記者会見経済安全保障

小林政務調査会長 記者会見

2025年11月6日(木)
於:党本部 平河クラブ会見場

会見を行う小林政務調査会長

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【冒頭発言】

まず、冒頭私からは先程この体制として初めてとなる政調審議会を開かせていただきました。
案件としましては5件ございまして、この臨時国会に提出する予定の政府の法案や、また基本計画などにつきまして、審議をさせていただきました。案件を申し上げますと、ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案。2つ目として配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律案。3つ目としてゲノム医療施策に関する基本的な計画案。4つ目として更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案。5つ目として気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案ということで、審議させていただきまして、全ての案件につきまして了承ということとなりました。
また、その他の案件といたしまして、この政務調査会の役員、政務調査会長代行、代理、副会長の各担当の部会というものを決めさせていただきました。今日の政審の議題というのは以上であります。また、私から冒頭のご報告事項としましては、来週にも党として新たに設置したインテリジェンス戦略本部を開催する予定です。具体的な日程につきましては、決まり次第皆様に前もってお伝えしたいと考えております。
既にご案内の通り、日本維新の会との連立合意におきまして、2026年通常国会におきまして、国家情報局等の体制強化、そして国家情報会議の設置などを既に合意しているところでございます。今後、政府でも制度設計が具体化していくと思いますけれども、党としてはこの政府の検討に先んじる形で自民党としてしっかりと検討、そして議論を進め、建設的に政府に提言をしていきたいと考えております。冒頭、私の方からは以上です。

