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お知らせ「自由民主」先出し農林水産秋田県

「あきたこまちR」全面切り替えへ 安全性に問題ありません

「放射線育種」は一般的な品種改良の手法

「あきたこまちR」全面切り替えへ 安全性に問題ありません

秋田県は「あきたこまち」を品種改良し、カドミウム吸収性が極めて低い「あきたこまちR」に令和7年度から切り替える方針を公表しました。「あきたこまちR」は、国が放射線育種によって品種改良した「コシヒカリ環1号」を交配し、その後、あきたこまちを、特定の形質をほかの品種から取り入れつつ、片親の品種特性に限りなく近付ける「戻し交配」を7回行って作られた新品種です。この放射線育種による品種について、一部の政党が安全性に問題があるとする、科学的根拠に基づかない主張をSNSや動画投稿サイトに展開しています。こうした誤った認識による主張で誤解が広がることは、風評被害そのものです。

自然界の作用を効果的に活用

放射線育種は、昭和30年代から行われている一般的な品種改良の手法です。自然界では宇宙や大地、あるいは植物体内部からの自然放射線があり、植物はこれらの作用により突然変異が起こることがあります。これと同様の効果を短期間に得る手法が放射線育種です。
放射線育種では、これまでも草丈が低い耐倒伏性、耐冷性の水稲「レイメイ」や、黒斑病抵抗性を持つナシ「ゴールド二十世紀」等が育成されてきました。
「コシヒカリ環1号」は、放射線を1度だけ種子に照射した「コシヒカリ」からカドミウム低吸収性を持つ個体を選抜し、放射線を照射した世代から少なくとも6世代以上、栽培、選抜を進めて育成した品種です。
放射線照射は、がん治療でも一般的に行われていることからも分かるように、単に放射線を照射することによって、照射された植物の安全性に問題が生じることはありません。

カドミウム吸収性が低い新品種へ

秋田県はもともと鉱山が多かった地域で、そこから流れ出た重金属のカドミウムが土壌に含まれていることがあり、コメを栽培する上で、カドミウム対策が必要となっています。「あきたこまちR」はカドミウム吸収性が従来の品種と比べて極めて低く、これまで稲の穂が出る時期に長期間水田に水を張るといったカドミウム吸収抑制のための管理が不要になります。「あきたこまちR」は収穫量や食味といった特徴は、従来の「あきたこまち」と同じものです。
秋田県では、カドミウム吸収性が低く、安全性がさらに高まることによって、海外のより厳しい基準にも十分に対応できる「あきたこまちR」への全面切り替えを進め、国内はもとより、海外への販路拡大も図りたい考えです。
食の安全を守る上で、科学的知見に基づいた正しい理解が消費者に求められることは言うまでもありません。農林水産省や秋田県では「放射線育種」や「あきたこまちR」について正しい情報を提供しています。科学的根拠に基づかない主張によって、あたかもわが国の食の安全が脅かされているかのように消費者に対して誤解を与えるような言動には注意を払う必要があります。

「あきたこまちR」の詳しい情報は秋田県のウェブサイト

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