2023年6月12日(月)17:48~18:10
於:党本部平河クラブ会見場

【冒頭発言】
今日、役員会に先立ちまして、昨晩ご逝去されました青木元参議院議員会長に対して、黙とうを捧げさせていただきました。
本日の役員会の概要を報告いたします。
岸田総裁からは、青木幹雄 先生がお亡くなりになられました。平成11年には官房長官、平成16年からは自民党参議院議員会長を長く務められるなど、日本の政治史に大きなご功績を残されました。青木先生のご逝去にあたり、心から哀悼の意を表させていただきます。
今月初めの台風2号、線状降水帯による記録的な大雨により、各地で土砂災害が発生した。被災した方々への支援に引き続き万全を期していく。一方、豪雨が激甚化する中、線状降水帯発生情報の早期発出、ダムの事前放流、計画的な河道掘削等の結果、氾濫発生河川数が減少するなど、これまで自公政権で進めてきた「防災・減災、国土強靭化」の効果が表れていると報告されている。これから本格的な出水期を迎える中、今後とも、ダムの事前放流や迅速な情報発信など、万全の体制を取っていきたい。
先週、「骨太の方針」や「新しい資本主義実行計画」の原案をお示しした。党と最終調整を行い、今週16日に決定したい。また、「統合イノベーション戦略2023」については、9日に決定をした。これら重要な政策方針をとりまとめ、岸田内閣の経済財政運営と、改革の基本方針を分かりやすく示していきたい。
集中的に議論を行ってきた「こども未来戦略方針」については、明日、閣議決定する予定。その後、記者会見を開き、私自身から、今回の方針のポイントと支援策の内容を改めて国民の皆様に対して丁寧に説明する予定である。
議員立法のLGBT理解増進法については、幹事長、政調会長、国対委員長はじめ多くの役員に幅広い合意を得ていくために精力的に調整をいただき、衆内閣委員会で可決された。関係者のご努力に敬意を表したい。日程が差し迫った中、参議院での尽力をよろしくお願いする。
国会は、会期末の、まさに最終局面。最後まで重要な法案の成立に向けて努力していく。役員各位の今一層のご協力をお願いしたい。
麻生副総裁からは、特段ありませんでした。
私(茂木幹事長)からは、青木幹雄元参議院議員が、昨日、89歳でご逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。参議院議員を4期務め、参議院議員会長、内閣官房長官などを歴任され、党葬に該当されますが、お受けいただけるかどうかも含め、詳細については、現在、ご遺族はじめ関係者のご意向を確認中である。
「こども未来戦略方針案」について、先週金曜日の総務会でご了承をいただいた。こども・子育て政策については、党内でも精力的に議論を重ねて来たが、今回の戦略方針案では、3つの基本理念に基づき、まず集中取組期間で3兆円台半ばまで予算規模の充実を図り、現在のこども家庭庁予算4.7兆円を最初の3年間で1.5倍に拡大することとしている。
わが国が直面する少子化の反転に向け、ここからの取組みが重要となる。政府・与党連携して、実行に向けた取組みや今後の課題の検討を加速していきたい。
「LGBT理解増進法案」について、このあと国対報告があると思うが、与党案の内容を維持しつつ、法案の趣旨からして、出来る限り多くの会派の賛同を得て可決すべく、与野党間、現場レベルで最終調整し、先週金曜日の衆議院内閣委員会で可決された。萩生田政調会長、高木国対委員長、実務の責任者、新藤義孝先生、委員会の井上信治筆頭理事はじめ調整に当たって頂いた方々のご尽力に感謝申し上げる。
今回の法案は性的マイノリティの人たちの生きづらさに配慮したものですが、この立法により新たな権利が与えられるものではなく、例えば、女性を自称する男性が女子トイレや女湯を利用できるようになるわけでもありません。新たに設けた12条では、措置の実施等に当たり「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう留意」する旨、明記しており、多くの国民やマジョリティの方々にとっても安心につながる説明を尽くしていきたい。
国会も残り10日となったが、財源確保法はじめ重要法案の審議が続いている。特に、参議院の皆様には、連日、ご苦労をおかけしているが、最終盤の国会、一層の緊張感を持って、全法案の会期内成立を期してまいりたい。
髙木国対委員長からは、先週金曜の内閣委員会において、「LGBTの自公案」を、自民・公明・維新・国民の4党による修正のうえ可決した。明日の本会議に上程する。