質疑応答

Question
テレビ朝日です。
経済対策の裏付けとなる補正予算についてお伺いします。小林会長、先ほどの政審の冒頭で前例にとらわれることなく、必要なものをしっかりと積み上げていく必要があるというふうにおっしゃいました。裏付けとなる補正についても、いわゆる財政キャップをはめることなく、必要に応じて積み上げる必要があるとお考えでしょうか。また、例えば金額ですけれども、去年だと13.9兆かと思いますが、例年と比べてどれくらいの規模感が必要だと政調としてお考えか、お聞かせください。
Answer
今、デフレ経済から成長経済へと移行していく、過渡期、非常に重要な期間にあると思っています。その中で、物価の伸びに、手取り、給与所得の伸びが追いついていないという状況なので、そこをなんとか後押ししていかなきゃいけない。成長経済に移行させていかなきゃいけないということと、あとはやはり政権の最重要項目の1つである成長力の底上げ、それに対する投資。この2つが非常に重要になってきています。
こういう重要な局面ですから、何かキャップをはめてやるものでもないと思っています。必要なものをしっかりと積み上げていくことが重要だと思っていますので、逆に言うと額ありきではないということです。なので、去年と比べてどうかというものを今この場で予断を持って申し上げることは控えたいと思っています。しかしながら、今置かれている状況を考えれば、相応の額になってくるというふうには、体感では感じているところです。
Question
NHKです。 日本維新の会との実務者協議会が開かれると聞いておりますけれども、維新との間に新たな協議体をいくつ設けて、どのようなテーマで設けることになったのか、教えていただければと思います。政策の方については与責で管理するというお考えを示されていたかと思いますが、仕分けといいますか、そのお考えをお聞かせ願えればと存じます。
Answer
日本維新の会と自民党との連立合意書の中に、明示的にこの協議体を設けるとされているものが5つあるのですけれども、どうなっているかというと、政策の事項としては、社会保障と統治機構改革、そして憲法の起草委員会みたいなもの、この3つが政策事項として協議会を立ち上げるというふうにあります。
もう少し、政治マターとしては定数削減、選挙制度改革と政治資金の話、この2つについて、協議体を設けるというふうにあります。便宜上、今、最後に申し上げた2つの政治のイシューについては、まとめて協議会を立ち上げるということになりましたので、そういう意味では政策の協議会 3つと、その政治的な事項を扱う協議会1つで、計4つの個別の協議会が立ち上げることになります。
その進捗を管理するという観点から、全体の進捗を管理する協議体というものが設けられておりまして、自民党では幹事長室の井上信治幹事長代理が協議体のヘッドということで、事務局として武部新政務調査会事務局長がサポートするというような状況になっています。
また、今申し上げた3つの個別の政治政策の協議体につきましては、この中身については、自民党と日本維新の会の与党政策責任者会議、いわゆる与責の下に置かれるということになっていますので、そういう整理をさせていただいています。
Question
東京新聞です。
3点お願いいたします。今臨時国会で提出するという話は出ていないのですけれども、GDP比の軍拡予算の3.5%というところを目指していくという話に関連しまして、先週報道特集の方で元財務官僚の方へのインタビューがありまして、これは実質的に消費税に置き換えると3.5%というところを達成するには大体増税で消費税18%から19%くらいの税負担を強いることになると。財源の問題は他党も指摘しているところですが、ここは今後どういうふうに議論し考えていくつもりかという点と、そして今ニュースになっております、日本維新の会の藤田共同代表の公設秘書に関する給与の迂回疑惑に関して、兼職届を出している国会議員の秘書の方というのは数百人規模でいるという話もありまして、似たような事例というのが法的には違法じゃないということも含めてあるのではないかという指摘があります。自民党として似たようなケースがあるかどうか、そういうのを調査するおつもりがあるかという点と、もう1点が国旗損壊罪。今臨時国会の提出の中には出てきませんでしたが、高市さんが政調会長の時からやる気を見せていたという指摘があります。器物損壊罪でいいのではないかという憲法学者の指摘などもありますが、この件についてはどうお考えか聞かせてください。
Answer
今、3点ご質問をいただきました。1点目は、そもそも今防衛費あるいは防衛力の強化という観点から決まっているということは、まず、防衛費の GDP比2%の実現の時期を前倒しで達成するということ。それと国家安全保障戦略を含めた、いわゆる3文章の改定を前倒ししていくということ。この2つでございますので、そのスケジュール感でやっていきたいということであります。そもそも、今具体的に何%までするということをまだ決めていない状況であるという認識を共有させていただければというふうに思っています。
2点目の話につきましては、私ここで政調会長という立場で立っていますので、必要があれば幹事長の記者会見などでお聞きいただければと思っています。
3つ目の国旗損壊罪、国旗に関するこの法案の提出等につきましては、様々な論点、そして立法事実がどこまであるのか色々ありますので、その点をしっかりと党として整理をし、また、日本維新の会の皆様ともしっかりと真摯に協議をさせていただきながら、今後検討を進めていければと考えています。以上です。
Question
TBSです。
先ほどの質問に出た4つの政治と政策の協議体ですけれども、一部報道では来週から議員定数削減等については、設けるというような報道もありますけれども、それぞれどういうスケジュール感で始めていきたいのか、キックオフをいつ頃にしたいのか、見通しがあれば教えてください。
