記者会見国会

自民党・日本維新の会共同会見

2025年10月20日(月)18:37~18:57
於:院内常任委員長室

会見を行う高市総裁(右)と維新の会吉村代表(左)

【冒頭発言】

(高市総裁)
この度、わが党と、そして日本維新の会で連立政権を樹立することにつき、合意をいたしました。私は両院議員総会で皆様に呼びかけました。とにかく今、安定した政治が大事である。それがなければ、強い経済政策も打てないし、力強い外交、政策も打てない。安全保障も同じです。だから、各党に連立協議を呼びかけます。しかも、基本政策が一致する党に連立協議を呼びかけます。その場合に、政策は、柔軟であるべき旨、それを自民党の国会議員の皆様にお伝えをいたしました。今回吉村代表、また藤田共同代表をはじめ、日本維新の会の皆様方の大変なご尽力もいただき、また自民党の役員の皆様を初め、多くの同僚議員のご協力もいただき、政策の協定に署名をすることができた、合意することができた。大変、大きな一歩だと思っております。これから日本を前に進めるために、精一杯働いて参る所存でございます。今日はありがとうございます。

(吉村代表)
本日、自由民主党、そして我が党日本維新の会との間で連立政権樹立の合意をいたしました。我が党は、自立する個人、自立する地域、自立する国家、これを基本的な考え方としております。現在、日本を取り巻く国際環境は非常に厳しい状況にあります。また国内の環境も厳しい状況にあります。こういった中で安定して、そして国家国民のために国会運営をする非常に重要なことだと考えています。今般、高市総裁と政策の協議をさせていただきました。外交、防衛、安全保障、国家観、基本的な価値観を共有することができたというふうに思っています。またその上で大切なこと。日々の国民の皆さんの生活、そして暮らし、そして統治機構改革、我々が進めてきた改革もたくさんございます。日本にとって必要な改革、我々も我々の正義がある。その中で高市新総裁と本当に話をさせていただきました。これから難題、課題、非常に多くあると思います。でも、日本に生まれた子供たちがこの国に生まれてよかったなと。この国に住んでよかったなと。日出ずる国日本に住んでよかったなと思ってもらえるような国づくりをしっかりとやっていきたいと思います。高市総裁、そして自民党の皆さんと考えが違うとこあるかもしれません。でも手を取り合って、今、国難に立ち向かい、そして前へ進める政治をしていきたいと思います。我々も一生懸命汗をかいていきます。誰かに何かをやってくださいという思いはありません。我々自身が汗をかいて前へ進む政治、それをしていきたいと思います。本日、この自民党の皆様と連立合意を結ばせていただくことになりました。非常に責任感、そして重い決断をしたというふうに思っています。その分、しっかり我々一丸となって、政治を前に進めていきたいと思います。自民党の皆さんどうぞよろしくお願いします今日ありがとうございました。

