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第91回党大会 岸田文雄総裁 演説(全文)

岸田文雄総裁

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自由民主党 総裁の岸田文雄です。
第91回党大会にあたり、ご挨拶申し上げます。

<政治改革>

現在、一部の派閥の政治資金に関わる問題によって、国民から多くの疑念を招き、深刻な政治不信を引き起こす結果となっております。

党総裁として国民の皆様に心からお詫び申し上げます。

また、本日お集まりの党員・党友・各級議員の皆様には、地域の最前線で、厳しいご批判の声を受け止めていただいておりますこと、大変申し訳なく思っております。

先ほど、党則、党規律規約、ガバナンスコードの改正について、幹事長から報告させていただきました。
自民党としてすぐに取り掛かれるものは、速やかに実行する。
私が本部長として立ち上げた政治刷新本部での議論の成果の第一歩です。

政治資金規正法改正についても、議員本人の責任強化、外部監査の強化、デジタル化による透明性向上の3つの視点から、具体的な準備を指示しているところであり、今国会での法改正を実現していきます。

そして、説明責任を貫徹すべく、引き続き、関係議員に促してまいります。

その上で、先日、幹事長に対し、関係者に対する党としての処分について結論を得るよう指示しました。
不記載の金額や程度、これまでの役職等の議員歴や説明責任の果たし方など、状況を総合的に勘案し、党紀委員会の議論を経て、厳しく対応をしてまいります。

「信なくば立たず。」

政権奪還から12年。
何故、政治資金の収支を明確にするとの当然のルールすら守れなかったのか。そこに緩みや驕りはなかったか、ものを言えない風土はなかったか、深い反省の上に、政治の信頼回復に向けて、私自身が先頭に立って、自民党改革、政治改革を断行することを改めてお約束いたします。

そして、全国の同志の皆様に、「自民党とともに歩んで間違いはなかった」「自民党を支えてきてよかった」と言っていただけるよう、必ず立て直してまいります。

今後、私自身や党幹部が全国にそれぞれ足を運び、党員・党友、国民の皆様の声を聞く、「政治刷新 車座対話(仮称)」を進めてまいります。

<皆様への御礼>

前後いたしましたが、党員・党友・各級議員の皆様の弛まぬご努力に、深く感謝申し上げます。
また先ほど表彰されました党員、団体、組織の皆様、誠におめでとうございます。

本年も、友党・公明党の山口代表、日本経済団体連合会の十倉会長にもご出席賜りました。厚く御礼申し上げます。

<能登半島地震>

さて、今年は、例年になく緊迫した年明けとなりました。

元日に発生した、令和六年能登半島地震。
改めてお亡くなりになられた方々に哀悼の誠を捧げ、被災された全ての方々にお見舞い申し上げます。

重なる困難の中、地元自治体、自衛隊、消防・警察はじめ全国からの応援の皆さまの不眠不休の対応に深く感謝申し上げます。
能登の皆さんの「外に優しく内に強靭な絆の力」に心から敬意を表します。

震災から2か月半。
被災地の実情や被災者の方々に寄り添った復旧・復興に向けて、国を挙げて取り組んでいます。

自然豊かな「能登の里山・里海」を生かした農業や漁業を残していく。
職人の皆さんに輪島に戻ってもらい、輪島塗の伝統をつないでいく。
悲しみを乗越え、前を向いて歩む被災者の皆さんを支えていく。

多くの党員が募金活動など、行動してくださいました。
国民政党として、自民党は、国民とともにある。被災地とともにある。

被災者の帰還、被災地の再生に向けて、「出来ることは全てやる」「やらなければならないことは必ずやる」総理総裁として責任をもって実行してまいります。

そして、今回の災害の教訓も踏まえ、防災・減災対策を更に強化し、災害に強い国土づくりを推進します。

<国際情勢>

本年に入り、国際社会は「混沌」の度合いを高めています。

ロシアの侵略開始から2年が経つウクライナ、アフリカをはじめとする世界各地の食料不安やエネルギー問題、不透明な中東情勢とガザ地区の人道状況、核兵器の開発や使用をめぐる言動が不安を煽っています。

東シナ海や南シナ海における力による一方的な現状変更の試みや、北朝鮮による核・ミサイルの脅威も増大しています。
拉致問題の解決は待ったなしの最優先課題です。
北方領土問題も忘れてはなりません。

世界中で争いの火種がくすぶる中で、我が国の安全を断固守りぬくとともに、世界の平和に責任を果たしていかなくてはなりません。

それができるのは誰か?
激動する国際社会に対応できるのは誰なのか?

