2026年5月14日(木)
於:党本部平河クラブ会見場

会見を行う小林鷹之政調会長

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【冒頭発言】

連休明け初の定例記者会見ということで、いつもより少しご報告させていただく量が多くなっております。まず本日朝、政調審議会が開かれまして、案件が3つございました。
まず1つ目でございますが、いわゆる刑訴法の改正、再審法の改正というものであります。再審法につきましては、これまで法務部会・司法制度調査会において、精力的な議論が積み重ねられてきました。ある意味、自民党らしい侃々諤々の議論、活気のある議論を続けていただきました。取りまとめに尽力いただいた、政務調査会の鈴木 馨祐 司法制度調査会長と藤原 崇 法務部会長をはじめ、関係した同僚議員の尽力に私自身感謝をしております。先ほど与責で了承もされました。今国会の法案成立に向けて、各党の理解を得ながら合意形成をしっかりと図っていきたいと考えております。その上で、私自身、政務調査会長という立場で平場の議論にはあえて出ておりませんが、1つ1つの合同会議で如何なる議論が行われたかというのは、丁寧にフォローアップをしながら見てまいりました。また、調整にも携わってまいりました。言わば「積み木」をやっているような感覚でございまして、様々な立場の方が色んな想いを持ってこの議論に参画をされておりましたが、少しでも積み木を高く積み上げるべく努力をしてまいりました。時として、各方面からそよ風が吹いたり、地面が少し揺れるのではないか、というようなこともあって、非常に難しい議論を続けてまいりましたが、最大限のところまで積み上げた自負がございます。
これから、与党の中で了承された成果物、この法案を明日政府において閣議決定なされると考えておりますが、しっかりと、国会の中で崩れることなくガッチリと、気持ちを込めて成立に向けて努力をしていきたいという強い思いであります。
そして、本日、政調審議会は他2つ案件がございます。1つは経済安保本部の提言でございまして、今年改定をされる予定の国家安保戦略に打ち込んでいく党としての考え方であります。非常に重要な提言でございますので、ぜひマスコミの皆様には注目いただきたいと思います。党の方からも今後丁寧に1つ1つのパートについて発信をしていきたいと考えております。一番重要なところ、考え方でどこかというと、「社会全体の持続的対応能力の確保」ということであります。いわば国家安保戦略を含めた防衛3文書を議論するに当たって、とかく世の中の関心というものは、自衛隊の能力を如何に強化するのか、防衛装備品の移転や防衛産業の強化、こうしたものをどうやって強化するのかというところに関心が集まりがちです。当然、ここの分野については極めて重要なものでございますが、それと同時に意識をしなければいけないことは、自衛隊の継戦能力、戦いを続けられる能力は、国民の皆様の理解や、国民の経済活動・社会活動の持続性というものを超えて自衛隊だけが存在するということはあり得ないので、自衛隊のところだけに焦点を当てるのではなく、社会全体のレジリエンス、強靱性にも目配りをしながら、大局的見地に立って国家安全保障戦略を作っていく。その視点を絶対に忘れてはいけないということを党として打ち出したものでございますので、ぜひ後ほど公表させていただくので注目をいただければと思います。
もう1点の政調審議会の案件というのが、国家サイバーセキュリティ戦略本部の提言であります。これについても様々なことが書いておりまして、一言で申し上げると、いわゆるアクティブ・サイバー・ディフェンス、能動的サイバー防御の法律が成立してから、しばらく経ったわけでございますが、この間、生成AIをはじめとするAIの急速な発展があったわけであります。こうしたものをしっかりと踏まえた上で、今後の制度設計というものをさらに具体的にやっていくということ。 そして先般、Anthropicの「Claude Mythos」のサイバーセキュリティに関する話題が連日報道されております。極めて能力が高いAIということで、アメリカにおきまして、まずは金融界を皮切りに、金融界を対象に「Project Glasswing」というものがスタートしたわけでありますが、今回日本におきましては、アメリカには遅れることとなりましたが、世界の中でもかなり迅速なスピードで、同様の日本版「Project Glasswing」のようなものを党主導で立ち上げてまいりました。平 将明 本部長を中心に、党が主導して、金融のみならず他の基幹インフラに対しましても、AIの発展を踏まえた形でのサイバーセキュリティのあり方、これを国と産業界がしっかりと連携する形で進めていく枠組みを党の方から提言をし、そして先日、金融界を対象に片山金融担当大臣にも音頭を取っていただいて、すでに枠組みをスタートしたというところでございますので、こうした点についても提言を書かせていただいておりますので、注目いただければと思います。
