私は、自由民主党・無所属の会を代表して、菅義偉内閣総理大臣の所信表明演説に対し質問をいたします。
冒頭、いまだ収束の兆しの見えない新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた皆様に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、感染された皆様や生活に影響を受けておられる方々に心よりお見舞いを申し上げます。
今回、このコロナ禍の中、日夜、献身的な治療と医療体制を維持してくださっている医師・看護師など医療従事者の方々をはじめ、生活必需品を提供するスーパーやコンビニ、薬局など小売業に携わる皆さん、バスや電車など公共交通機関の職員、高齢者や子どもが関わる介護福祉士や保育士さん、住民生活を守る役所の職員、物流を担う配達員・トラック運転手など運送業の方々、そして生活廃棄物の処理などを行う清掃作業員の皆さんなど、多くの方々が、厳しい環境の中、感染拡大防止につとめ、私たちの生命と暮らしを守るため働いて下さっています。
また、外出自粛期間に国民が困難な日々を過ごす中、農業や漁業に従事される方をはじめ多くの生産者の方々が、厳しい状況下で私たちの生活を支えてくださいました。改めて、深い敬意と感謝を申し上げます。
そして何より、長期間にわたってマスク着用をはじめとする感染拡大防止にご協力いただいている国民の皆様に心から御礼を申し上げます。
さて、質問に先だち、内閣総理大臣として7年8カ月にわたり国政を担われ、道半ばで総理の職を辞された安倍晋三前総理大臣に、改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
安倍前総理は、憲政史上最長というその在任期間において、政権としての最重要課題であった東日本大震災からの復興支援をはじめ、経済ではアベノミクスによってデフレスパイラルという日本を長く覆っていた闇を脱却へと導き、国家安全保障会議の設置や平和安全法制の整備など、現在わが国を取り巻く安全保障環境に即した制度改革を数多く成し遂げられました。
特筆すべきは外交です。米国のトランプ大統領、インドのモディ首相をはじめ、多くの首脳とお互いに信頼できる関係を築き、わが国の国益とプレゼンスを飛躍的に高めることが出来ました。かつて、顔の見えない国と言われてきたわが国は、今や世界がその動向を気にかけ、信頼できる国と言われるまでになっています。他にも、東京オリンピック・パラリンピック招致、働き方改革など、その功績は枚挙にいとまがありません。
とりわけ、私は、政権の重要課題の一つに女性活躍を位置付け、女性の社会進出を後押しすべく、数々の政策を実行されたことは高く評価されるべきだと思います。
その安倍前総理を常にサポートしていたのが菅総理です。総理就任後、数多くの首脳と電話会談を行う一方、新型コロナウイルス感染症の対応で明らかとなった規制やデジタル化の問題など、国民が感じた弊害に対し、いち早くその解消の意向を示されるなど、菅総理の経験と行動力は内外に信頼と安心感を与えています。ぜひ、総理には、そのリーダーシップによって、引き続き、国民のための仕事をしていただくようお願いしたいと思います。私たち、自民党も全力で支えてまいる所存でございます。
それでは、菅義偉総理にお尋ねいたします。
今なお続く、新型コロナウイルス感染症によって、4月から6月期のGDPは、年率換算で28.1%減という戦後最大の落ち込みを記録しました。先日発表された日銀短観では若干の改善が見られるものの、依然として、わが国の経済は厳しい状況にあります。
政府は、これまで累次にわたる経済対策において、定額給付金や持続化給付金、雇用調整助成金や無利子・無担保融資など強力な支援を行ってまいりました。が、菅内閣においても、引き続き人々の雇用を守り、企業が事業を継続できるよう、さらなる対応をお願いしたいと思います。
改めて、これまでの経済対策の対応状況と、雇用及び企業支援を含めた今後の経済立て直しの方策について、総理から国民に分かりやすい説明をお願いしたいと思います。
とりわけ、大きな影響を受けている観光業や飲食業、文化芸術などイベント関係の業界への支援は重要です。
