昭和30年に放映された、長崎市の端島(軍艦島)を取り扱ったNHK短編映画「緑なき島」を巡り、党外交部会(部会長・堀井巌参院議員)、日本の名誉と信頼を確立するための特命委員会(委員長・有村治子参院議員)は6月19日、合同会議を開き、一般財団法人「産業遺産国民会議」の専務理事を務める加藤康子氏と元端島島民、NHKからヒアリングを行いました。
当時の端島炭坑の様子について説明した
加藤康子氏と、証言を行った元島民の田中実夫氏(88)・中村陽一氏(85)
「緑なき島」では、端島炭坑内でふんどし姿の作業員がキャップランプ(安全灯)を装着せずに作業している様子が映っており、韓国メディアは、旧朝鮮半島出身労働者が戦時中に非人道的な強制労働を受けたとする根拠にしています。
一方、元島民らの証言や歴史資料等を調査している加藤氏と、当時、実際に端島炭坑で作業していた田中実夫氏(88)は、「作業着を着用せずに作業することはなく、キャップランプ無しで作業することも不可能」等と主張。「緑なき島」の炭坑映像は「端島炭坑のものでない」との見解を改めて示しました。
同主張を受けて調査を行っていたNHKは、新たに、炭坑内を撮影したフィルムが戦後10年経過した「昭和30年に製造された」ものであり、映像も「昭和30年に撮影したものと判明」したと明らかにしました。
同映像は戦時中の様子ではないことがわかり、出席議員らからは「当時の映像が不正確だったとする訂正声明を出すべき」等と要望する声が相次ぎました。