そして、政調審議会以外の案件であります。皇位継承につきましては、明日全体会議が行われる予定となっております。約1ヶ月前にわが党をはじめ各党・各会派から意見表明が行われまして、明日の第2回目で中道改革連合の意見表明が行われる予定となっております。その上で、衆参正副議長のもとで取りまとめに入るものと承知をしております。わが党の立場というのは、政府有識者会議の報告書と軌を一にしております。悠仁親王殿下までの継承を堅持しつつ、皇族数を確保するため、旧11宮家の男系男子孫を養子に迎える方策と、内親王・女王殿下が婚姻後も皇族の身分を保持するが、配偶者そして子には皇族の身分を付与しないというのが、わが党の案でございます。 わが党の案につきましては、昨年度、麻生副総裁を中心に党としてまとめた考え方でありまして、高市総裁をはじめ、党全体で共有をしながら全体会議にも臨んでいるところでございます。いずれにしても、この特別国会において皇室典範改正の確実な実現を図ってまいります。
次に、出張報告でございます。4月29日から5月5日にかけまして、江島 潔 政調会長代理、勝目 康 政調会長特別補佐とともに、ナイジェリアそしてインドを訪問してまいりました。ナイジェリアは、アフリカ最大の人口を有する西アフリカ経済の中心国であります。日量150万バレルを産出するアフリカ最大の産油国であると同時に、天然ガス、リチウム、錫、タンタルなどの豊富な重要鉱物資源を要する国でもございます。 外務大臣、官房長官、石油資源国務大臣、予算経済計画大臣といった閣僚や、ナイジェリアのLNGを管轄する代表的な会社のCEO、またアフリカ最大の財閥であります、ダンゴテ・グループのアリコ・ダンゴテ会長らと会談を行いました。中東情勢を踏まえ、原油・石油製品の代替調達先を多角化することなどについて協議をしてまいりました。特にアリコ・ダンゴテ会長とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはベンゼン、あるいは尿素、こうしたものについて日本に融通できるという具体的なお話もいただきまして、関係省庁とすぐに共有をしたところでございます。また、この会長が7月訪日予定となっておりますので、良い機会であり、アフリカに向けて日本がしっかりとメッセージを発信していく、あるいは関係を構築していく良い機会でございますので、ぜひ関係企業あるいは省庁との面会の場というものを作っていければと考えております。
インドでは、様々な方とお会いしましたが、まず政権与党であるBJP、インド人民党のナビン総裁と面会をいたしました。その際、BJPと自民党との定期交流を前向きに進めるという方向で一致をいたしまして、河野 太郎 国際局長とも相談をしながら具体化を図っていきたいと考えております。 また、その他にも、ゴヤル商工大臣、プリ石油天然ガス大臣、バイシュナウIT担当大臣、国防次官、外務次官らと会談を行いました。インドからも、インドはエネルギーの消費国ではありますが、調達した原油を使って、ナフサあるいはその他の石油製品に対する調達の供給の余力があるということで、これについても、今後の具体的な日本にとっての調達の話をさせていただきまして、これも政府と共有をしたところであります。
いずれにしても、いわゆる「グローバルサウス」と呼ばれる国の代表となる2カ国を訪問してまいりまして、先日、高市総理がベトナムでFOIPの進化について演説をされたわけでございますが、この方向に沿って党としても外交をやっていきたいと思っております。
最後に、中東情勢でございます。今、米中の首脳会談が行われたところでありますが、そこの話題にも上っていると承知をしております。この中東情勢については依然として予断を許さない状況でありますが、党外交を活発化させるべく、大型連休の後にGCCの6カ国の大使などと面会をし、今朝はイスラエルの大使と面会をさせていただきました。政府の外交も大切だと思いますが、自民党として国民生活を如何に守り切るのか、また中東情勢を如何に沈静化していくのか、他人事ではなく自分事として自民党が率先して動いていく。そうした積極的な外交を展開していきたいと考えております。少々長くなりましたが、冒頭、私からの報告は以上です。

