
皆さまこんにちは。自由民主党総裁の高市早苗です。本日は、立党70年を迎えた私たち自民党の「第93回党大会」を、盛大に挙行することができました。総裁として、喜びに堪えません。
まずは、本日ご臨席を賜りましたご来賓の皆様、先程お出かけになりましたが、友党 日本維新の会の吉村さん・藤田共同代表、そして今も居てくださっております経団連の筒井会長には、日々の党運営に多大なご協力をたまわっております。深く感謝申し上げます。ありがとうございます。
そして、全国からお集まりいただきました党員・党友・議員の皆様にも厚く御礼を申し上げます。また、開催にご尽力下さいました役員各位、党職員の皆様、ありがとうございます。そして、先ほど表彰されました党員・組織・団体の皆様、誠におめでとうございます。今後とも、益々のご活躍をお願い申し上げます。
「政治は国民のもの、即ちその使命と任務は、内に民生を安定せしめ、公共の福祉を増進し、外に自主独立の権威を回復し、平和の諸条件を調整確立することにある。われらは、この使命と任務に鑑み、ここに民主政治の本義に立脚して、自由民主党を結成し、広く国民大衆とともにその責務を全うせんことを誓う」
1955年11月15日。自由民主党は、高らかに宣言しました。終戦から10年。前年の54年から、いわゆる「神武景気」と呼ばれる好景気が始まっており、55年には、実質GDPが戦前の水準を上回りました。そして、翌56年には、「もはや戦後ではない」と宣言されました。新たな経済成長を成し遂げるべき大事な時期に立党された自民党は、「国民生活の安定」と「公共の福祉の推進」、すなわち「強い経済」の構築を政治の使命として掲げました。
「保守合同」により、「政治の安定」が達成できていたことも、経済政策面において大きな意義を持つものでした。日本は、官民一体となって、高度経済成長の急な坂を懸命に登り、世界第2位の経済大国となることができました。政策的にも、「所得倍増計画」「日本列島改造論」など、自民党は一定の貢献を果してまいりました。90年代以降、日本経済は、長きにわたるデフレに陥りましたが、わが党は「アベノミクス」により、GDPや企業収益の拡大に貢献しました。
立党した1955年。主権回復から3年が経過していましたけれども、いまだ国際連合への加盟は認められず、国際社会への復帰はわが国の悲願でした。また、前年の54年に自衛隊は発足していましたけれども、「存在自体が違憲である」と、こういった一部の世論もあり、その運用には大きな制約が課されていました。
こうした状況もあり、立党宣言では、「自主独立の権威」を「回復」することが、もう一つの政治の使命だと謳っています。すなわち、「強い外交・安全保障」の構築です。国連への加盟は、翌56年末に承認され、その後、わが国は国際社会において重要な地位を確保するに至ります。
近年では、安全保障面でも、「国家安全保障会議」の設置、『平和安全法制』の成立、『戦略3文書』の策定など、累次の強化を図ってまいりました。しかしながら、70年を迎え、立党時に目指した「自主独立の権威を回復」をすることができているのかどうか。私たちは、今一度、自らに問いかけなければなりません。
立党から70年が経ったいま、当時と同じく、再びわが党に求められているのは、「強い経済」の構築と、「強い外交・安全保障」の推進です。今年2月、「政権選択選挙」である衆議院選挙において、自民党は、「責任ある積極財政」への「経済財政政策」の大転換、安全保障政策や政府のインテリジェンス機能の強化など、国論を二分する政策を公約に掲げました。
そして、わが党は、316議席という過去最多の議席数をたまわることができました。国民の皆様から、「重要な政策転換を、何としてもやり抜いていけ」と、力強く背中を押して頂けたと考えています。
大切なことは、自民党が衆議院選挙で掲げた『政権公約』。国民の皆様との大切なお約束であるこの政権公約にある政策を一つ一つ実現していくことです。そして、今年、いくつの公約を実現できたか、来年、いくつの公約を実現できるのか。 それが、党勢の拡大、そして、本年控える各級選挙をはじめ、来年の統一地方選、再来年の参議院選挙での自民党への信頼につながります。
私が目指すのは、国でも地方でも選挙に勝ち続ける「強い自民党」をつくることです。長い歴史を持つ「国民政党」として、全国各地で国民の皆様の切実なお声をガッツリ受け止め、国や地方の政治の場で必ず果実を生み出せるように、ともに働いてまいりましょう。
日本を守り、未来を拓けるのは、「強い自民党」です。私が先頭に立ちます。ご一緒に、自民党を、どこまでも強くしましょう。それは国民の皆様のため、日本国のためです。
私は、国の究極の使命は「国民の皆様の生命と財産」を守り抜くこと、「領土・領海・領空・資源」を守り抜くこと、「国家の主権と名誉」を守り抜くこと。こう申し上げてまいりました。
その使命を果たすために何としても「総合的な国力」を強化します。
それは、「外交力」であり「防衛力」であり「経済力」であり「技術力」であり「情報力」であり「人材力」です。これらの全ての力すべてを強くするためには、何よりも経済成長が必要です。2月の衆議院選挙の街頭演説でも申し上げてまいりましたが、わが国の「潜在成長率」は、主要先進国と比べて低迷しています。
しかし、「技術革新力」やお一人お一人の働き手の皆様の「労働の効率性」などを表す数値は、他国と遜色ありません。圧倒的に足りないのは、「資本投入量」、すなわち「国内投資」です。ロシアによるウクライナ侵略や今の中東情勢の緊迫化により、世界各地で重要物資の供給不安が生じています。このような事態に対応するためにも今、「国内投資」が必要なのです。今もです。そして、未来のためにもしっかりと国内投資をしておく。為替変動にも強い経済構造を構築しておく。今やらないでどうしますか。この促進に徹底的なてこ入れをします。「強い経済」を構築していくため、「責任ある積極財政」の下、今後、「令和9年度予算案」の編成に向け、この夏とりまとめる「骨太の方針」で「予算編成方針」を具体化させていきます。
