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脱炭素へ都市鉱山の有効活用を

使用済み小型家電等の廃電子基板は貴重な金属の宝庫

環境省はこのほど、循環型社会に向けた工程表を公表し、その中で使用済みの小型家電や蓄電池等の「都市鉱山」から金属を取り出してリサイクルする量を令和12年度までに倍増する政府方針を改めて記載しています。ここでは都市鉱山の知られざる可能性と、その有効活用に向けた国内での取り組みを紹介します。

都市鉱山の膨大な埋蔵量で
わが国は世界有数の資源国

カーボンニュートラル(脱炭素)の成否を大きく左右する電気自動車(EV)や蓄電池の生産にはリチウム、コバルト、ニッケルといったレアメタル(希少金属)や銅、鉛等が大量に使われる一方、そのほとんどを輸入に依存するわが国にとって安定的な確保は重要な課題です。これらの金属は世界的な脱炭素の潮流やウクライナ情勢に伴い価格が高騰するとともに、その一部は産出国が政情不安や資源ナショナリズムの高まりといったカントリーリスクの高い国に偏在(別掲)しています。
都市鉱山の特徴は、金属含有率の高さと埋蔵量の多さです。環境省によると例えば、自然の金山から採られる金鉱石1㌧当たり約5グラムの金が含まれていますが、使用済みの携帯電話1㌧から回収できる金は約280グラムにも上ります。また、金は世界の推定埋蔵量の16%に匹敵する量が日本の都市鉱山に眠っているとされ、こうしたわが国の都市鉱山と世界の天然資源の埋蔵量を比較すると、日本は世界有数の資源国になります。都市鉱山から回収した金属を活用し、脱炭素につなげていくことが時代の要請です。

主なレアメタルの年間生産量の国別シェア

脱炭素へ都市鉱山の有効活用を

こちらの記事全文は「自由民主」インターネット版に掲載されています。
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