北朝鮮が軍事偵察衛星発射に成功をしたと発表 全国紙の危機意識は共有も阻止策には隔たりが
「偵察衛星」はそれ自体に攻撃性はないし、日米韓だってすでに保有しているか、保有予定である。それなのに、なぜ北朝鮮の偵察衛星発射に激しく目くじらを立てるのか。恐らく、北朝鮮が挑戦的な国で、まだ朝鮮半島の武力統一をあきらめていないとの懸念があるからであろう。70年前の朝鮮戦争は現在に至るまで「休戦状態」でしかなく、軍事バランスが崩れれば、いつでも戦端が開かれる可能性がないとは言えない。 軍事偵察衛星の役割は、相手国の上空から画像を撮影し、電波を傍受すること。北朝鮮が米軍や韓国軍の詳しい動向を衛星で掌握すれば、有事の際に基地や司令部等の目標地点を正確にたたくことができる。北朝鮮の保持は相対的に米韓軍の抑止力低下につながるし、軍事的優位を感じれば、開戦の誘惑にかられることもあり得よう。すなわち、西側の偵察衛星は防御的であっても、北朝鮮のものは多分に攻撃的な要素を孕(はら)んでいるのである...