2025年5月19日(月) 17:45~18:00
於:党本部平河クラブ会見場

記者会見を行う森山裕幹事長
【冒頭発言】
本日の役員会の概要を報告いたします。
石破総裁 からは、農林水産大臣の発言は極めて重大なものと思っている。コメが高いという時にあって、国民の皆様に大変申し訳ないと思っている。厳重に注意をしたい。深くお詫びを申し上げる。
先週の衆議院に引き続き、本日、参議院・予算委員会において集中審議が行われ、政府としての取り組みを説明させていただいた。
年金法案については、16日(金)に国会に提出した。党内でも様々なご意見がある中、政調会長を中心に議論を重ね、まとめていただいたことに心より御礼を申し上げる。明日の本会議で法案の審議が始まる。今回の改正法案の意義について広くご理解をいただくべく、分かりやすい説明、議論に臨む。
先週16日(金)には、備蓄米が、より円滑かつ広範に供給されるよう、夏まで毎月10万トンずつ売渡し、その中で、小売り主導の入札優先枠の設定等により備蓄米の売渡しを行う運用改善のためのパッケージをとりまとめたところであり、今後も、可能な限り早く、手に取りやすい価格で消費者の皆様の手に渡るよう、一層のスピード感と危機感を持って取り組んでいく。
党からの提言を踏まえ、ガソリン・軽油について、今週22日から段階的に価格を引き下げ、リッターあたり10円引き下げる。これにより、ロシアのウクライナ侵略開始直後の水準まで引き下がることとなる。
暑くなる夏への対応として、電気使用量が増加する7、8、9月の3ヶ月について、電気ガス料金への支援を実施するべく、党とも連携し、具体的な内容を今月中に決定したい。
米国関税措置への対応として、今週にも赤澤大臣が訪米する方向で調整している。引き続き、米国の関税措置全ての見直しに向けて取り組んでいく。
先月に引き続き、今週21日(水)には、党首討論が開催される。本日も予算委員会で議論になった、物価高への対応、米国関税措置への対応など、国民生活にとって喫緊の課題について、国民の皆様に我々のこれまでの取組と今後に向けた考え方についてご理解いただけるような議論を行いたい。
まもなく、会期も残り1か月となり、国会も終盤戦。役員各位と一致結束して臨みたい。引き続きのご協力をお願い申し上げる。
私(森山幹事長)からは、参議院選挙に関連して、夏の参議院選挙の必勝に向けて、先週までに、衆議院の5期生までを対象に「期別打合せ会」を行い、選挙に向けた具体的な取組みについてお願いをした。
参議院選挙を巡り、報道各社から様々な世論調査の数字が出ているが、わが党は地域に根差した唯一の国民政党であるから、数字に一喜一憂することなく、所属議員一人ひとりが現場の声に耳を傾け、課題解決に取り組んでいくことが重要だと考えている。
我々の政策や考えを国民の皆様にご理解いただけるよう、一致団結して選挙戦に臨みたいと考えているので、役員各位のご理解・ご協力をよろしくお願いする。
坂本国対委員長と石井参議院国対委員長からは、今週の委員会の日程や本会議の予定等について、ご報告がありました。
武見参議院会長と松山参議院幹事長からは、参院選を見据えて、スムーズな会期末を迎えられるよう対応していく旨のご発言がありました。
古川選対委員長代理からは、都議選及び参院選に向けた準備を進めていく旨のご発言がありました。
小野寺政調会長からは、今週の政審の予定などについて、ご報告がありました。
鈴木総務会長からは、総務会は、明日11時より開催するとのご報告がありました。
役員会の概要は以上です。
質疑応答
- 時事通信です。年金関連法案についてお伺いします。年金制度改革関連法案が審議入りします。野党は法案修正を求めていますが、自民党としてどのように臨むのでしょうか。また修正する場合、担当レベルをはじめ、どのように協議を進めることが適切だとお考えでしょうか。
- 今回の年金改正法案では、非常に幅広い改正項目が検討されております。年金制度は国民の暮らしに直結する大きな関心事でありますので、党においても、関係団体の皆様などから丁寧にご意見を伺い、議論を重ねて参りました。
本法案については、明日の本会議において石破総理の趣旨説明質疑が行われ、審議入りする予定と承知しております。国会の審議を通じて、野党の皆さんのご意見も真摯にお伺いしながら、法案成立に向けてしっかりと取り組んで参りたいと思います。
- 共同通信です。冒頭に総裁の発言をご紹介いただきましたけれども、江藤大臣が昨日、佐賀市での講演で、コメについて「(私は)買ったことがありません。支援者の方が沢山くださるので、まさに売るほどある。」と発言されました。発言については今日午後、釈明、修正されましたけれども、コメの高値が問題となる中での所管大臣の発言にその資質を問う声が上がっています。幹事長としての受け止めと、江藤氏の職務継続の是非についてご見解をお伺いします。
