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安倍内閣総理大臣記者会見 国の形に関わる大改革に挑戦し、新たな国づくりを力強く進める

本日、臨時国会が閉会します。この国会では、米国との貿易協定が承認されました。攻めるべきは攻め、守るべきは守る。この大きな方針の下、米国と交渉し、我が国にとって大切な米について関税削減の対象から完全に除外しました。日本の自動車に対し、米国は232条に基づく追加関税を掛けない。そのことも首脳会談の場で直接、トランプ大統領から確認を取りました。同時に、我が国の幅広い工業品について米国の関税が削減されます。さらに、牛肉輸出に係る低関税枠も大きく拡大するなど、正に国益にかなう結果が得られたと考えています。

本年発効したTPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、欧州とのEPA(経済連携協定)も合わせれば、世界経済の6割、GDP(国内総生産)で5,000兆円を上回る自由で公正なルールに基づくマーケットが誕生します。その中心にいるのが正に日本です。これは、高い技術力を持つ我が国の中小・小規模事業者の皆さん、安全でおいしい食を支えてきた全国津々浦々の農林漁業者の皆さんにとって大きなチャンスです。この機をいかし、海外の新しい市場へのチャレンジを力強く後押しします。

今国会では、農産物輸出拡大法も成立しました。海外の食品安全に関する様々な規制について緩和に向けた協議を戦略的に行うなど、新しい司令塔の下、省庁の縦割りを打破し、スピード感をもって取り組んでいきます。さらには、補正予算、来年度予算により、和牛、酪農の増産支援、水産業の競争力強化、スマート農業の導入・推進など、農林漁業者の皆さんの生産基盤強化に取り組み、若い人たちが未来を託せる農林水産新時代を切り拓(ひら)いていきます。

地域経済の核である中小・小規模事業者の皆さんには、総枠3,000億円を上回るものづくり補助金、IT補助金、持続化補助金を活用し、生産性革命を一気に加速します。そのことによって賃上げの流れを一層力強いものとしてまいります。

この国会では、コーポレートガバナンスを強化するための会社法の改正案も成立しました。国際スタンダードに沿った経営を強化することで、日本企業の国際競争力を更に高めてまいります。

少子高齢化の時代にあって、もはや内向きな発想では未来を拓くことはできません。自由貿易の旗を高く掲げ、外に向かって果敢にチャレンジする。海外の活力を積極的に取り込むことで、持続的な成長軌道を確かなものとしてまいります。

TPP(環太平洋パートナーシップ)、日EU(欧州連合)・EPA、そして日米貿易協定。令和という新しい時代を迎えた本年、未来に向かって日本経済が力強く成長を続けていく。そのための強固な基盤を築き上げることができたと考えております。

足元では、相次ぐ自然災害からの復旧・復興、さらには米中貿易摩擦など、通商問題をめぐる緊張、中国経済の先行き、イギリスのEU離脱、香港情勢など、海外発の下方リスクにしっかりと備える必要があります。このため、事業規模で26兆円に及ぶ万全の経済対策を講じることといたしました。これは、令和の時代に安心と成長の未来を切り拓く、そのための経済対策であります。

台風15号による記録的な暴風、台風19号の豪雨とそれに伴う甚大な浸水被害。今年も大きな自然災害が相次ぎました。これらの教訓をしっかり踏まえながら、堤防強化を始めとした水害対策の充実、無電柱化の加速など、インフラの強靱(きょうじん)化を進め、安全で安心なふるさとをつくり上げてまいります。

ビッグデータ、IoT、人工知能、デジタル技術の急速な進歩は、第4次産業革命とも呼ぶべき変化を世界にもたらしています。5G通信技術など、この分野でのイノベーションの成否が国の競争力に直結するのみならず、安全保障を始め、社会のあらゆる分野に大きな影響力を与える時代です。私たちは、この壮大なチャレンジに決意を持って臨まなければなりません。今こそこれまでの発想に捉われない大胆な対策を講じなければ、我が国の未来を拓くことはできない。正に国家百年の計であります。

未来を担う子供たちへの教育も、当然大きく変わっていかなければなりません。来年4月から、小学校においてプログラミング教育が必修となります。さらに、今回の経済対策では、4年以内に、小学校、中学校の全ての子供たちに、1人1台のパソコンやタブレットなどのデジタル端末を配布する方針を盛り込みました。Society 5.0の未来を見据えながら教育改革を進めていく、国家としての意思を明確にしたところです。

本年10月からの幼児教育・保育の無償化に続き、来年春からは真に必要な子供たちの高等教育の無償化が始まります。安倍内閣は、子供たちの未来に思い切って投資することで、最大の課題である少子高齢化に真正面から立ち向かってまいります。

全世代型社会保障検討会議においても、年内の中間報告に向けた議論が大詰めを迎えています。2022年には、団塊の世代が75歳以上の高齢者となります。現行の社会保障制度を前提とすれば、若い世代の皆さんの負担が大きく上昇することが想定されます。しかし、この夏の年金財政検証では、少子高齢化が進む中でも、アベノミクスによって支え手が500万人増えた結果、将来の年金給付に係る所得代替率は改善しました。働き方改革を進め、保育や介護など、様々な事情の下でも就労への意欲をいかせる社会をつくっていく。元気で意欲ある高齢者の皆さんに就業の機会をしっかりと確保していく。人生100年時代の到来をチャンスとして前向きに捉えながら、働き方の変化を中心に据えて、年金、医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進めます。そうすることで、現役世代の負担上昇を抑えながら、令和の未来をしっかりと見据えた、全ての世代が安心できる社会保障制度を構想したいと考えています。

年が明ければ、令和2年、半世紀ぶりにオリンピック・パラリンピックが日本にやってきます。そして、令和7年には大阪・関西万博。昭和39年の東京五輪、45年の大阪万博、正に高度成長時代のど真ん中で、我が国の経済社会は五輪と万博を契機に大きな変化を遂げました。令和の時代を迎えた日本も今、新しい時代への躍動感にみなぎっています。

この絶好のタイミングにあって、しっかりと未来を見据えながら、国の形に関わる大胆な改革を、大改革に挑戦し、新たな国づくりを力強く進めていく。その先には、憲法改正があります。

常にチャレンジャーの気持ちを忘れることなく、国内外の山積する課題に全力で取り組んでいく決意であります。
私からは以上であります。