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2023年2月6日(月)17:26~17:50
於:党本部平河クラブ会見場

茂木幹事長

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【冒頭発言】

岸田総裁からは、先週、予算委員会の基本的質疑を終えた。防衛力の抜本的強化、こども・子育てを中心に、電気料金など物価高対策、賃上げ、中小企業対策、エネルギー政策など幅広く議論を行った。
中でも、こども・子育て政策の強化について、国民の関心が高いことを肌で感じている。児童手当制度、130万円の壁、教育負担軽減、若者の賃上げや住宅の充実などについて、与野党から様々な提案があった。
今後、総合的に対応策を検討していくが、私が目指すのは、これまでの政策支援の範囲や、金額を変えるということにとどまらない。パートや非正規の方々を含め、あらゆる方が希望に応じて活躍し、 収入を増やし、育児を行える社会を創っていきたいと考えている。
また、男性、企業、地域など、いわば子育てに関する「社会の意識」そのものの変革を目指していきたい。これら全体の変革を同時に進めていくことが「次元が異なる」こども子育て政策だと申し上げている。
一昨日、石川、福井を訪問し、子育て最前線の若い世代の方など、様々な立場におられる皆さんから、最前線の生の声をお伺いする「こども政策対話」をスタートさせた。今後、こうした機会を持ちながら、私自身が先頭に立って、次元の異なるこども・子育て支援を実現していきたい。
先般の総理秘書官の発言については、全く政府の方針に反するものであり、速やかに総理秘書官としての職務を解く判断を行った。引き続き、多様性を尊重し、包摂的な社会を実現していく、という政府の方針について、丁寧に説明していく。
政府のこうした方針について、国民に誤解を生じさせたことは遺憾であり、また、不快な思いをさせてしまった方々にお詫び申し上げる。
今週8日には、予算委で集中審議が予定されるなど、国会での論戦は続いていく。高い緊張感をもって、引き続き、丁寧に我々の考えを説明していきたい。御協力をお願いする。
私(茂木幹事長)からは、党大会まであと3週間となった。党大会で発表する党運動方針案について、明日の総務会にお諮りする予定である。これまで福田実行委員長、小渕起草委員長の下で調整を進めてもらい、党の姿勢や決意がストレートに伝わる運動方針案になったと考えている。
今回の党大会は、90回の節目であり、4月の統一地方選への総決起大会の意味合いも持つ重要な大会である。未来志向の政策の推進、そして統一地方選の勝利に向けて、全国の党員・党友の結束を図る「躍動感」あふれる党大会となるよう、今後さらに準備を加速していきたい。
党改革実行本部の下に新たに「多様な人材の育成と登用PT」を立ち上げる。今週8日に初会合を開き、女性・若者活躍や党の活性化に向けて議論を進めていきたい。
この「多様な人材の育成」に限らず、今後、多様性という考え方は、より重要になってきている。党として、多様性を尊重し、包摂的な社会づくりの実現や理解増進に向けて、政府とも連携しながら、しっかりと取組みを進めていきたい。この点、政府においても、国民に誤解が生じることがないよう丁寧な説明に努めてもらいたい。このように申し上げました。
髙木国対委員長からは、予算委員会は、前総理秘書官に関する問題をめぐって野党が退席するなか与党質疑を進めたが、野党の質問に官房長官が丁寧に答弁することをもって正常化し、一般的質疑を行われている。今後の日程につき、明日は開会せず、明後日に集中審議7時間、9日(木)午前中に一般的質疑3時間、10日(金)に新潟と福岡で地方公聴会を開催することが決まった。
本会議は、明日13時から同意人事の採決などで所要10分、9日(木)13時から「所得税法」の趣旨説明質疑で所要1時間45分を予定している。
先週、与野党国対委員長会談を開き、「衆議院選挙制度協議会」(仮称)を設置し、実務者で協議を開始することで一致した。
野上参議院国対委員長からは、本日、行政監視委員会は13時に開会し、「国と地方の行政の役割分担」について、参考人質疑を15時45分まで行なった。
また、総務委員会は、兵庫県における行財政状況、消防及び情報通信等に関する実情調査のため、本日から明日にかけて、兵庫県に委員派遣を行っている。
永年在職議員表彰及び国会同意人事に関する本会議について、先週、国対間で協議を行ない、8日(水)に行うことで合意した。これを受けて、明日10時30分に議運理事会を行う。
衆議院予算委員会は緊迫度を増しているが、参議院においては、衆議院の審議状況を注視しながら、いつでも審議に入れる準備を進めていきたい。
関口参議院会長からは、次回の本会議で行われる予定の永年在職議員表彰では、私が祝辞を述べることになっている。今後も衆議院の審議に影響が出ないよう、参議院側としても委員派遣や調査会等進めてまいるのでよろしくお願いする。
世耕参議院幹事長からは、参議院では、参議院改革協議会を8日に開催する方向で調整している。そこで参議院の在り方についての議論を進めていきたい。また同じ日に、参議院改革協議会のもとに立ちあげられている選挙制度に関する専門委員会の議論もスタートさせる。一票の格差問題にどう対応するか調整を進めてまいりたい。
ガーシー議員について、30日に議長から招状が発出されており、本日時点で7日を超えているので、直近の本会議に出てこなかった場合は、直ちに懲罰委員会に付託され、懲罰委員会でのプロセスがスタートすることになる。国会法に基づき、毅然とした対応をしてまいりたい。
森山選対委員長からは、昨日投開票の北九州市長選挙は、わが党をはじめ公明党、立憲民主党、国民民主党などが推薦した新人の津森洋介(つもり ようすけ)候補が 残念ながら惜敗する結果となった。選挙結果を真摯に受け止め、敗因をよく分析し、態勢を立て直していきたい。
一方、愛知県知事選挙は、わが党県連をはじめ各党が推薦した現職の大村秀章(おおむら ひであき)候補が4選を果たした。
統一地方選挙が目前に迫っている。厳しい選挙を勝ち抜くためには、地域の切実な声を1つ残らず、すくい上げるような、ひたむきな活動が不可欠であることを、改めて肝に銘じて対処したい。
萩生田政調会長からは、今週も火曜日、木曜日の定例日、いずれも政調審議会を開催する。明日は閣法10件、閣議決定案件1件の審査を行う。了承した案件については、速やかに総務会にお諮りしたい。木曜日は、政府への提言の審査を予定している。
遠藤総務会長からは、総務会は、明日7日(火)11時より開催する。案件は、第90回定期党大会の進行概要(案)及び令和5年党運動方針(案)と、政務調査会からの法案などを審議する。また、党改革実行本部から、「ガバナンス委員会の提言」について報告される予定である。
役員会の概要については以上です。