あわせて、戦略17分野における官民投資や8つの横断的課題の解決策について、定量的な効果目標を含む形で「日本成長戦略」でロードマップを明らかにします。47都道府県のどこに住んでいても、安全に生活することができ、必要な医療や福祉を受けることができ、質の高い教育を受けることができ、働く場所がちゃんとある。これが、高市内閣の目指す日本列島の姿です。
そのために何より重要なことは、「強い地域経済」の構築です。自民党は「地域未来戦略」を推進します。地域の特性に応じた地域発のアイデア創出を募り、これまでの地方創生の支援策や税制などの政策ツール。これも最大限活用しながら、大胆な投資促進策と産業用地を含めたインフラ整備とを一体的に講じます。
このことを通じた都道府県知事などとの協働により、各地に「産業クラスター」を戦略的に形成していきます。まさに今日お集まりの皆様、知恵の競争ですよ。行動するか、しないか。大切な時期です。加えて、魅力ある地域資源を活かした「地場産業」の成長を支援します。
経済成長を確かなものとして、総合的な国力を強化するためには、大胆かつ息の長い取組が必要です。ぶれない総理、責任をとる官邸、そして政権の安定が必要です。「強い自民党」をつくることは、結果を出せる政権をつくる第一歩。だからこそ大切なのです。
さて、立党以来、自由民主党は「保守政党」としての歩みを続けてきました。保守主義における重要な態度は、良き伝統と秩序を保持した上で、進歩・変革を実現させていくことだと考えます。日本の歴史を貫く支柱が天皇です。私たち日本人は、天皇とともに歴史を紡いできました。
現在も、国民統合の象徴であられる天皇陛下及び皇室は、多くの国民の皆様からの敬慕を受けています。他方で、現行制度の下では皇族数の減少が避けがたいことを踏まえますと、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であり、「皇室典範の改正」が急がれます。その際、126代にわたって、「男系」で皇統が継承されてきたという世界でも比類がない歴史的事実こそが、天皇の権威と正統性の源だと考えております。
自民党としては、「皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系男子を皇族とする」案を第一優先として、国会における議論を主導してまいります。そして、迅速に「立法府の総意」がとりまとめられる。そのように努め、静謐な環境で『皇室典範』の改正を行うことを目指します。
そして、「憲法改正」です。
私たち自民党は、立党から70年、憲法改正の旗を掲げ続けてまいりました。自主独立の権威の回復」に向けて、日本人の手による自主的な憲法改正は、わが党の党是です。自民党立党直後の所信表明演説で、初代総裁である鳩山一郎総理は次のようにおっしゃいました。「民主政治は断じて力による政治であってはなりません」。民主主義における「議論の重要性」については、論をまちません。一方で、徹底した議論を行った後に、意見の集約を図り、最後は多数決によって決断する。 これが民主主義の原則であり、政治の役割であるはずです。
「議論のための議論」であってはなりません。私たち政治家が、国民の皆様の負託に応えるために行うべきなのは、「決断のための議論」なのです。どのような国を創り上げたいのか、その理想の姿を物語るものが憲法です。私たちの物語を、理想の日本国を、文字にして、歴史という書物の新たなページに刻もうではありませんか。そして、その新たなページをめくるべきかどうか、国民の皆様に堂々と問おうではありませんか。
立党から70年。時は来ました。
「憲法改正」に向け、党員・党友の皆様の総力を挙げて、全国各地で国民の皆様への憲法に関する説明を行うとともに、国会においては、「結論のための議論」を進めてまいりましょう。そして、改正の発議について、「なんとか目途が立った」と言える状態で、皆様とともに、来年の党大会を迎えたいと考えています。「幅広い世代」と「多様な経験」と「豊かな専門知識」を持った人材を擁するわが党の強みを、「憲法改正」にも向けて結集していきましょう。もちろんさまざまな政策でみんなの専門知識が、今、もうフル全開、もうすごい状態になっていますけれども、この憲法改正、とっても大切。私たちの党是、何とか進めましょう。
そして、日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、美しい自然を守りつつ、和を尊び、家族や社会が互いに助け合って生活をしてきた国です。先の大戦による荒廃や幾多の災害を乗り越え発展してきたことは、日本と日本人の底力によるものです。良き伝統や秩序とともに、安全で安心して暮らせる社会と名誉ある国を、次世代に贈る責任を痛感しています。今年初めて投票して下さった18歳の若者も、生まれたばかりの赤ちゃんも、その多くが、22世紀を迎えることができるでしょう。
その時に、日本が安全で豊かでありますように。「インド太平洋の輝く灯台」として、自由と民主主義の国として、世界から頼りにされる日本でありますように。そのために、日本の「成長のスイッチ」を押しまくり、日本の可能性を解き放ちましょう。
「日本列島を、強く豊かに。」 挑戦しない国に「未来」はありません。守るだけの政治に「希望」は生まれません。「希望ある未来」を作り上げるための、自由民主党同志の皆様、友党・日本維新の会の皆様、そして本日ご列席の皆様の御協力を心よりお願い申し上げます。自由民主党は、国民政党として国民の皆様とともに、歩みを進めてまいります。
誠にありがとうございました。頑張りましょう。