
紙の保険証で良いのか
マイナ保険証のひもづけミスが大きく報道され、マイナンバー制度に対する国民の不安は募るばかりだ。もちろん、ミスは無い方がいいが、人手による入力作業でヒューマンエラーを完全にゼロにすることは不可能だ。政府はただちにミスを最小化する対策を講じ、ヒューマンエラーが起こる前提でのルール作りに取り組むべきだ▼では、今までの紙の健康保険証にはミスはなかったのか。厚生労働省の報告書で明らかになった数字は、支払基金および国保連合会において、年間で合計約20億件の受付件数があり、そのうち約500万件(約0.27%)の資格過誤(ミス)が発生している。一方で、マイナ保険証のひも付けミスは約8500件(1.2億人の約0.007%)。ケタ違いなのだ▼速やかにひも付けミスを訂正し、医療のデジタル化を推進すれば、毎年500万件もの資格過誤の防止にも絶大な効果がある。ミスをその都度訂正しながら、マイナ保険証をやり遂げることが、資格過誤や成りすましの防止だけでなく、国民皆保険制度の維持、さらには国民のためになると確信している。