2023年9月26日(火) 10:20~10:37
於:党本部平河クラブ会見場

茂木幹事長

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【冒頭発言】

本日の役員会の概要を報告いたします。
岸田総裁からは、先週、国連総会ハイレベル・ウィークのため訪米し、一般討論演説やFMCTハイレベル記念行事、ウクライナ問題安保理特別会合などに出席した。国際社会が複合的な危機に直面する今こそ、分断・対立ではなく、協調に向けた取組みが必要であり、「人間の尊厳」が守られる世界を目指し、地球規模課題へグローバルサウスと協力して対応すること、法の支配を守り抜く国連の機能を強化すること、核軍縮・不拡散の主流化、これらの必要性を訴えた。併せて、米国を代表する経済人が集まるニューヨーク経済クラブで講演を行なった。ネット中継をみたバフェット氏からも良い感触のメッセージをもらうなど、新たな成長軌道に踏み出しつつある日本への関心の高さを強く実感した。今週から世界の投資家を日本に招聘する「ジャパン・ウィークス」を開催する。日本市場の魅力を発信する好機としたい。
経済対策については、本日この後の閣議において、5つの柱、1つは足元の急激な物価高から国民生活を守るための対策、2つめに地方・中堅中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長の実現、3つめに成長力の強化・高度化に資する国内投資促進、4つめ人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の起動・推進、5つめに国土強靭化、防災・減災など国民の安心・安全の確保、この5つの柱をお示しし、来月中を目途に取りまとめを目指すよう関係閣僚に指示する。政府・与党の密接な連携のもと、精力的に取りまとめを進めていく。取りまとめ後、速やかに補正予算の編成に入る。
年収の壁については、時給1000円超えの最低賃金が動き出す来月から、「106万の壁」を超えても、給与収入の増加に応じて手取り収入が増加するよう支援策を強力に講じる。「130万円の壁」についても、被保険者の適用拡大等を推進していく。
まずは、国民生活を守るための経済対策の策定を最優先に、先送りできない課題に一つ一つ取り組む。役員各位には、引き続きご協力をお願いする。
なお、今、党則第79条機関人事、政調役員人事についての調整をしてもらっている。幅広い方に役員になっていただきたいと考えているので、党7役等については原則として兼務を避けて欲しいと考えている。これは原則、そういう考え方に基づいて調整していきたいと思うので、この辺、政調会長ともよく調整させていただきたいと思う。
私(茂木幹事長)からは、先週金曜の総務会で、幹事長代理をはじめとする人事が決定しました。決定した人事は、お手元に配布した資料の通りです。現在、政調の役員、国会人事、参議院からの副幹事長の人事等について、それぞれ調整を進めてもらっています。調整が済み次第、順次決定していきたいと思います。
岸田総理は先週、国連総会でニューヨークに出張された。総理が国連総会等の場において、ロシアによるウクライナ侵略、食料・エネルギー安全保障、気候変動問題など、直面する複合的な課題に取り組むため、国際社会が体制や価値観の違いを超えて、「人間の尊厳」を軸に協力すべきとの考えを世界に発信したことは、大きな意義があったと思う。
いよいよ衆議院長崎4区、参議院徳島・高知選挙区の2つの補選が間近に迫ってきた。山積する内外の諸課題の解決に向け、政策を前に進めるためには、安定した政権基盤が不可欠である。今日は午後に、参議院において補選の打合せ会も開催してもらう予定である。必勝に向け、党一丸となって全力で臨みたいと思うので、役員各位のご協力をお願い申し上げる。
髙木国対委員長からは、特段ご発言はありませんでした。
野上参議院国対委員長からは、引き続き連携を密にし、全力で取り組んで参るのでよろしくお願いしたい。
関口参議院会長からは、19日に行われた参議院自民党の特別総会において、参議院自民党役員人事を決定した。議員副会長に山本順三君、松山政司君。幹事長に世耕弘成君。政策審議会長に福岡資麿君。国会対策委員長に野上浩太郎君を決定した。党本部と緊密に連携して参るので、引き続きよろしくお願いする。
世耕参議院幹事長 からは、先週19日の参議院特別総会において、引き続き参議院幹事長を拝命した。関口会長の指導のもと、全力で頑張っていくので、改めてよろしくお願いする。
参議院徳島・高知及び衆議院長崎4区補欠選挙に関する、比例代表を中心とした打合せ会を本日の13時から開催する。党本部からも茂木幹事長、小渕選対委員長、金子組織運動本部長に出席していただくことになっている。党本部、県連と緊密に連携し、参議院自民党の総力を結集して取り組んでいくのでよろしくお願いする。
小渕選対委員長からは、本日の役員会終了後、岸田総裁より、参議院徳島・高知選挙区補欠選挙の西内健(にしうち・けん)候補予定者に対して公認証を交付いただくこととしている。先週、公認証を交付した衆議院長崎4区補欠選挙と併せて、両選挙の必勝を期して、役員各位のご支援、ご協力をお願い申し上げる。
萩生田政調会長からは、昨日、総理から経済対策について指示をいただいた。部会長が決まり次第、速やかに各部会での議論を本格化したい。「物価対策」はもとより、「持続的賃上げ」や「投資の拡大」、更には少子化対策、デジタル社会への移行といった「社会変革の推進」、防災・減災・国土強靱化や安全保障環境への対応などによる「国民の安全・安心の確保」について、来月中旬には党としての対策を取りまとめ、総理に申入れしたいと考えている。
森山総務会長からは、本日は案件がないので、総務会は開催しない。次回、今週29日(金)11時から、先週に引き続き、党役員の人事が想定されているので、総務会を開催する。
役員会の概要は以上です。