すでに、政府による「GoToキャンペーン」の中で、観光支援策として行われている「GoToトラベル」では、2500万人以上の宿泊利用実績があり、業界と経済への下支え効果が表れています。今後始まる他の支援策とともに社会経済活動を着実に回復軌道に乗せ、感染防止との両立を図っていかなければなりません。
一方、すでに始まっている「GoToキャンペーン」の支援策においては、事業者や受益者に不都合が生じているものがあるとの声もあります。ぜひ、政府には今一度しっかりと現場の状況を確認いただき、改良すべき点はしっかり改良し、国民のため、経済のために、より効果的な支援策となるようお願いいたします。
言うまでもなく、来年には東京オリンピック・パラリンピック大会も控えており、万全の感染拡大防止を図りつつ、インバウンドの環境整備も進めるという対策も講じていかなければなりません。特に、海外からの人の往来については、しっかりとした検査体制や基準のもと、日本国民も海外の方も安心できる体制や環境を整備することが、往来拡大へと繋がるものと考えます。
政府として、今後どのような経済振興を図っていくのか、またそのための環境整備として、国民の不安を解消するためにPCR検査の拡大や、セーフティーネットの確立をどのように考えるのか、総理の答弁を求めます。
菅内閣発足後、メディアでは仕事師内閣との評価がある一方、外交手腕は未知数との論評もありました。そのような中、総理は先週早速、ベトナム・インドネシアの両国を訪問されました。
今回、総理就任後初の訪問先として2か国を選ばれた理由と、今後、自由で開かれたインド太平洋を実現する上で、アジア各国との連携についてどのようにお考えなのかを伺います。
また、来週投票の行われるアメリカ大統領選を見据え、日米同盟の深化をどのように考えておられるのか。中国・韓国・ロシアなど首脳間の意思疎通が極めて重要である一方、政治的に課題を抱えるこれらの国々と、どのような関係を築いていくおつもりなのか、菅政権の外交方針についてお尋ねします。
総理は、これまでも拉致問題担当大臣として北朝鮮問題にもあたってこられたわけですが、総理に就任された今、北朝鮮とどのように交渉を進めていくお考えか、また拉致問題について、一日も早い拉致被害者の帰国実現に向け、どのような態度で臨まれるのか、総理のお考えを伺います。
新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
今のところ、わが国では欧米諸国のような爆発的な感染は発生しておりませんが、今後、インフルエンザの流行も予想されますし、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の流行期にも入ります。現在は、新型コロナウイルス感染症対策による衛生意識の高まりによってインフルエンザの患者数は、異例の低水準が続いていると聞きます。特に、手洗いやマスク着用の徹底など、自分を守るという意識とともに、大切な人や周りの人に迷惑をかけないようにするという他者への思いやりが、この状況を維持しているのではないでしょうか。
しかし、油断は禁物です。今後の備えとして、新型コロナウイルス感染症を始め、インフルエンザなど複数の感染症が拡大した場合の対策も講じておかなければなりません。発熱等の症状を訴える方が増え、検査や医療の需要が急増する恐れもあります。こうした事態が発生する前に、政府として予めどのような態勢を構築し、国民が安心できるような対策を用意しているのか、田村厚生労働大臣から丁寧な説明を求めます。
私も常に医療的ケアを必要とする子を持つ親として、今回の新型コロナウイルス感染症に心から恐れを感じています。それは、親もしくは子が感染した場合の道筋がはっきり見えないことにあります。
外出自粛期間中は、社会経済活動の制約によって、職を失い、家庭内での暴力など、弱い立場の人々や厳しい環境にある方々が一層困難な状況に見舞われました。また、経済的・精神的負担によって自死に至る方も増加しています。
私たちは、一つ一つ地域の声や小さな声にしっかりと耳を傾け、政治が対応できることを現実的に行ってまいりたいと思います。
急がれるのは、地域の医療体制を維持することと共に、ワクチンや治療薬の開発・研究、国民への早期接種です。すでに、新型コロナウイルス感染症の影響によって、地域の医療機関では安定的な経営が難しくなっているところがあります。また、ワクチンについてもできる限り早く、安全性と有効性を確認した上で、国民に接種できる体制を整備すべきと考えます。厚生労働大臣に、医療提供体制の維持・確保策と、ワクチンの現状と展望について伺います。