明日の本会議は13時から、故北村誠吾先生の追悼演説、これは上川陽子先生が行います、情報監視審査会の年次報告および議了案件の採決を行う。
本日の午前中、総理にご出席いただき、平成30年度および令和元年度決算を決算行政監視委員会で採決した。
提出された閣法は、すべて参議院に送付済である。会期末に向け、参議院側は大変窮屈な日程となるが、何卒よろしくお願いしたい。
野上参議院国対委員長からは、本日、財政金融委員会は、財確法案について、福島県で地方公聴会を行なった。
決算委員会は、13時に開会し、令和3年度決算について、全大臣出席・TV中継の下、締めくくり質疑を3時間45分行なった。そして現在、この発言の時点でありますが、討論・採決・警告決議等を行っている。
明日13日(火)は、7常任委員会が開かれ、3件の採決が予定されている。
財政金融委員会は、財確法案の質疑1時間30分を行い、その後の日程について引き続き協議となっている。
残る会期は、平日において、本日を含めて僅か8日。重要法案を抱えている参議院において、いよいよ大詰めを迎えており、法案成立に向けて、衆議院と連携を密にし、全力で臨んで参るので、よろしくお願いする。
関口参議院会長からは、昨日、青木幹雄元参議院議員会長がお亡くなりになり、とてもさびしく、残念でならない。数々のご功績をしのび、心からご冥福をお祈り申し上げる。
会期末まで一週間余りとなったが、全ての法案を成立させるべく、さらに気を引き締めて取り組んで参る。引き続きよろしくお願いする。
世耕参議院幹事長からは、青木幹雄先生の訃報に接し、心からご冥福をお祈りしたい。私も初当選した時には、参院幹事長でいらっしゃった。色々ご指導を頂いた事を大変懐かしく思い出している。
先週提出された、れいわの山本太郎君に対する懲罰動議が提出された。一国会で二人の懲罰が懲罰委員会に付議されるのは前代未聞の事態であり、院の秩序というものについてもう一度我々もしっかりと考えないといけない。
会期末が迫って、本当に緊迫した状況が続いている。特に、財政金融委員会の防衛財源確保法も、日程次第ではあるが、この委員会にかかってくる残りの閣法と議員立法が非常に日程的に厳しい状況になっているので、最後まで全力で頑張って参りたい。
森山選対委員長からは、10増10減に伴う支部長調整に関し、「減員区」である和歌山県、山口県、長崎県の調整も大詰めを迎えている。今週にも最終調整を図り、支部長選任会議を開催して決定したいと考えているので、よろしくお願いする。
萩生田政調会長からは、いわゆる「LGBT理解増進法案」については、出来るだけ幅広く賛同を得られる環境を整えるとの観点から、維新、国民民主との修正協議を行い、修正案は先週金曜日の衆議院内閣委員会で可決された。本法案に関する懸念事項についても、委員会審議を通じて提案者から説明し、その内容は議事録にも残されている。今後も引き続き丁寧な説明に努めてまいりたい。
先週木曜日に政調全体会議を開催し、「骨太の方針」、「新しい資本主義の実行計画」、「規制改革実施計画」について、約3時間にわたって議論した。これらの案件については明日、改めて政調全体会議を開き、政府側から修文の説明を受けたうえで、更に出席者から意見を聞くことにしている。
今週の木曜日には、政調審議会を行うことになっているので、それまでに平場の手続きが終了すれば、「骨太の方針」等についても政審で審査を行いたいと考えている。
遠藤総務会長からは、明日は、総務会を開催しない。次回は、16日(金)の開催を予定しているが、決まり次第連絡する。
役員会の概要は以上です。
私の日程ですが、今週末、17日(土)は千葉県の県連大会に出席する予定です。また、18日(日)は私が県連会長を務めている地元栃木県の県連大会が予定されています。
以上です。
質疑応答
- 朝日新聞です。先ほど、幹事長からもご紹介がありましたが、青木幹雄元官房長官が亡くなられました。訃報に触れられての受け止めと、それから幹事長ご自身、青木元官房長官との間での覚えの残る、あるいは記憶に残るやり取りなどがあれば、ご紹介をお願いいたします。
- 体調を崩されていたことは伺っておりましたが、突然の訃報に接して、悲しみの念でいっぱいであります。青木幹雄先生は、党の参議院議員会長、政府では内閣官房長官を務められるなど、幅広い人脈、豊富な経験のもと、様々な重責を担ってこられました。長年のご功績に敬意を表し、心よりお悔みを申し上げます。青木先生は、同じ平成研の大先輩でありまして、衆参の枠を超えて、時に触れ温かいご指導を常に賜って参りました。改めて御礼を申し上げ、心よりご冥福をお祈りいたします。