質疑応答

Question
朝日新聞です。
電気・ガス代の補助について伺います。政府が夏の補助の再開について検討しているとの報道がありますが、政調会長は必要性について、どうお考えか。また、それに関連して、補正予算の編成や総合経済対策の策定の必要性についてのお考えもお願いします。
Answer
報道については承知しておりますが、私から申し上げられることは、中東情勢に関する物価高騰への対応などにつきましては、連休前に自民党として緊急提言第2弾をまとめまして、あくまで国民の生活と経済を守り抜くために必要だと私たちが考える政策メニューを総理に提言したところでございます。この提言に基づきまして、今、物価高騰あるいは現場で生じている様々な目詰まり、こうしたものを解消していくことで国民生活に影響がないように、政府と連携をしながら必要な対応について万全を期していく、そのことに尽きると考えております。
Question
テレビ朝日です。
アメリカ、イラン、GCC、それからイスラエルの大使との会談についてお伺いします。小林会長、戦争を続けている双方から意見を聞いたわけですが、今後の情勢の見立てについてどのように見ていらっしゃるのか、それから聞いた内容を今後党の政策にどのように反映していくか、特に第3弾の提言というのも考えているのか教えてください。
Answer
第3弾の提言につきましては、まず第2弾の提言の中身というものをしっかりと実行していくというのが先決だと考えております。当然、事態は推移していくもので、最初の質問にも被りますが、なかなか先を見通せない状況であることは確かだと考えております。従って、そこは状況を注視しながら、必要があれば第3弾の提言を出していきたいと、そこの可能性は排除いたしませんが、まずは連休前に出した政策提言の中身を実行していくということに尽きると考えております。
そして、中東情勢の今後については予断を持って申し上げることは難しい、すべきでもないと考えておりますが、やはりアメリカ、イラン、GCCの6カ国、このGCCの6カ国といっても、中においてもやはり中東情勢に向き合うスタンスというのは必ずしも一致はしていない。そして、イスラエルの今日の朝の大使との面会。共通して言えることがあるとすれば、できる限り早く事態を沈静化させていくということでありますが、ただ、それぞれの国益が複雑に絡んでおりますので、この点については注視していくというのは当然のことでありますが、日本として受け身ではない、能動的な外交というのを引き続き展開いただきたい。党としてもできる限りの外交努力は続けていきたいと考えています。
Question
毎日新聞です。
刑事訴訟法について2点お伺いします。まず今回の法案の中身についてですが、野党側の理解を得られるものになったかどうかというところ、具体的に言いますと、再審における抗告原則禁止を本則に盛り込んだ内容について、どう評価されているかというところと、国会の方では参院では少数与党の状況がまだ続いていまして、今後成立に向けて党として野党とどのように調整を図っていくかをお聞かせください。
Answer
検察官による即時抗告の原則禁止というところにつきましては、これまで、そもそも再審法で、刑訴法の中で再審に関する手続きというものが、あまり明確に具体化されてなかったわけでございますが、今回その原則と例外というものがある意味逆転したということ。そして本則にしっかりと書き込んだというところ、この点については非常に大きな変化だと受け止めております。これによって、いわゆる検察が即時抗告をするハードルというものは、確実に上がったというふうに受け止めています。
私たちは様々な関係者の意見を、先ほど申し上げた「積み木」で最大限高く積み上げてきたつもりであります。あとは参議院のみならず衆議院におきましても、1つでも多くの野党の皆さんのご理解をいただけるように努力をしていきます。法務省に対しましては、国会審議の場を通じて真摯に誠実に答弁をいただく、対応をいただく、そのことを求めたいと考えております。
Question
北海道新聞です。
政治資金規正法の改正案についてお伺いします。党としては昨年、企業・団体献金の受け手を政党支部に制限し、さらに収支報告書のオンライン提出を義務付ける法案を提出したと思いますが、衆議院の解散で廃案になっているところだと思います。今国会でも再び改正案を提出する予定があるのか、もしあるとすれば同じ内容になるのか、どういう内容になるのかと、提出スケジュールとあわせてお願いします。
Answer
これは幹事長室のラインを中心に検討がなされていると考えております。国会との関係におきましては、私のところではなく国対を含めて様々考えていると思いますので、私から今日申し上げることは控えておきたいと考えております。