大統領が決定すれば直ちに日米首脳会談を行い、「タフネゴシエーター」と評された交渉力を発揮すると強調しました。
高市早苗候補は、沖縄科学技術大学院大学(OIST)は既に多くの世界的成果を挙げているにも関わらず、地元でその成果が広まっていない事態を危惧し、世界的成果を産業の種として、沖縄の経済界から新しい経済成長が行われなければならないと強調。さらに、安全保障の観点からも、地元の声を聞き、政策に反映させていくことの重要性を述べました。
小林鷹之候補は、日本全体を底上げするためにも、沖縄県の県内41市町村と連携し、沖縄に産業の塊を作り、それを全国に広げていきたいと訴えました。さらに、離島で豊かな暮らしを営めることこそが重要とし、離島活性化交付金を拡充することを強調しました。