
昨年4月23日に北海道知床沖で発生した小型船舶「KAZU I」の沈没事故を踏まえ、政府与党では今国会に海上運送法改正案を提出し、4月13日の衆院本会議で可決、参院に送付されました。同法は旅客船における安全管理体制の厳格化や、行政による監査・罰則の強化等を図るもので、併せて「釣り船」の運航安全対策を定めた遊漁船法の改正案も国会に提出しています。政府与党では「海のレジャー」の安全・安心を守るため、予算措置も含めた対策に乗り出しています。
運行管理者の試験制度を導入
海上運送法法改正案は、事業所の経営層に当たる安全統括管理者や、船舶運航の責任者である運航管理者の資格要件について見直します。今までは一定の実務経験があれば資格が付与されていましたが、改正案では新たに試験制度を追加し、関係法令や海事知識等について確認した上で資格を付与します。遊覧船といった小型船舶の事業許可についても、安全人材確保計画を作成させた上で5年ごとの更新制を導入。これにより、安全意識の低い不適格者を排除するとともに、事業への参入を防ぐ考えです。