今回の新型コロナウイルス感染症では、多くの病院で面会や立ち合いが出来なくなり、「家族を看取ることができない」、「出産に立ち会えない」、「入院している子どもの付添いを制限され親も子も不安な日々が続いている」など、切実な声が多く聞かれます。その一方、Wi-Fi環境が整備されている病院では、「リモートで会話をした」、「タブレットで病室での姿を見ることが出来た」と前向きな声が寄せられています。
情報通信環境の整備促進は、今後の新しい生活様式を見据える上で重要なものと考えます。政府が現在取り組んでいるデジタル庁の設置、デジタル化推進においては、国民の不安や不満を改善し、国民生活のマイナスをプラスに転ずることが急務であると考えます。政府の積極的な対応を求めます。
わが国最大の国難は少子化による人口減少です。
これまでの少子化対策は未だ効果をみせず、昨年の出生率は1.36で4年連続低下する一方、人口の自然減は50万人台を初めて超え、減少幅は過去最大となりました。さらに先日、厚生労働省が発表した今年5月から7月に各自治体が受理した妊娠届の件数は、前年同期比で1割減という大幅なマイナスを記録しており、来年出生する子どもの数は大幅に減少することが予想されます。
今回、総理のリーダーシップで進められている不妊治療への保険適用はまさに歓迎すべき政策です。しかし、制度を作ればそれで終わりではありません。
不妊治療は、国民の正しい理解と各方面での支援が大切です。経済的負担が大きく軽減されても、仕事との両立など、安心して治療を受けられる環境を整えることが重要です。特に、企業には、治療を受ける夫婦が躊躇せずに休暇を取得することができるよう、後押しする制度を導入する必要があります。
先進国では経済の進展につれて少子化の傾向が見られます。しかし、近年、北欧や米国では少子化の流れが止まり、女性の労働力率と出生率の間に正の相関関係が見られます。
これに対し、わが国では女性の労働力率も出生率も低いのが現状です。この違いを読み解くことが重要です。日本には有給の産休、育児休業制度もありますが、アメリカの連邦レベルでは有給の産前・産後休暇や育児休暇制度はありません。それでもアメリカの方が日本よりも女性の社会進出が進んでいる理由は、どこにあるのでしょうか。
日本では、女性の方が出産や育児などライフイベントの影響を男性よりも直接受けやすい傾向にあります。制度があっても、出産後の女性の離職率は高いのが現実です。育児休業制度や時短勤務制度を利用するのが、主に女性であれば、男性・女性の役割分業はますます固定化されます。その点、北欧諸国では、父親に一定の育児休暇を割り当てるなど積極的な制度が導入されています。まずは、政府においても各省庁の男性職員の育児休暇取得を奨励し、それが自ずと評価へと繋がる環境や条件を整備すれば、社会へと波及するのではないでしょうか。
総理の不妊治療への保険適用の決断は評価されるものです。同時に、統計では、わが国では、20代から30代の母親のもとで産まれる子どもが全体の9割です。私は、政治の側が、人々が望めば、「若くして夫婦になれるように」、「若くして子どもが授かれるように」という環境をどう整備していくのか、国民全体を巻き込んだ制度改革、意識改革の議論が本質であると考えますが、総理の見解を伺いたいと思います。
ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが昨年12月に発表した男女格差の指標である「ジェンダー・ギャップ指数」において、日本は153か国中、過去最低の121位に下がりました。
特に、日本は政治と経済、それぞれの分野で144位、115位と大きな男女の格差があります。これは指導的地位に女性が占める割合が圧倒的に少ないからです。
今年は「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度になるよう期待する」という「202030(にいまるにいまるさんまる)」の目標の達成年でしたが、目標達成は困難な状況です。