- コメの価格高騰に対しましては、我々は引き続き対応していかなければなりませんが、今回の江藤大臣の発言は配慮を欠いた発言であったと受け止めております。本人は自らの発言を反省し、発言を取り消しておられるというふうに思いますが、今後も更に備蓄米の売り渡しの状況を注視していただいて、効果分析なども適切に行っていただいて、米の価格が正常な形となるようにしっかりと対応していただきたいと思います。
- 読売新聞です。本日の参院予算委員会で、コメ農家への戸別所得補償について話題になりました。これについて石破首相は「努力をしてコストを下げていった方々に対して、補償を行うという考え方は成り立ちうる」「所得補償を否定しているものでは全くない」などと答弁しました。コメ農家への所得補償の是非についてどのようにお考えか、また、農業支援のあり方について、どのように検討していくか、お考えをお聞かせください。
- 石破総理がどのような意図でそのような発言をされたのか分かりませんので、論評は差し控えたいと思います。わが党はこれまでも、様々な施策を通じて農林水産業の収益力向上に取り組んで参りましたが、引き続き、コメも含め、農業・農村の所得増大に向けて努力を重ねて参りたいというふうに考えております。
- NHKです。検討中の秋の補正予算案の財源についてお伺いします。立憲の野田代表は昨日「自民党は、立憲民主党が減税にかじを切った瞬間から、急に財政規律を重んじる立場を強調しているが、極めて政局的に感じる。そこまで財政規律を重んじるのであれば、秋に補正予算案を編成するというのはありえず、赤字国債ではなくきちんと財源をつくらなければできないはずだ」と述べました。補正予算を編成する場合の財源についてどのようにお考えかお聞かせください。
- 我々はこれまで、経済・財政を一体的にとらえて、常に財政規律の重要性を認識しながら、様々な重要施策に取り組んで参りました。野田代表の「急に財政規律を重んじる立場を強調」しているというご指摘は、事実と異なっているのではないかと思います。
補正予算につきましては、物価の上昇に向き合ってきた国民の皆様の声に真摯に耳を傾けながら、現下の物価の変動や、不確実性の高い米国の関税措置の動向を十分に注視し、財源について政府ともよく相談しながら、適宜・適切に検討していく必要があると考えております。
- 朝日新聞です。東京都議選の告示まで1カ月を切りました。都議会自民党の不記載問題などの影響もあり、『逆風』と言われています。参院選へ向けて党内では都議選をどのように位置づけていますか。また、どう戦いますかお考えをお聞かせください。
- 来月の東京都議会議員選挙は、夏の参議院選挙に向けて極めて重要な選挙であると認識しております。余談を許さない状況でありますので、東京都連との連携を密にして、党本部へのご要請などを伺いながら、党の公認候補全員の当選に向けて本部としても、しっかりと取り組んで参りたいと考えております。
- 東京新聞です。企業・団体献金を巡る国会での議論について伺います。自民党は3月末に公明、国民民主両党と企業・団体献金の規制強化に向けた合意をしましたが、合意に基づいた法案はいまだに提出されず、国会での議論が進んでいません。会期末まで残り一ヶ月ほどとなりますが、法案を会期内に提出する考えはあるのでしょうか。現在の検討状況をお聞かせください。また、企業・団体献金を巡って今国会で何らかの結論を出す必要性があるのかどうか、どのようにお考えでしょうか。
- 現場での調整が続いておりますので、幹事長の私が意見を申し上げることは、差し控えたいと思います。法案につきましては、国会および与野党それぞれの政治改革本部において、修正に向けた検討が続けられていると承知しております。
- 東京MXテレビです。先日、東京都連開催のパーティーの収入に不記載があった可能性があるとの報道がありました。党本部として把握している状況と、今後の対応についてお伺いします。
- 現在、東京都連において調査中であり、改めて党本部に報告がなされると承知しております。
- 沖縄タイムスです。西田昌司参院議員がひめゆりの塔の説明書きについて「歴史の書き換え」などと発言したことに、沖縄県議会は16日、西田氏に撤回、謝罪を求めるとともに、党に西田氏の処分や沖縄戦への認識を示すことなど求める抗議決議を可決しました。文書は届いていますでしょうか。その上で決議と内容への受け止めと、対応について見解をお伺いします。併せて、本日沖縄県連会長と面談されていますが、西田氏の発言を巡り、どのような返答をしたのでしょうか。県議会から直接要請を受ける調整はしているのでしょうか。
- 文書はまだ受け取っておりません。本日の面談内容をお話しする事は差し控えますが、県議会からの面会要請があれば、県連とも相談の上、調整させて頂きたいと思います。
先週の会見でも申し上げた通り、今回の発言は、先の大戦において大変な苦難を経験された沖縄県民の皆さまの歴史と心を傷つける、配慮を欠いた発言であったと思っております。
私の政治の師である山中貞則先生の「沖縄のことはどんなことをして差し上げても、やりすぎることはない」という言葉を改めて胸に刻み、県民の皆様のお気持ちに寄り添いながら、引き続き、基地負担の軽減や沖縄の振興に取り組んで参りたいと考えております。