Answer
先ほど申し上げた4つの大きな括りの協議体が個別に立ち上げられると申し上げましたが、定数削減の方につきましては、幹事長室で担当することになると思いますので、そちらの方に聞いていただければと思います。
残りの3つ、すなわち社会保障、統治機構改革、憲法、この3つの協議体につきましては、私の責任のもとで進めていくことになります。
その中でも、社会保障の改革につきましては、おそらく近日中にキックオフという形で進めていくことになろうかと思っています。我が方の陣立てにつきましても、既に決まったところでございまして、我が方のこのチームのヘッドは田村憲久政調会長代行に務めていただくことになろうかと考えています。
Question
ニコニコです。
よろしくお願いします。
何点か質問があるのですけれど、憲法改正についてお聞きします。昨日の小林政調会長と総理との国会でのやり取りに関してなんですが、高市首相が自民党総裁としての発言と明確にした上での発言であったにも関わらず、一部野党から憲法改正にかかる答弁が、ここまで踏み込んで本会議で答弁したのは初めてだと言い、断じて許されない答弁だという声が上がっております。憲法99条違反であるとまでおっしゃっていますが、これについてまずご見解お願いします。
それと、もう1つ大きく言うと、仮に時の政権が国民投票まで持って行って憲法改正反対となった時、その政権、特に総理は辞める必要があるとお考えなのか、この2点。
Answer
2点ありがとうございます。議場での整理のあり方につきましては、私の立場で答えるべき問題か分かりませんけれども、あくまで自由民主党の総裁として私自身が総理に対して問いかけたことに対して、真摯に、内閣総理大臣でありながらも自由民主党の総裁という立場でお答えいただいたというふうに私自身は受け止めておりますので、その点について、何か問題があったというふうには現時点では受け止めておりません。
2点目の国民投票で仮に否決された場合というのはあくまで仮定の話であって、今答える話でもないと正直思っています。また、どういう形で、どういうシチュエーションで可決されるのか否決されるのか。それによって、その時の政治的な責任の取り方というのは時の総裁の立場で色々変わり得るものですから、今一概に、ではそれで否決されたから辞めるべきだということをこの場で私は申し上げるつもりはございません。
Question
ニコニコです。
インテリジェンス戦略本部に関して、自民党としてまとめるということですが、非常に重要なことだと思うが、国民はあんまり、実は政調会長以前から申し上げているが、理解していない点があるが、国民にどうオープンにしていくかという点。
Answer
インテリジェンスについては、これまで政府、政治も含めてかもしれませんが、やはり我が国が主要国の取り組みに関して非常に遅れを取っている分野です。最近は、かなり強化はしてきたとはいえ、まだまだ遅れているところ。そして、多くの国民の皆様のインテリジェンスに関するご関心というものも決して高くはないというふうに私自身思っています。でも、それが本当の主権国家のあり方として適切かと、適当かと言えば私はそうではないと思っています。なぜならば、やはり国家運営には戦略が必要であって、その国家戦略を作ろうとすると、当然正確な情報の収集と分析、またそれをいかに共有して、そして漏れないように保管をしていくのか。いわゆるインテリジェンスの強化というのは必要なので、国民の皆様に対してこの重要性というものをいかに理解していただくのか。その責任は、やっぱり政治にあると思っています。
今、おっしゃったように、非常に機微にわたる部分もありますから、全てを公開でというわけにはいきませんけれども、一方でこの民主的な統制がちゃんと効くように制度設計をしなければいけないのも事実であって、従って、可能な限り議論の進捗状況ですとか、あるいはその出てきた成果政策というものをできる限り、国民の皆さんに説明していくという。これはバランスになりますけれども、それはしっかり留意していきたいと思っています。
せっかくいただきましたので、今どういうことを考えているかと言うと、新しく立ち上げる党のインテリジェンス戦略本部でやるべきことは大きく3つです。1つは日本維新の会との合意事項の中にも書かれていますけれども、政府のインテリジェンス機能の司令塔機能を強化していくということ。これが1つ。2つ目としては、対外情報収集の能力というものをしっかりと強化をしていくということ。3つ目としては、国内の話になりますけれども、外国干渉、いわゆる外国からの様々な干渉に対してどうやってそれを抑止していくのか、この3点の制度設計について、早く進められるところと、少し劣後するところというのは当然出てくるのですけれども、できる限り目指すべき将来のインテリジェンスの体制のあり方、というものをある程度みんなで共有した上でキックオフしていきたいと考えています。
Question
フジテレビです。
よろしくお願いします。明日で政調会長に就任して1ヶ月になると思うのですが、ここまでのご所感があればお伺いします。
Answer
そうですね。もう1ヶ月経ったのかという感覚も正直あります。ただもう、ガムシャラにこの1ヶ月走り抜けてきたので、もう1ヶ月経ったのかという感覚と一方で非常に濃密な1ヶ月だったと受け止めています。
政策の、ある意味党の司令塔という立場で政策を考え、そしてそれを作るために調整していくプロセス。まだ1ヶ月なので、形になった政策というものは、ガソリンの暫定税率の廃止含めて、また教育の無償化を含めて、これも前から続いていた話ですけれども、まだ数えるぐらいしかないですけれども、既に取り掛かっている政策の調整、党内の調整だけではなくて、他党の皆さんとの調整、これも非常にある意味、大変な、責任のある重い仕事だというふうに今受け止めています。
