5月27日、韓国で開催された日中韓サミットに参加し尹錫悦韓国大統領(中央)、
李強中国首相(右)と握手を交わす岸田文雄総理(左)
日中韓3カ国は、世界のGDPの2割超を占めているようにアジアの成長をけん引する存在でありながら少子高齢化や環境問題等、共通の課題も抱えています。本年、日中韓3カ国協力が25周年を迎えた。岸田文雄総理は5月26・27両日、韓国を訪問し、4年半ぶりにして9回目の開催となる日中韓サミットに出席し、韓国の尹錫悦大統領、中国の李強首相による3カ国の首脳会談のほか、個別に両首脳と会談しました。
日韓・協力関係をさらに前へ
日中・ブイの即時撤去求める
岸田総理は「3カ国協力を拡大し、国際社会を分断と対立ではなく協調に導くため互いに知恵を出すべき」と述べ、両首脳と未来志向の幅広い日中韓協力について議論しました。
前回の同サミットから一層、国際情勢が厳しさを増す中、国際秩序の維持・強化に向け、経済や安全保障等、幅広い分野で協力を進める共同宣言を採択し大きな成果を収めました。
具体的には朝鮮半島における平和や安定、繁栄の維持が共通の利益・責任であることを再確認。さらに、人的交流を重要な柱の1つに掲げ、岸田総理は「将来を担う若者を中心とした重層的な交流こそが日中韓の未来に向けた相互理解と信頼を育む礎」と述べ、令和7年からの2年間を日中韓文化交流年とすることを決定しました。
また、貿易、投資双方で深いつながりのある3カ国の間で未来志向の日中韓FTA(自由貿易協定)の在り方について率直な意見交換を行うことで一致しました。
日韓首脳会談では、シャトル外交の継続と国交正常化60周年を迎える来年に向けて互いに準備を進めていくことで一致。北朝鮮については、日米韓で一層緊密に連携し尹大統領から拉致問題について改めて支持を得ました。
日中首脳会談では、諸懸案について進展を図っていくことを確認。その上で、岸田総理は日本産食品輸入規制の即時撤廃を改めて求めました。また、わが国の排他的経済水域(EEZ)に設置されたブイの即時撤去を求めるとともに、台湾海峡の平和と安定はわが国を含む国際社会にとって極めて重要である点を強調。さらに、南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区等の状況に対する深刻な懸念を表明し、中国での邦人拘束事案に対し早期解放を求めました...