
記者会見を行う高市総理大臣
【高市総理冒頭発言】
皆様、こんばんは。
第104代内閣総理大臣に任命されました高市早苗でございます。
本日、北海道白老(しらおい)町の農場におきまして、簡易検査の結果、鳥インフルエンザの疑い事例が確認され、現在、北海道がPCR検査を実施中でございます。新内閣におきましても、関係各省、道庁等が緊密に連携をし、高い緊張感を持ってこの対応に万全を期す考えでございます。
さて、まず、新内閣が成立するまでに時間を要したことにつきまして、国民の皆様に心よりおわびを申し上げます。
ここからは、国家国民のため、全力で、変化を恐れず、果敢に働いてまいります。そのための内閣を、本日、作り上げました。国家国民のため、結果を出していく。強い日本をつくるため、絶対に諦めない、そう決意をいたしております。
一度ならずも、二度敗れても、自民党総裁になることを諦めませんでした。強い日本経済を作り上げ、外交・安全保障で日本の国益を守り抜く。私には、明確な決意がございました。
厳しい野党時代も含め、26年間の長きにわたる公明党の皆様の御協力に、改めて、深く感謝を申し上げます。
しかし、「政治の安定」なくして、力強い経済政策も、力強い外交・安全保障政策も、実現していくことはできません。「日本を再起させたい」との思いで、政策合意までたどり着くことができた、この日本維新の会の同志の皆様に、感謝を申し上げます。
そして、精力的に協議を行ってくださいました全ての関係者の皆様に、心より敬意を表します。
物価高対策、首都機能のバックアップ体制、また、社会保障改革、そして、憲法改正。両党の政策合意を基礎に、共に手を携えて、政策実現に取り組んでまいります。
また、「身を切る改革」としての議員定数削減にも合意をいたしました。私どもの内閣といたしましても、国会議員から任命をされる、私を含む、総理大臣を含む閣僚等の給与につきましては、議員歳費を超える閣僚等としての給与を受け取らない法改正に取り組む所存でございます。
さらに、私は、全て国家国民のため、多数を形成し、政治を安定させる。その思いを共有する全ての野党の皆様に、引き続き協力を呼び掛けてまいります。私たちの基本政策と矛盾しない限り、原則として、政策提案を受け入れる方向で前向きに議論をしてまいります。最大限の柔軟性を発揮していく準備が私たちにはございます。それが国家国民のためであるならば、決して諦めない。これがこの内閣の不動の方針でございます。
初閣議におきまして、経済対策の策定を指示いたします。国民の皆様が直面している物価高への対策をしっかりと講じていく。ガソリンの暫定税率は速やかに廃止する考えでございます。
さらには、野党の皆様の御意見にも耳を傾けながら、いわゆる「103万円の壁」も引き上げてまいります。手取りを増やし、家計の負担を減らす。そのための経済対策です。
米国の関税による影響の緩和にも万全を期してまいります。
また、この内閣における成長戦略の肝は「危機管理投資」でございます。経済安全保障、食料安全保障、エネルギー安全保障など、様々なリスクや社会課題に、官民手を携えて先手を打って行う戦略的な投資でございます。
世界共通の課題解決に資する製品・サービス・インフラを提供できれば、更なる日本の成長につながってまいります。未来への不安を希望に変え、経済の新たな成長を切り拓(ひら)いてまいります。その大胆な取組をここから始動いたします。
来週は、マレーシアでのASEAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会議、韓国ではAPEC(アジア太平洋経済協力)も開催されます。
多くの国の首脳と顔を合わせる絶好のチャンス。
「自由で開かれたインド太平洋」を外交の柱として引き続き力強く推進し、時代に合わせて進化させ、基本的価値を共有する同志国やグローバルサウス諸国との連携を深める。そうした機会としたいと考えております。
また、トランプ大統領と早期にお会いをして、日米関係を更なる高みに引き上げてまいります。日米関係は、同盟国として、日本の外交・安全保障政策の基軸でございます。
二国間の課題にとどまることなく、インド太平洋地域の課題から、中東情勢、欧州・ウクライナに至るまで、日本と米国が直面する課題につきまして、率直な意見交換を通じ、首脳同士の信頼関係を深めてまいります。
日本の国益を守るため、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻します。
内から外から、日本は大きな危機に直面しています。立ち止まっている暇はございません。全力で、変化を恐れず、果敢に働く。初日から、全速力、トップスピードで、閣僚の皆さんには、それぞれの分野で任務を果たしていただきます。
衆議院・参議院共に、自民党と日本維新の会を合わせても過半数には及ばない。
少数与党による、厳しく、また、困難な船出でございます。
それでも私は諦めません。
この内閣は、「決断と前進の内閣」です。国民の皆様と共に、あらゆる政策を、一歩でも二歩でも、前進させていく。どうか国民の皆様のお力をお貸しください。新しい内閣の船出に、どうか、国民の皆様の御理解と御協力を賜りますよう、心よりお願いを申し上げます。
私からは以上でございます。