質疑応答

Question
テレビ東京です。経済対策について伺います。昨夜、岸田総理は、物価高対策、構造的な賃上げ、投資拡大の流れの強化など、5つの柱建てを公表しました。今回のこの柱建てについて幹事長の評価をお願い致します。
Answer
足元の物価高であったりとか、原材料価格の値上がり、人手不足などが深刻化していると、人口減少・少子化も待ったなしの課題であります。これらの重要課題の解決、そして構造的賃上げや投資の拡大による日本経済の再生という観点から、適切かつ効果的な柱立て、5本の柱になっていると、そのように考えています。
Question
テレビ東京です。経済対策の規模について、党内から一部の幹部からは、15兆円から20兆円程度の規模が必要だとの声も上がっていますが、幹事長としては、今回の経済対策の規模感はどのように考えていらっしゃいますか。
Answer
まさに今日、総理の方が閣僚にこの5本柱の指示を出すと、党の方でも先ほどありましたように、自民党においては部会長が決まり次第、この議論を開始して10月の半ばには、この取りまとめを行いたいと、このように政調会長も発言をしております。まさにこれから議論というのが本格的にスタートすると。そういった中で具体策を積み上げていくと、そういう作業が進むのだと考えています。
Question
フジテレビです。経済対策の裏付けとなる補正予算の編成時期について、総理は昨日、記者団に対し「取りまとめ後、速やかに補正予算案の編成に入りたいと考えている」と言及しました。一方、提出時期については言及を避けました。提出時期を触れなかったことにより、党内からは経済対策をとりまとめた後に、総理が衆院を解散するのではないかという観測が出ていますが、幹事長としては、補正予算案を編成後速やかに提出すべきだというご認識でしょうか。お考えを伺います。
Answer
党内で、どういう観測が出ているか、全部把握しているわけではありませんけれど、経済対策を来月中に取りまとめるということで、今作業をスタートしていると加速化するわけでありますけれど、補正予算のスケジュールについては、政府において決められるものだと、このように考えています。
Question
毎日新聞です。国会議員の公設秘書を地方議員が兼職していた件についてお伺いします。この件に関して、与野党では党の内規や法的措置によって兼職を制限する検討や、法律の整理について超党派で検討すべきだとする声も上がっています。自民党としては、既に兼職が判明した事案について公設秘書を交代する手続きを進め、他の党所属議員に該当者がいないか調査されていますが、今後の党の対応についてお考えをお聞かせください。
Answer
先週末から、週末にかけて先週お話して、すでに解消の手続きに入っている2件以外について、全国会議員について調査をかけまして、その結果、2件以外にはわが党において地方議員との兼職は無いと確認しているところであります。公設秘書については、「国会議員秘書給与法」で現在も兼職は原則禁止ということになっているわけであります。その上で、国民が違和感を抱くような事案が生じることは良くないと、そのように考えておりまして、制度の見直しを含めて今後の対応を検討していきたいと思います。
