「CCS」令和12年までに事業化へ
北海道苫小牧市のCCS大規模実証実験センター
二酸化炭素(CO2)を削減する方法として注目されているのが、排出されたCO2を集めて地中に貯留するアイデアです。「CCS」と称されるCO2回収・貯留を令和12年までに事業化することが、政府が定めたGX実現に向けた基本方針に盛り込まれました。
実証実験で実現可能性を確認
「CCS」とは、「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、日本語では「二酸化炭素回収・貯留」技術と呼ばれます。発電所や化学プラント等から排出されるCO2を他の気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入する技術のことです。
大気中に放出されるCO2を集めて、地中に埋めるCCSはカーボンニュートラル実現に向けて将来が期待される技術と注目を集めていますが、かつては「埋めたCO2が漏れ出すことはないのか」「地震への影響は」とった懸念や、コスト面の問題から懐疑的な見方もありました。
わが国では平成24年から北海道苫小牧市で大規模な実証実験を進めてきました。製油所から排出されるCO2を集め、泥岩等の気体を通さない地層の下にある、海底からの深さ約1キロメートルにあるすき間の多い砂岩層に圧入しました。同28年から地中への圧入を開始し、令和元年11月に当初の目標だった30万トンの圧入を達成しました。