質疑応答

Question
朝日新聞です。先ほど、お話にもありました荒井前首相秘書官についてなのですが、秘書官の発言を受けて性的指向であったり、性自認を理由とする差別を禁止する法整備を求める声が高まっています。一方、党内ではLGBTの理解増進法案の議論について、前政権下の21年5月に三役預かりになったと理解しています。今後、法整備に必要性と今後の党内議論のあり方について、どのようにお考えでしょうか。
Answer
先ほども申し上げましたが、自民党として多様性を尊重し、包摂的な社会作りにしっかりと取組み、性的指向、性自認への理解の増進を図っていきたいと考えております。この関係で、LGBT理解増進法案については、政調の「性的マイノリティに関する特命委員会」が中心となって議論を進め、法案を検討してきたという形になっております。議員立法という形を取ると。一昨年の場合、国会の日程等で提出に至らなかったと、こういう経緯もありますが、わが党においても、引き続き提出に向けた準備を進めていきたいとこんな風に考えております。
Question
NHKです。少子化対策に関連しまして、N分N乗方式について伺います。幹事長は代表質問でフランスの制度について画期的な税制だと評価され、これを受けまして与野党で議論が活発になっています。改めて、この制度に対する評価と今後、党内で少子化対策を議論していくことになると思いますけれど、一つのメニューとして本格的に検討していくことになるのでしょうか。
Answer
先ほどの総理の発言もありましたし、私もこれまでも申し上げてきたのですが、この少子化という壁を乗り越えていくと、このためには様々な対策というのが必要だと思っております。もちろん経済的な支援、この問題もあるわけでありますが、この経済的支援に関しては、幼少期の子育ての支援だけではなくて、当然、教育費の負担の問題。私も担当大臣時代に幼児教育の無償化、更には高等教育の負担軽減等々の問題にも取り組んできました。こういった課題もあると、そんな風に考えておりますし、また保育サービスのあり方と、これにつきましても受け皿自身は広がってきた、しかし、人手不足と、人材不足と言いますか、この問題もあって、サービスの質という点では改善が必要な部分もあるのではないかなと考えております。同時に働き方改革と、こういった意味でも、これから様々な議論をして、場合によっては改革しなければならない部分というのは出てくると、こんな風に考えているところであります。更に申し上げますと、結婚をしたカップル、これが、育てる子供の数、これは1970年段階で2.2だったものが現在1.9です。そこまで下がっていないというか、結婚すると二人前後の子供を設けると、こういう家庭が多いのですけれど、問題は結婚する人たちと言いますか、結婚するカップルがかなり減っているということで、合計特殊出生率が下がってしまうという問題もありますので、結婚できる環境を整えていく。非正規から正規への転換であったり、そういったことも進めなければならない。そういった意味でかなり幅広い政策とか制度、また労働慣習等々についても見直しが必要だと、そんな風に考えております。多分、長い番記者というか担当の方は、これまでの講演でも私がこういった話を強調してきたということについてはご案内だと思いますけれど、そういった話をする中で、一つの参考例としてフランスでどういう取り組みが行われてきたか、こういう話をしてきました。第二次世界大戦直後、ドゴールの時代、70年代からの基金、そしてまたシラク三原則等々の話もしてきたわけですけれども、このN分N乗方式と、これは70年以上前ですけれども、そのフランスの言ってみると、所得階層というか、社会構成には非常にフィットしていた画期的な制度であった、こういう風に評価をしているわけでありますが、現在のわが国の所得分布であったりかとか税制と、これを考えたときに、じゃあN分N乗方式、そのまま導入できるかというと課題は大きいなと、こんな風に考えております。