質疑応答

Question
フジテレビです。連立合意されたということで、企業団体献金の話など様々な政策の面で協議されてきたかと思いますが、具体的にどういった内容の合意に至ったのか教えてください。
Answer
(高市総裁): 皆様もお手元に配布されている文章の通りでございます。企業団体献金に関しましても、いろんな形の寄付のあり方、献金のあり方というものがございます。こういったものを総合的に見ながら、しっかりと結論を得ると。これは各党各会派と議論をしなければならない問題でございます。
Answer
(吉村代表): 企業団体献金については、今回のこの協議項目にも入っております。様々な立場がある中で、政治資金を綺麗にしていこうということは共通の考え方でもあります。高市総裁の任期中に一定の結論を得るということを、この合意書に書いておりますので、他の政党の皆さんと一緒に信頼される政治と金のあり方、きっちりと進めていきたいと思います。その他の合意内容はここに書いてある通り、経済対策も含め12の項目に分けて今回合意を結ばせていただきました。12本の矢と言っていただいてもいいのかなというぐらいの非常に重たいものが入っていると思いますが、これをぜひ実現していきたいと思います。
Question
共同通信です。今回、この合意文書の中では連立政権の樹立をするということになっているのですけれども、今回維新の方からは閣内の方に人を出さないというふうになっています。これは改めて連立政権の樹立ということで両党、いいのかという確認をしたいのと、あと今後の連立の期間が長くなるにつれビジョンとしてどういったものをお持ちかお聞かせください。
Answer
(高市総裁): この合意書に書かれている通り、連立政権の樹立でございます。ともに政策に責任を担っていく、力を合わせていく。そういうパートナーであると考えております。そのあとのことは吉村代表からお話をいただいた方がいいかと思います。ただ、この政策合意書を作るにあたって、本当に日本維新の会の皆様にもご努力をいただきました。例えば、私の本も全部読み込んできていただいておりました。私も日本維新の会が出した様々な政策提言、一行残らず読ませていただきました。そして、これまで自民党と日本維新の会も含めた各党で協議をして合意をしてきた内容、これらも盛り込まれております。これから本当に日本の政治を力強く進めていくために必要な連立政権の樹立となったと考えております。
Answer
(吉村代表): 我が党も連立政権の合意ということです。大臣を出す出さないという議論は当然ありますが、我が党としては、まず与党として初めての経験でもあります。与党として責任を持って政治を進めていくということが重要になります。今般、我が党、そして自民党の皆様とも、これから様々な法案についても協議をしていくということが必要になってくると思います。政権というのは内閣と、そして与党が政権でありますから、そういった意味では我々、まず党として、しっかりとこの連立政権の中で力を発揮していきたいというふうに思います。そしてその先については、これは総理の専権事項ですから、人事においては我々もしっかりと閣内に入れるぐらいの力をつけていきたいというふうに思います。
Question
朝日新聞です。憲法改正と外交安全保障についてお伺いします。今回例えば、令和8年度国会において防衛装備移転の5類型を撤廃するですとか、憲法改正についても条文起草協議会を設置して緊急事態条項を令和8年度に条文案の提出を目指すなど、かなり国論を二分するような大きいテーマで時期を区切って、このように合意文章を書かれていますが、どうやってこの少数与党の中でこの国民の理解を得ながら進めていくか。スケジュール感も含めて教えてください。
Answer
(高市総裁): 憲法改正につきましては、特に自民党と日本維新の会、考えていることについては共通点が多いと思います。私自身も衆議院の憲法審査会のメンバーでございましたが、大方、考えていることや発言が被っていると、同じ方向を向いているなと考えておりました。この合意文書に従って、その目標に向けてお互いにしっかりと協議を進めていく。そして憲法改正ができる、できますれば、具体的な改正条文案を提出できる。そういった形に仕上げていきたいと考えております。
Answer
(吉村代表): 国家としての最も重要なものは憲法です。わが党は憲法改正、これを基本的な考え方にしています。この点の自民党の皆様と基本的な考え方、一にするところ多いと思います。今回、この連立政権合意書に基づいて今まで中々この憲法改正の条文について詳しく一歩踏み込んで議論することっていうのは少なかったと思います。今般、高市新総裁の国家観のもと、そして我々の憲法改正というものは党是にしておりますので、憲法改正の条文案を策定していけばいいというふうに思っております。そして、何より国民主権ですから、主権者たる国民の皆さんが今まで一度も憲法改正の投票したことがないというのは、僕はちょっと違うというふうに思っております。憲法改正についてしっかりと議論を深めていければいいというふうに思っています。
Question
テレビ東京です。今回、自民党と維新の会で連立となっても少数与党であることに変わりはないと思います。今後、法案などを成立させるためには数が必要だと思いますが、これから連立に入る党などを増やしていくのか、あるいは政策ごとに賛成を募っていくのか、どのように多数派工作を考えていくのかお聞かせください。
Answer
(高市総裁): まずは私ども自由民主党と日本維新の会でしっかりと政策のすり合わせをして、責任を持って国会に提出をする。例えば法律案でもそうですけれども、こういったものを詰めていきます。その上で同じような考え方を持っていただいている野党もございますので、幅広くここは呼びかけをしながら、一つずつ丁寧に仕上げていきたい、そんなふうに考えております。
Answer
(吉村代表): 自民党、そして日本の維新の会を足しても衆参ともに、あと少しずつ足りないというような状況でもあります。でも、だからこそ他の野党の皆さんに丁寧に説明をし、そしてより良い法案を作り、そして国のためにあるんだということをしっかり信念を持っていくと、ここに力を入れていきたいと思います。また色々なことをオープンにしながら、国民の皆さんにも連立政権としてこういうことを考えているんだ、ということをしっかりお見せをして、他の野党の皆さんの賛同を得られるように丁寧で粘り強い合意形成をしていきたいと思います。
