航空自衛隊固定式警戒管制レーダー装置(防衛省ホームページより)
自衛隊では、警戒管制・航空管制・気象レーダー等、さまざまなレーダーを使用しています。一方、カーボンニュートラルの実現に伴い導入が拡大する風力発電設備がこれらのレーダー等に障害を及ぼすおそれに対応するため、陸上風力発電施設の建設を規制する防衛・風力発電調整法が5月17日、参院本会議で可決、成立しました。
レーダーへの影響防ぐ
風力発電の導入は毎年上昇傾向にあります。わが国は2050年カーボンニュートラルを表明し、今後も再生可能エネルギーの一つである風力発電のさらなる促進が見込まれます。
一方で、航空自衛隊では、空からの外敵の侵入を防ぐため、固定式レーダーを設置するレーダーサイトを全国28カ所に配置し、24時間365日空域を警戒・監視する等、レーダーはわが国の安全保障にとって欠かせないもの。洋上風力発電では、自衛隊と事業者が調整を行うための法令として再エネ海域利用法が存在するのに対し、陸上風力発電では規制がないことが課題になっていました。
今般の防衛・風力発電調整法は、厳しさを増す安全保障環境の中で自衛隊の円滑な運用の確保と、カーボンニュートラルに向けた風力発電の導入促進との両立を図ります...
風力発電導入量の推移(エネルギー白書2024より引用、抜粋)