新型コロナウイルスの対応では、世界の女性リーダーに注目が集まりました。ドイツのメルケル首相、ニュージーランドのアーダーン首相、台湾の蔡英文総統、その他、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、デンマーク等、私は女性のリーダーだからコロナに適切に対応できたと単純化はしません。しかし、これらの国のほとんどが国連が発表している世界幸福度ランキングの上位国です。これらの幸せな国は、つまり国のリーダーにおいて、年齢も性別も関係なく、多様な個人が尊重されるダイバーシティを重んじているといえます。
男女比からみても、日本には指導的地位に女性が占める割合が依然として少なく、ゆえに意思決定をする立場に女性はいません。つまり、政策や会社の方針に女性の視点を当たり前に反映することは困難です。
ここに一つの例があります。かつてEU各国がクオータ制を導入する中、ドイツは一貫して導入反対の立場をとっていました。しかし、メルケル政権では100を超える大手企業に対し、2016年から取締役会等の任免権限を持つその立場の女性比率を30%以上とすることを法律で義務付け、他の大手3500社にも自主目標を課しました。ドイツでは、自然の変化に任せていては男女均等を実現するのに90年かかるという試算があり、国家の成長のために、抜本的な意識の改革に取り組んだのです。
女性活躍とは、国・社会がさらに成長する余地そのものであります。国民にとって大きなメリットだと考えを変え、社会全体が変化に向けて一歩を踏み出すことが令和の改革ではないでしょうか。
昨年、私たちの同志である宮川典子さんが、40歳の若さで亡くなりました。彼女は自身が病魔に侵されていることを一切公表せず、2018年、「政治分野における男女共同参画推進法」成立に最後まで力を尽くしてくださいました。
残念ながら、今日、彼女の期待した成果にはまだ至っておりません。これから政治分野における多様性の確保の為、私たちは女性候補者の発掘に一層努力し、女性が政治にもっと関わる取り組みを進め支援していきます。
行政府にあっても、法務省法制審議会は1996年、選択的夫婦別姓制度導入を答申しました。内閣府・男女共同参画推進本部は、「202030」を目標にしています。
内部から組織を改革していく必要もあると考えますが、女性活躍に関する基本方針について、総理のお考えをお伺いします。
来年3月、東日本大震災発災から10年を迎えます。被災地は、現在に至るまで復興事業によって災害に強く強靱なまちづくりを軸とした復興が進んでいます。来年度からは、第2期復興・創生期間に入り、政府には、よりきめ細かい対応が求められます。
一方、この10年もの間も、わが国は絶えることなく自然災害の被害を受けています。近年では、平成29年九州北部豪雨、30年西日本豪雨災害、昨年の東日本台風被害、そして今年もまた、7月豪雨災害によって、九州地方を中心に西日本や東海、中部地方など広範囲にわたる地域で土砂災害や河川の氾濫など大きな被害があり、新型コロナウイルス感染症によって困難のただ中にある人々が二重の苦しみを味わうことになりました。
そのような中、全国の都道府県・市区町村は、新型コロナウイルス感染症の対応に追われ、本来予定していた災害対策の施策に着手できない状況に陥っているところが多くあります。
本来、自然災害において人命救助や復旧・復興の司令塔となるべき、それぞれの自治体の庁舎の多くが老朽化し、それ自体が命の危険をはらむなど、一刻も早い建て替えが必要です。特に、デジタル化を推進する政府において、自治体間の情報管理や、行政情報・文書の電子化などバックアップ態勢を整備することは、リスクを回避する上でも有効です。頻発・激甚化する自然災害に備えるため、国民の命を守る観点から政府に主導的な対応をお願いしたいと思いますが、小此木防災担当大臣のお考えを伺います。
防災・減災を考えるときに、私は地元・長良川の河口堰を思い返さずにはいられません。暴れ川として知られ幾度となく大洪水と決壊によって多くの人命を奪ってきた長良川に、1960年代に河口堰を作るという話が持ち上がります。当時は、効果がない、自然を破壊するなど大変な批判にさらされました。しかし、1995年の本格運用以降、今日まで河口堰と数度の浚せつによって、一度も洪水による被害もなく流域に安心と安全を提供しているのです。
菅総理も、官房長官時代に水力発電や農業用ダムなど各省庁が所管し洪水対策に使えなかったダムを縦割り打破によって、全て活用できるようにされました。国民の命と暮らしを守るため、時に、政治は強いリーダーシップを発揮しなければなりません。
