令和6年度税制改正では子育て世帯・若者夫婦世帯への支援を拡充します。危機的な状況にある少子化の流れを変えるため、子育て世帯や、これから子供を産み育てようとする若者夫婦世帯の住環境を豊かにします。「子供が増えて広い住宅を新築したい」「子育てに対応するリフォームが必要」といった子育て・若者夫婦世帯を税制面でも支援します。
子育て世帯等の借入限度額を拡充 住宅ローン減税
住宅ローン減税とは、住宅ローンを利用して住宅の新築・取得または増改築等をした場合、最大13年間、各年末の住宅ローン残高の0.7パーセントを所得税額等から控除する制度です。所得税から控除しきれない場合、翌年の住民税から控除されます。例えば、住宅ローン残高が4千万円だった場合、28万円が所得控除されます。
今回の税制改正では子育て世帯や若者夫婦世帯を支援する観点から、同世帯が令和6年に新築住宅等に入居する場合に限って借入限度額を拡充。住宅価格が上昇している現状を踏まえ、子育て世帯等に一段と手厚い措置を講じます。
また、「駅近」といった利便性がより重視される傾向を踏まえ、新築の床面積要件も通常が50平方メートル以上であるところ、合計所得金額が1千万円の者に限り、40平方メートル以上に緩和する措置を延長します。
一定の省エネ基準満たす住宅が対象
令和6年1月から住宅ローン控除は、原則として一定の省エネ基準を満たした住宅のみが税制優遇の対象となる制度になりました。
最も借入限度額が大きい「認定」とは「認定長期優良住宅」および「認定低炭素住宅」のことを指します。
「ZEH(ゼッチ)」とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略語で、日本住宅性能表示基準における断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上の性能を満たす高い省エネ性能を有する住宅が該当します(太陽光パネルの設置は要件ではありません。)
「省エネ」は「省エネ基準適合住宅」で、日本住宅性能表示基準における断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上の性能を有する住宅が該当します。
子育てしやすい環境整備を支援 住宅リフォーム減税
既存住宅をリフォームした際に工事費用の10パーセントを税額控除する住宅リフォーム減税。これまで耐震化やバリアフリー改修等が対象でしたが、令和6年度税制改正大綱では一定の子育て対応改修工事を対象に加えました。子供が増えて住環境を変える必要がある世帯に対応した拡充です。
具体的には(1)住宅内の子供の事故を防止するための工事(2)対面式キッチンへの交換工事(写真)(3)開口部の防犯性を高める工事(4)収納設備を増設する工事(5)開口部・界壁・床の防音性を高める工事(6)間取り変更工事(一定のものに限る)――が対象です。
18歳以下の扶養親族を有する者や、自身もしくは配偶者のいずれかが39歳以下の者が対象となります。
対象工事額は最大250万円で最大控除額は25万円となります。