- 朝日新聞です。政界引退後も青木さんは特に、参院を中心に平成研には影響力を持ちました。これは幹事長としてというより、派閥の会長としてということになるのですが、茂木派の会長として、今後は、今回の亡くなられたことが派閥にどういった影響を持ち得るか、それからまた派閥の会長として、どういった派閥運営をされていくか、お考えを伺い出来ればと思います。
- 青木先生、衆議院、参議院を問わず、多くの議員が、ご指導を受けてきたわけであります。平成研として、一層結束を図り、さらなる発展に努めることで、青木先生のお志しやご功績をみんなでしっかりと受け継いでいきたいと考えております。
- NHKです。LGBTの理解増進法案について伺います。この法案の衆議院本会議での採決について、自民党内から一部で党議拘束はかけないでほしいという意見が出ています。内心に関わる問題であるとして意見が出ておりますけれども、党議拘束に関する幹事長のお考えと、採決で反対する議員が出た場合の党としての対応について教えてください。
- わが党の党議拘束は、党則の党規律・規約第9条に党議に従うべきものとして明記されておりまして、極めて重いものだと考えています。党規律・規約第9条については後でご覧いただければと思うところであります。
唯一の例外は2009年に採決された議員立法の「臓器移植法案」ですが、このときは、党議拘束を外すことが適切という執行部の提案を総務会として了承したと、それで党議拘束を外したと、こういう経緯があるわけであります。
「LGBT理解増進法案」については、党内手続き、最終の総務会においても、党議拘束に関する意見はなく、全会一致で了承されたものであります。当然、党議拘束はかかります。
- テレビ東京です。衆院解散について伺います。自民党内でも、野党の不信任決議案は解散の大義になるという意見も出ておりますけれど、仮に野党から内閣不信任案が出された場合の対応について幹事長のお考えをお聞かせください。
- まず、岸田内閣、日本が直面する内外の諸課題の解決に全力で取組み、先日のG7広島サミットもそうでありましたが、外交・安全保障、少子化対策など幅広い分野で、着実に成果を挙げてきております。また、現在、経済の状態を見ても30年ぶりとなる高い賃上げであったり、前向きな投資拡大、こういったものが大きく動き出しているところであります。信任に値しないという理由は全く思いつかないわけでありますが、一部の野党がそうだと主張するのであれば、まず、その理由を聞いてみたいと、こんな風に思うところであります。それでもなお、会期末に向けて不信任決議案を出すということであれば、解散総選挙で国民の信を問うか、国会で明確に否決するかと、総理がその時点で適切に判断されると思います。
- テレビ朝日です。内閣支持率が先月より4.4ポイント下落しまして、36.9%。一方、支持しないという回答は4.1ポイント増えて37.7%でした。支持率が下落基調とも見えますが、この受け止めと、どういった要因が考えられるという風にお考えでしょうか。また、先ほどの質問でも出ましたが、この状況で幹事長として解散総選挙はおこなっても問題ないとお考えでしょうか。
- 毎回申し上げておりますが、世論調査の結果については、謙虚に受け止めなければならないと考えております。下落基調というのはトレンドですから、それが続いていることを指すのだと私は、思っておりますが、いずれにしても各社の世論調査、問いの設定であったりとか質問形式も違っておりますので、調査結果にも当然違いが出てくるわけでありますが、週末の、ご質問の世論調査でも、児童手当の所得制限の撤廃であったり、高校までの対象拡大は賛成が5割を超えるなど、少子化対策をはじめ政権の重点政策については、評価を頂いているとこんな風に理解をしております。
- テレビ朝日です。子供の性被害防止策について伺います。今日、自民党では、かつてジャニーズ事務所に所属していた方を招いて話を聞くなどの会合も開かれていました。自民党として子供の性被害防止策にどのように取り組む考えでしょうか。
- まず、子供に対する性加害は、あってはならないと、このように考えています。虐待であったりとか性暴力の問題については、本日役員会を開きました政調の「虐待等に関する特命委員会」や上川幹事長代理が会長を務める「性暴力の無い社会を目指す議員連盟"One is too many."から取って、通称・ワンツー議連と、こんな風に呼んでいますが、この議論を行っておりまして、こうした議論を通じて、適切に対応していきたいと思っております。