自然災害は、都市生活を営む人々にも猛威を振るいます。昨年10月東日本台風では、川崎市で内水排除の不備により浸水被害が生じ、高層マンションの機能が停止したことは、多くの人々に驚きと衝撃を与えました。
もし、東京で大規模な内水被害が生じれば、行政・経済機能がストップするなど甚大な被害が生じる可能性もあります。大都市の内水対策に対する下水道などインフラの強化について、赤羽国土交通大臣の見解をお願いいたします。
すでに、政府では「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」によって、特に緊急に実施すべき対策については対応がとられているところでありますが、現在の状況をみれば、これまで以上に一層の対策が必要であることは明らかです。
例えば、重い障害や医療的ケアの必要な方、女性を始めとする多様な声を取り入れた避難所対策も必要です。専用のトイレや更衣室、授乳室の設置などの整備を求める声は多く、混乱した避難所では性被害に繋がる話も聞かれます。
一つの例として、福岡県朝倉市では、平時は観光に使用しているキャンピングカーを、非常時は市が災害対応に活用する対策を講じていると聞きます。
政府においても各自治体との連携の上、柔軟な発想を持って対策を講じていただきたいと思います。
今後、政府として、中長期的な観点から、どのように防災・減災、国土強靭化に取り組んでいくおつもりか、総理のお考えを伺います。
国民投票法改正案が衆議院に提出され、既に2年半が経過しました。
この間、この法案の審議は、憲法審査会で残念ながら行われることなく継続審議のままとなっています。そもそも、国民投票法改正案は、既に公職選挙法で改正がなされている投票環境の利便性向上を導入する内容であり、速やかな成立が望まれます。
わが党は、憲法改正について、4項目の条文イメージをお示ししているところです。ぜひ、今国会では、憲法審査会において国民投票法改正案の早期の成立や、憲法問題と憲法改正に向けた自由闊達かつ丁寧な議論が行われることを期待しますが、総理の見解を伺いたいと思います。
新型コロナウイルスにより、多くの人々が傷つきました。その日本を力強く復活できるのは、子どもたちの明るさです。
人口減少という国難の中、生まれてきてくれた大切な命を、この国はしっかり守りきれているとは言えません。これからを担う子どもたちが希望をもって生きていくことのできる日本を残せるかどうかは、菅政権に課せられた最大の使命です。
昨年発表された厚労省の調査では、2017年の日本の10歳から14歳の子どもたちの死因の1位が「自殺」です。また、15歳から24歳の自殺率は、先進国でワースト1(ワン)です。さらに、虐待によっても多くの子どもたちの命が奪われています。この事態は極めて深刻であり、あってはならないことなのです。
政府が懸命に少子化対策に取り組む一方で、幼い命や若い命が失われていく。
なぜ政治に女性の声を反映させることが重要かと思う理由は、ここにあります。
現状では、出産と同時に、育児の主な担い手は母親となります。手探りの育児の中で、突然突きつけられる仕事と育児の両立の困難さ、支えのない育児環境などは、当事者でなければ理解し難い過酷なものです。
これまでの日本社会では、子どもは産んだ母親や育てている親たちの責任で育てるものと言われてきました。しかし、これからは産んでくれた母親や育てている親たちに、社会が「ありがとう」と言って、家族とともに、社会で育てるという意識を持つことが必要ではないでしょうか。
総理は、目指す社会像を「自助・共助・公助」、そして「絆」であると仰っています。「自助」とだけ聞くと、突き放されたような思いを持つ人もいるかもしれません。しかし、共助と公助で支え助け合い、家族と社会が絆を持てばこそ、私たちは、大切な命を守ることができるのではないでしょうか。
総理は、ご自身のこれまでの経験から強くそのことを知っておられると思います。総理の思いを伺います。
私は、かねてより自民党の保守政治家として国家の三本柱は、領土・統治機構・国民であると学んでまいりました。ただ、これまでの政治において、国民という柱への思いが少なかったのではないかとも思っています。今回、菅総理は、力強く国民本位・国民目線と仰いました。同じ思いを持つ議員として、これからも国民のために全力で働いて参ることをお誓いし、私の質問といたします。
ご清聴ありがとうございました。