ずっと強調してきたのは、そういった新しい制度のようなインパクトのあるというか、若者にとって希望が持てると、また子育てについて安心できるような制度を考えていかなければならないと、こういったことを申し上げてきたと思っております。代表質問でも、そういった形で一つの参考例としてフランスでは、どういう少子化対策を進めてきたか、そこの中でN分N乗の話はさせていただきました。また、それとは別に我が国においてというか、今の少子化対策の中で検討しなければいけないことということについても、いくつかの問題提起をさせていただいたと、いずれにしてもこの問題については、これからまさに議論を深めていくということでありまして、党の「こども・若者輝く未来創造本部」と、ここでも今週から議論の方はスタートしたいと、こんな風に思っているところであります。
Question
読売新聞です。本日、共産党は、党員の直接投票で、党首を選ぶ制度の導入を求めた党員について除名処分としました。この共産党の党運営について幹事長は、どのようにお考えか受け止めをいただければと思います。
Answer
ちょっと共産党の党運営と言われましても、まあ、わが党では、いきなり除名処分ということは非常に、あまりないというか、レアなのではないかなと思いますけれど、他党の対応についてコメントすることは控えたいと思います。
Question
北海道新聞です。元北海道知事で、衆院議長も務めた横路孝弘氏が亡くなりました。幹事長の受け止めと、もし個人的な思い出などありましたら、お願いします。
Answer
心よりお悔やみを申し上げたいと思っております。重なっている時期、若干あったのですが、非常に物腰の柔らかな先生であったなと、こんな風に感じております。横路先生、かつて社会党のプリンスとして国会の場で華々しく活躍され、様々な質問と言いますか、注目を集めるような議論というのをされたと、記憶に残っているところであります。また、衆議院の議長、そして副議長として、国会運営の在り方等についても様々な提言をなされていたと感じております。本当に心よりお悔やみ申し上げます。
Question
北海道新聞です。本日、総理と連合の芳野会長が会談し、芳野会長が賃上げ実現に向けての政労使会議の開催や政労会見の復活を要望しました。総理からは前向きに検討するという返答があったというお話ですけれども、そのような政労使会議や政労会見が開かれた場合、その意義や効果についてどのようにお考えになりますでしょうか。
Answer
まず、賃上げ、人への投資と、これは政権の最重要課題だと、こんな風に考えております。連合には、これまでも政府の審議会はじめ、様々な機会を通じて、労働者の代表として協議に参加してもらったと思っております。物価上昇に負けないインフレ率を上回る継続的な賃上げの実現に向けて、こうした様々な意見も参考にしながら、幅広く検討を進めることが重要だと、こんな風に考えております。
Question
ブルームバーグです。日銀総裁人事について政府が候補と言われる方へ打診をして与党と最終調整という報道が出ています。現時点で、どのように対応なさっているのかお聞かせください。
Answer
そのような事実はないと、そう認識しております。
Question
ロイターです。日銀総裁人事に関連して、茂木幹事長は次の日銀総裁に託したいこと、現時点で、どのようにお考えでしょうか。
Answer
まさにこれから人事、最終局面と言いますか、調整の局面に入っていくのだと思います。そういうタイミングでありますので、様々な考えというのがありますが、予断を与えると、こういうことになってはいけないので、今日は求められる総裁像、またはどういうことを期待するかについては申し訳ないのですが、コメントを控えたいと思います。