Question
テレビ東京です。基本的には法案ごとに呼び掛けていくというお考えなのでしょうか。
Answer
(高市総裁): 当面はそうなると思います。将来の姿は、また変わってくるかもしれませんけれども、一つずつ一つずつ仕上げていって、全て国家国民のため、そういう信念で説明を続けていきたい。そして、やはり日本を良くしたい、国民の皆様の不安を希望に変えたい。この気持ちは党派が違っても一緒だと思います。それに資する法律案はこういうことに役に立つんだよ、そして補正予算はこういうことを進めるためのものですよ、こういったことを丁寧に説明をし、賛同者を募っていく、そういった運営になっていくと思います。
Question
日本テレビです。議員定数の削減についてお伺いします。こちら1割という数字が明記されていますが、この1割という数字が、日本維新の会が求めていた規模感だと思いますが、これを明記するに当たって、どのような議論が両党で交わされたのか。そして、こちら成立を目指すとなっていますが、今さまざまな他党からも、その懸念の声も聞こえています。改めてこの定数削減の意義と、どのように他党の協力を得ながら進めていくのか。総裁、代表それぞれの考えをお聞かせください。
Answer
(高市総裁): この度、自民党と日本維新の会の間で1割を目標に衆議院の議員定数を削減するため、令和7年臨時国会において、議員立法案を提出し、成立を目指す、これが合意でございます。私の立場といたしましては過去に民主党政権だったとき、現在は立憲民主党、また国民民主党に分かれておられますけれども、当時の民主党の党首であった野田佳彦さんと、そして今は亡き安倍晋三、当時は総裁でございましたけれども、あの党首討論は鮮明に覚えております。やはり定数を削減すべきだ、ということを先方からご提案され、しますといった形でそのまま衆議院が解散され、また政権交代となったわけですが、まだ、お約束を果たせていません。ですから当時の約束も含めて、一歩でも前に進める、お約束を守る、こういった思いで合意をさせていただいております。
Answer
(吉村代表): 国民との約束を守るというのは非常に重要なことだと思っています。先ほど総裁もおっしゃいましたけれども、かつて自民党と民主党との間で大幅な議員定数削減の合意をすると約束しましたが、まだ、それが実現できていません。でも僕は約束を守るというのは一つ非常に大切なことだと思います。その上で我が党も様々な改革を実行する中で、まず自分たちのことから始めようということで議員定数の削減というのを、地方の議会ですけれども、やりました。20パーセント削減というのをやり、そこから様々な改革をして立て直すということをやってきました。今回の合意事項12項目は非常に広範にわたります。また非常に深い改革もたくさんあります。おそらく賛否もたくさん出ると思います。そういった改革をする上では、やはり政治改革の1丁目1番地である議員定数の削減、そして約束していたこと、こういったことを実行することが私は必要だというふうに思います。そうしないとなかなか筋が通らないと思っていますので、今般の合意をさせていただいたということでもあります。
Question
朝日新聞です。企業団体献金についてお伺いします。今の公明・国民案について、受け手規制に関しては立憲民主党も賛同している状況です。自民党と維新の会が乗れば2年後の総裁任期を待たずして、この法案は通ると思うのですけれども、なぜこの2年という期間を設けたのか。そして臨時国会で、この受け手規制だけでもこの法案として成立させる考えはないのか、この2点をお伺いします。
Answer
(吉村代表): まず企業団体献金の禁止は、維新の会として掲げて参りました。そして国民民主党と公明党も提案されていますが、ただ国民民主党も労働組合から団体献金を受けております。その上で考えたときに、それぞれの政党が、ある意味そのポジションに立った考え方のトークをしているのではないかと僕なんかは感じます。そう考えると、政治資金のあり方っていうのをもっと抜本的に考えるべきだというふうに思っています。例えば、共産党においては赤旗を政治資金にしている。その中で自民党さんは企業団体献金、これは受けることは悪いことではないと、むしろそれは海外でもそういうものはあるじゃないか、そしてそれは透明性を持たせることが大事なのだという考え方です。それぞれやはり考え方と立ち位置が違う。非常に難しい問題であると思いますが、これについてもチャレンジする必要があると思っています。だからこそ、今回の協議においては、企業団体献金において、企業からの献金のあり方、そしてある意味、労働組合から受ける献金のあり方、上限規制をどうすべきなのか、あるいはその機関紙という形で政治資金を受けることはどうするのか。そういったことも含めて、高市総裁と自民党の皆さんとしっかり真摯に協議をして、総裁の任期中に一定の国民の皆さんに信頼される結論を得たいというふうに思っています。政局ではなくて、真剣にこの政治資金の問題を考えるべきだというふうに思っています。
Answer
(高市総裁): 令和7年の臨時国会の中で、この議論をする協議体を設置するという約束になっておりますので、協議体設置してしっかりと議論を進めて参る。そういう立場でございます。
Question
朝日新聞です。臨時国会の間に成立させるお考えはないのでしょうか。
Answer
(吉村代表): ありません。臨時国会で、これから議論するという話なので、企業団体献金の合意内容というものがまとまっていない中で、臨時国会で企業団体献金の話をまとめるのは難しいのだろうと思っています。
Question
朝日新聞です。総裁も同じ考えでしょうか。
Answer
(高市総裁): とにかく臨時国会は経済対策ここが本当に大切なところだと思います。多くの国民の皆様、また企業の皆様、特に賃上げ税制の恩恵も受けられない、それでも一生懸命、歯を食いしばって、いい技術を持って頑張っている地方の中小企業の皆様もいらっしゃいます。あと農林水産業も今、本当に大変です。これはもう資材価格の高騰もあり、大変な思いをしてやってらっしゃる。そして医療機関、もうこれ大赤字です。7割が大きな赤字、そして福祉施設、ここの倒産も過去最多。この状況を何とか脱するために、臨時国会とにかく経済対策をしっかり打つ。補正予算を仕上げる。ここは注力しなければならないところです。一歩一歩、しっかりと対応していく前に進めていく、こういった姿勢でございます。