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令和8年度予算成立及び中東情勢への対応等について高市内閣総理大臣記者会見

会見を行う高市総理

皆様、こんばんは。本日、令和8年度予算が参議院で可決され、成立いたしました。関係者の皆様の御尽力、また、御協力に心より厚く御礼を申し上げます。本予算の年度内成立が実現できなかったことは残念ではございますが、「全ては国民の皆様の安心と強い経済構築のため」という思いから、関係者の皆様方にお願いし、その御尽力も得て、国会での御審議に誠実に対応してきた結果、国民生活に支障が生じるリスクをできる限り小さくできたと考えております。

本日成立した令和8年度予算は、「責任ある積極財政」の考え方の下、予算全体にメリハリ付けを行う中で、「危機管理投資」や「成長投資」といった分野に大胆に増額するなど、「強い経済」の実現に資する内容となっております。
高市内閣では、「予算編成改革」としまして、民間事業者の方々や地方自治体の取組を後押しするため、政府予算の予見可能性を確保する観点から、必要な予算は可能な限り当初予算で措置することとしております。令和8年度予算はその第一歩でございます。

具体的には、診療報酬改定・介護報酬改定、官公需や公的制度の点検・見直しを始め、予算全体について、経済・物価動向など適切に反映しました。子ども・子育て支援、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、AI(人工知能)・半導体、防衛力強化。こうした、財源を確保して複数年度で計画的に取り組んでいる重要政策を推進しております。また、予算全体のメリハリ付けや、新たな財源確保を通じ、いわゆる「高校無償化」や学校給食費の抜本的な負担軽減を始めとする様々な重要政策について、予算を増額しております。

その結果、一般会計予算の総額は122.3兆円と過去最大となっています。一方、予算の全体のメリハリ付けを行うことで、国の一般会計について、新規国債発行額を2年連続で30兆円未満に抑え、公債依存度も低下させております。「強い経済の実現」と「財政の持続可能性」を両立させる予算とできたと考えております。47都道府県、どこに住んでいても安全に生活をすることができて、必要な医療や福祉、そして、質の高い教育を受けることができて働く場所がある。この予算を効果的に活用して、日本列島全体を強く豊かにするべく、そして、そのためにも「強い経済」を実現するために取り組んでまいります。

また、本日は、高市内閣で取り組んでいる物価高への対応、特に、昨年11月に取りまとめた経済対策や、その裏付けとなる令和7年度補正予算等の執行状況についても紹介をさせていただきます。例えば、ガソリンの暫定税率につきましては、ガソリン税は12月31日、軽油引取税は4月1日に廃止し、電気・ガスの使用量の多い1月から3月までの間、電気・ガス料金の支援を実施しました。重点支援地方交付金につきましては、年度内に全ての都道府県、ほとんどの基礎自治体で事業が開始され、地域の実情に応じた取組が進められています。18歳以下のお子様一人当たり2万円を給付する「物価高対応 子育て応援手当」についても、年度内にほとんどの基礎自治体で支給が開始されております。また、赤字の医療機関・介護施設を中心に、報酬改定の時期を待たずに措置をした医療・介護等支援パッケージや保育士等の処遇改善施策につきましても、地方公共団体などから事業所などへ支援が行き届き始めています。この結果、4月末時点で経済対策に盛り込まれた事業や施策のうち約9割が、国民の皆様にアクセス可能となる見込みでございます。令和7年度補正予算の着実かつ迅速な執行を続けるとともに、令和8年度予算についても早期の執行を図ってまいります。

さらに、今般の中東情勢を受け、原油価格が高騰する中、国民の皆様の生活と経済活動を守り抜くため、基金の残高を活用し、ガソリン、軽油、重油、灯油などの価格を抑制する緊急的な激変緩和措置を実施しました。これによって実施前は190.8円だったガソリン価格は、3月30日には170.2円まで低下しています。今後、原油価格高騰が継続する場合でも、切れ目なく安定的に支援を実施できるよう、令和7年度予備費を使用し、1兆円超の基金規模を確保いたしました。本日、令和8年度予算が成立したことで、必要があれば、同予算に計上されている予備費も活用可能となります。政府としては、中東情勢による経済への影響注視を継続し、躊躇(ちゅうちょ)なく必要な対応を行ってまいります。
あわせて、本日は、政府として担当大臣を設置して取り組んでいる中東情勢に伴う重要物資安定確保の状況についても、国民の皆様にお伝えしたいと存じます。まず、高市内閣として、先月11日、他国に先駆けて約45日分の石油備蓄の放出を決め、過去最大規模のIEA(国際エネルギー機関)による国際協調備蓄放出を積極的に主導しました。日本全体として必要となる量は確保されております。

原油の代替調達については、ホルムズ海峡を通らないルートでの調達に最大限注力し、中東や米国などからの調達で、現時点において、4月に前年実績比で2割以上、5月には過半の代替調達にめどがつきました。特に米国からは、5月に前年比約4倍まで調達が拡大する見込みでございます。日本には約8か月分の石油備蓄があり、こうした代替調達の進展の結果、備蓄放出量を抑えながらも、年を越えて石油の供給を確保できるめどがつきました。代替調達率を更に引き上げるべく、産油国への働き掛けを強化するなど、官民連携で一層取り組み、原油の安定供給に万全を期してまいります。

日本全体として必要となる量は確保できている一方、一部で供給の偏りや流通の目詰まりが生じていることから、その対策を強化しました。
具体的には、医療・交通などの重要施設に対する燃料油の供給については、優先順位を判断の上、卸事業者を挟まず、直接販売を行うよう、元売事業者に要請しております。また、普段契約している燃料販売店から必要な量が確保できなくなったというお声も届いています。そうした需要家向けには、大手元売の系列事業者かどうかにかかわらず、前年同月比同量を基本として販売するよう大手元売事業者に要請をいたしました。

こちらのスライドで、供給の目詰まりを解消した例を御紹介しております。エネルギー源以外の重要物資の安定供給確保にも取り組んでおります。ナフサ由来の化学製品、医療関連物資、食品包装用容器、ゴミ袋、半導体関連物資など、物資ごとに、製造メーカーが継続供給可能な期間を調査し把握した上で、需要側や販売店の在庫の活用、国内外での製造拡大・継続などの対応策を速やかに講じております。

特に、医療につきましては、厚生労働大臣及び経済産業大臣を本部長とする対策本部を先月末に設置し、対応を進めています。両省の連携によりまして、川上の化学メーカーから川下の医療機関まで、サプライチェーン全体を鳥の目、虫の目、魚の目で把握し、対応を講じております。例えば、既に、未熟児の栄養補給に必須の小児用カテーテルの滅菌に必要なA重油やその他の医療機器での滅菌に必要な酸化エチレンガスについては、流通段階での目詰まりを解消しました。石油由来の燃料や関連製品の調達でお困りの場合は、どうか、経済産業省、厚生労働省にご連絡ください。ここに連絡先が出ております。いただいた情報を踏まえて、一件一件、きめ細かく、迅速に解消をしてまいります。

繰り返しになりますが、原油及び石油製品の日本全体としての必要な量は確保されております。アジア諸国で原油から加工された形で供給される医療関係を含む重要物資についても、直ちに供給途絶が生じることはございません。政府としては、国民の皆様の命と暮らしに影響が生じないように万全を尽くしてまいります。私からは以上です。ありがとうございました。