Question
朝日新聞です。私の聞き漏らしであったら恐縮なのですが、今日、麻生副総裁から冒頭発言は何かありましたか。
Answer
ありませんでした。
Question
朝日新聞です。杉田水脈衆院議員についてなのですけれども、アイヌ民族をめぐる投稿で、札幌法務局から「人権侵犯」との認定を受けました。この点についての幹事長としての受け止めをお伺いします。また杉田議員はこれまでも差別的な言動で与野党から批判を受けている状況になります。今後、選挙での公認の是非を含め、党として検討している対応があればお伺い致します。
Answer
差別は決してあってはならないものだと、このように考えています。投稿については本人が既に撤回したと、このように承知していますが、そのような投稿があったこと、残念なことだと思っています。公認候補者をどう選定するかについては、これまで通り候補者の資質などを踏まえ、選挙時に適切に判断していきたいと思います。
Question
北海道新聞です。政治家への寄付は交付金の問題について伺います。先週、高市経済安保相や萩生田光一政調会長、小渕選対委員長が2021年の衆院選に絡んで、国の公共事業を請け負っている業者から寄付を受けていたことが判明しました。また、高市大臣については、党本部から受けた交付金は政治資金収支報告書に記載していなかったことも分かりました。政治とカネを巡る話が少し判明していますが、幹事長はどのように受け止めていますか。
Answer
わが党は、昨年、日本の政党で初めてとなるガバナンスコードを策定しまして、この中で政治資金の取扱いに関する「厳正なコンプライアンス対応」の中で、丁寧に説明責任を果たす等々、しっかりと規定をしたところでありまして、まずは、今お話のあった議員も含めて、それぞれの議員に、関連する法令であったり、党のガバナンスコードの趣旨に則って、国民に丁寧に説明をしてほしい、このように考えています。
Question
産経新聞です。参院徳島・高知補選について伺います。先程、総裁の方から西内候補に公認証が交付されました。同補選は自民党前議員の不祥事が発端となったこともあって、苦戦の可能性も指摘されています。現時点の情勢認識と、今後の支援体制などについて改めてご所見を伺います。
Answer
来月、長崎も含めて衆参2つの補選が行われるわけでありますが、岸田政権の新たな体制のもとで行われる最初の国政選挙でありまして、極めて重要な選挙と位置付け、党を挙げて取り組んでいきたいと思っています。わが党公認の西内さん、これまで県議4期の実績等を持っておりますが、今回の補選におきましては、高知県も全県に選挙区が広がる、さらには徳島県も選挙区になる。選挙区の範囲も大幅に拡がるわけでありまして、しかももうすぐ補選告示になるということでありまして、短期間で運動量を圧倒的に増やしていかなければならないと考えています。高知県における戦い方、また徳島県における戦い方、若干違ってくると考えていますけれども、それは戦術に関連しますので詳しくは申し上げません。いずれにしても、高知県連、徳島県連、さらには参議院も含めて党本部、しっかり連携をして、必勝を期していきたいと思います。