ただ、一方で他党とのやり取りの1ヶ月間という、短い期間とはいえ、様々な他党の政策責任者の方たちとコンタクトを持たせていただきましたので、これからおそらく様々な課題が出てくると思います。その中で自民党内あるいは与党の枠組みの中だけではなく、他党野党の皆さんとも、できる限り胸襟を開いて真摯にかつできる限りスピーディーにこの政策を作り上げていく。今、少数与党にあるということを謙虚に受け止めて、この1ヶ月でできたコンタクトのポイントというものをもっともっと太く、広げていきたい。そういう中で、国家国民のために必要な政策実現をこれからもやっていきたいと思っています。
いずれにしても政調会長に就任した時点では、26年間続いた友党公明党との連立が解消されるということも全く私は予想できなかった。日本維新の会の皆さんと新しい連立の枠組みをこうして組むことができるということも、正直予想できていなかったので、いろんな激動の局面にあるというふうに思いますけれども、それをある意味、意気に感じて、信頼できる自民党の同僚議員と共に、これからも国民のためになる、国益に資する政策というものをオープンに、そしてスピーディーに発信力を持って打ち出していきたいと考えています。
Question
東京新聞です。
外国人規制対策に関する指示を高市総理が出しております。農水省等を取材すると、昨年、農業に関しては外国籍の調査をして、今回は林地を調査することになると。外国籍のところを調査するのはいいのだが、一方で外国の方でも一生懸命、そこで生産、お米などを作って、納税している方たちもいるので、これが排外主義につながらないといいな、という懸念も官僚から聞いております。
共生という言葉も高市さんは話していますが、外国人規制に関して、どういった規制がある程度必要で、一方で排外主義に陥らないために、どういう対応を政調会長として、していきたいかという点と、そしてもう 1 点。先ほど国家情報局、小林さんの熱意を感じるのですけれど、一方で、スパイ防止法などに関しては40年前廃案になった際は、いわゆる私たちのようなジャーナリストや有識者もその対象になるのではないかという懸念がでました。この点に関しても、色々、総裁選でもお話しされていたと思いますが、今の時点でスパイ防止法の部分はどう考えているかもお聞かせください。
Answer
ありがとうございます。追加で2問いただきました。
1点目、外国人政策につきましては、既に先日、政府の方でも関係閣僚会議というものが立ち上げられて、おそらく年明け1月にはこの外国人政策を総合的なものを改定していくというスケジュールだと思っています。自民党の方でも、いわゆる総裁直属の79 条機関と私たち呼んでいますけれども、外国人の政策の本部というものをこれまで党内であった様々なこの外国人政策の会議体を統合して、新藤義孝本部長を筆頭にスピーディーに政策を打ち出していければというふうに思っています。その中でポイントとなるのは、まさに排外主義にならないということです。なので、共生社会も重要だけれども、秩序ある共生社会というふうに私たちは申し上げています。つまり、外国人の方、真面目に日本に居住され働かれる方が私は大半だというふうに認識しています。そうした真面目な方たちが、ルールを守って暮らしている外国人の方たちが、一部のルールを守らない方、外国人の方たちの行動によって、日本社会の中で住みにくい環境に置かれるということは阻止していかなければいけないと思っていますので、土地のあり方ですとか、あるいは在留資格のあり方とかも様々な観点がありますので、それぞれについて適切な政策というものを作っていきたいと思います。常にルールをしっかりと守る。当たり前のことですけれども、そこをしっかりと担保できるような、制度設計にしていきたいというふうに思っています。
2点目のインテリジェンスの話ですけれども、今私たちが置かれている状況と、40年前とおっしゃいましたけど、40年前の日本を取り巻く環境、あるいは国内の状況というのは全く様変わりしているわけです。私たち政治家の最も重要な使命というのは、国家の主権と独立、国民の生命と財産、そして領土領海領空、これを守り抜くことだと私は受け止めています。その最大の国益を政治家として死守していくために必要な制度というものは、足りなければそこは補っていく必要があると思っていて、その1つがこのインテリジェンス機能能力の強化だというふうに受け止めています。
ジャーナリストが対象になるのかという話も出ました。当然それぞれの国によって制度設計が違います。私たちが何をしていくのかによって、これからやることを考えていくわけですけれども、少なくとも、例えば先ほど3つ申し上げたポイントの中で、いわゆる外国干渉をなくしていく、防止していく。その制度を考えようとした時に、まず私が今の時点で、まず取り組まなければならないことは、いわゆる外国勢力の支配下にある人、あるいはその代理人。様々な国内、日本国内でのこれからの影響工作というか、そうしたインフルエンスオペレーションというものが考えられるわけで、その後それを考えた時にいわゆる外国代理人登録法というものが、イギリスやアメリカ諸外国にあります。そこは日本としても検討していくべきだと考えています。通常そこは国内のメディアの方は対象にはならないところがほとんどです。我が国でもそうした制度設計を仮にしていくとした場合には、当然そこに十分な配慮をした上で、制度を組み立てていくことになろうかと思っています。
表現の自由というものを、非常に重要な、私たちが守るべき基本的な価値だと受け止めていますので、そこをしっかりと守りながらも、他方で、国民、日本の国益を外国勢力からしっかりと守っていく。その制度設計というものを緻密に行っていきたいと考えています。