自公の安定した連立政権以外にはありません。
憲法観も安全保障観もバラバラの野党に任せるわけには絶対にいかない。

戦後最長の4年7ヶ月外務大臣を、そしてこの約2年半内閣総理大臣を務め、首脳外交にあたってきました。
昨年はG7広島サミットを主催させていただきました。

この経験と各国首脳との関係を最大限に活用して、日本の安全と世界の平和のために責任を果たしていく覚悟です。

<経済>

二年半前の総裁選では、コロナの克服とともに、経済、外交、日本の未来に向けたお約束をし、全身全霊、実行・実現してまいりました。

第一が、国民の可処分所得の向上です。
政権発足以来、「新しい資本主義」を掲げ、成長と分配の好循環のため、新たな官民連携の理念のもと、賃上げ・投資促進、科学技術イノベーションに力を注いでまいりました。

賃上げや設備投資は30年ぶりの水準。
株価は史上最高値を更新しました。
今年は、この前向きな動きを定着させる勝負の年です。

何よりも重要なのは、「物価高を上回る所得の実現」です。
今年の春闘の第一次集計では、33年ぶり、かつ、昨年を大幅に上回る5%を超える賃上げが実現し、「新たな資本主義」への扉が開こうとしています。

30年間続いたデフレ志向、縮み志向と完全に決別するため、ここで手を緩めるわけにはいきません。

医療・介護の現場では新しい賃上げの仕組みを入れました。
建設や物流業界では構造的な賃上げのための新法をこの国会に出しています。

6月には、一人4万円の減税を行います。
民間の力強い賃上げを減税で下支えし、物価高を上回る所得を国民お一人お一人に必ず実感していただきます。

「賃金があがることが当たり前だ」との意識が行き渡れば、日本経済は必ず再生します。
みんなでこのチャンスを掴み取ろうではありませんか。

<安全保障、エネルギー、経済安全保障等>

お約束の第二が、防衛力の強化です。
国民の命と我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜くため、五年間で四十三兆円の防衛力整備の水準を確保し、防衛力の抜本的強化、倍増を決定いたしました。
同盟国、同志国との連携も更に強化していきます。

第三が、グリーン政策の推進です。
国際的エネルギー危機の中で、国民生活を守るため、安定供給と脱炭素を達成すべく、再エネも原子力もしっかりと活用していく政策へ舵を切りました。
今後、官民連携で150兆円のGX投資を着実に実行します。

そして第四に、経済安全保障の強化です。
既に施行させた経済安全保障推進法に加え、今国会で、セキュリティクリアランス制度の創設へ新法を成立させ、具体的な運用を開始していきます。
サイバー対応能力向上にむけた法案も、可能な限り早期にお示しします。

さらに、食料安全保障の観点を踏まえ、農政の憲法である「食料・農業・農村基本法」について、制定以来、初めて本格的に改正します。
世界的な需給変動、環境問題、担い手不足など、地域の基幹産業である農業をめぐる課題を克服し、地域の成長へとつなげていきます。

人口減少・少子化問題も日本の社会・経済の持続可能性に関わる問題です。
こども・子育て支援策の強化も、児童手当の抜本的拡充、高等教育の負担軽減、保育所の76年ぶりの配置改善、児童扶養手当の拡充など、本格実施のステージに入ります。
今国会で法案を成立させ、遅滞なく実行してまいります。

<政治姿勢>

政治とは実行です。
約束したことは、必ずやり遂げる、そして、次の課題を見つけ取り組む、その繰り返しが政治です。
こうした営みを脈々と果たしてきたからこそ、我々は、過去も現在も政権を担わせていただいている。
そのことを深く自覚して、引き続き、政策遂行に全力を挙げていきます。

<憲法、皇位継承>

政策遂行の先に目指すものは何か。

我が日本は、極東の小さな国といえども、四季折々の魅力ある風土、脈々と流れる歴史と伝統、勤勉な国民性、高い技術力、そして世界をリードする気概、世界から尊敬を集める存在です。

私は、このかけがえのない日本を、次代に着実に引き継いでいきたい。
そのために、政治とカネの問題に毅然と取組むとともに、政策を遂行していきます。

そして、党是である憲法改正について、総裁任期中に実現するとの思いの下、今年は、条文案の具体化を進め、党派を超えた議論を加速してまいります。

また、安定的な皇位継承等への対応についても、皇族数確保のための具体的方策等を取りまとめ、国会における検討を進めてまいります。

<結び>

来月には、補欠選挙が行われます。
政策遂行が政治の一つの姿であるとすれば、選挙はもう一つの姿です。
我が党への厳しい御意見を認識しつつも、全力で戦い抜いてまいります。

我が党には幾度の困難を乗り越え、その度に、自らを変えてきた歴史があります。

こんなにも多様な人材がいる。
数多くの政策を実現してきた実績がある。
地域の声を吸い上げてきた歴史がある。
議論を尽くした上で、一端決めれば一致団結する伝統がある。

我が国は今、国の内外に日本の未来を決めるような課題山積です。
自民党でなければならない。だからこそ自民党は変わらなければならない。
我が党が国民の信頼を回復し、政策を前に進めていく。
それこそが、日本の明るい未来につながる唯一の道と確信をいたします。

その先頭に立ってまいります。
皆さんのご協力を切にお願いし、私の挨拶とさせていただきます。

本日は誠にありがとうございました。

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